人は本来、意欲に満ち溢れている存在です。この世に生まれたときからやる気満々なのです。
ところが、育つ過程で「あれはダメ、違うでしょ、こうしなさい」などと言われ続け、もともと持っていたやる気をくじかれてゆきます。
さて、子どもが何かにチャレンジしてるとき、大人は一生懸命応援することでしょう。そして上手くできたとき、惜しみなく褒めてあげたりします。
しかし、上手くできなかったときどう反応していますか?
もうすぐ2歳のKちゃんは、お着替えが大好き。今日もお昼寝から起きると自分で着替え、前後が逆のオムツの上にこれまた前後が逆にズボンをはきます。
シャツは少し難しく、遠山の金さんのようになりました。
「ん?」と、何かが違うことに気づいて、Kちゃんは私(園長)に助けを求めてきました。
私は「Kちゃんよくできたねえ」と彼女を讃えながら、シャツだけ直してあげました。
オムツとズボンを直さなかった理由は、『彼女にとっての完璧』だからです。
完璧とは、何も目的のカタチをを達成した結果ばかりではありません。
特に、できることの少ない子どもにとっては『自分が感じる達成感』がとても重要になります。
【達成感】は、人を大きく勇気づけてくれます。反対に、できてないところばかりを指摘されていると、子どもは、永遠に【達成感】を味わうことができません。
もし、あなたが我が子を励ましたいのなら、「ガンバレ」と言ったり、褒めちぎったりする必要はありません。
達成感を味わう体験をさせてあげればよいのです。
遠山の金さん状態を、肯定してあげればよいのです。
育児は育自と言います。
大人の基準を押し付けて、間違いを指摘するのではなく、子どもの世界観に立ってみると、あっさり一件落着するものです。