プーちゃん、ただいま―
とドアを開けても
いつものお迎えはない

昨日、マリンちゃんのお墓があるお寺さんで
火葬していただき
お別れしてきたので、プーちゃんの姿があるはずはない

家中どこに行っても、ついてきた
プーちゃんの足音もしない

お風呂に入っていても
磨りガラスの向こうに
プーちゃんの影は見えない

プーちゃんが着ていた服に顔を埋めて
しばらくプーちゃんの匂いを嗅いだ

微かに残るプーちゃんの匂い

もう一度抱き締めたい

プーちゃんに会いたくて仕方がない

でも、こんな私を見てプーちゃんが

安心して天国に行けないのも嫌だ


プーちゃんに飲ませていた薬や注射器

口から注入していた栄養剤も処分した

プーちゃんが苦しんでいた姿を思い出すのは辛い


せめて、プーちゃんと過ごした
楽しい想い出だけを
抱き締めよう

プーちゃん、天国を思いっきり楽しんでね


きっと

大切な愛犬とお別れした方は皆

心にぽっかり空いた穴を

少しずつ時間をかけて

埋めているのですね