まだ見ぬ地へ
どれくらい経っただろうか。
ガーグァの荷車に揺られ、俺はある村に向かっている。
「あと、どれくらいかなぁ」
なんてのん気に構えている。
ココット村から数々の村、街を渡り歩いてきたFranc(フラン)は長旅には慣れていた。
その慣れからか、武器は完全に手元から離れている。
暖かい日の光を浴びてうたた寝をしていると過去に出会った仲間たちやモンスターのことを思い出す。
イヤンクックやリオレウス、これまでどれだけのモンスターを狩ってきただろうか。
ココット村からの経緯を振り返り、乗り越えた試練やクエストが頭をよぎる。
他のハンターと協力し何度も街を救ってきたフランは完全に油断していた。
今回のギルドの依頼も大したことないだろう
そんなことを思いながらひと眠りすることにした。
目を覚ますとすっかり日は落ちていた。
「どれくらい寝たんだ」
うつろな目で寝ぼけながらも、空を見上げると雨が降ってきた。
雨は次第に強くなり前も見えなるほどだ。
そんな暴風雨の中、力強い遠吠えが聞こえた。
フランは声の先を見た。
しかし、灯りもないここでは見えるはずもない。
この雨の中でも聞こえるのか・・・
若干の武者震いを抑えながらも声の先を凝視する。
稲光の合間から遠吠えの主のような何かが見えたが、
それが果たしてそいつかどうかはわからない。
雷を一瞬纏ったようにも見えたが・・・気のせいか・・・
今までの道のりが嘘のように張り詰めた空気。
必ず、正体を暴いてみせる。
フランは一抹の不安とまだ見ぬモンスターへの興奮を抑え、新たな地に向かうのだった。
