気づけば、心が静かだった。
少し前まで感じていた重さや迷いが、
いつの間にか遠くへ離れている。
何かが劇的に変わったわけじゃない。
でも確かに、内側の景色が違っていた。
棚の奥から取り出したローズの花びら。
淡い色合いと、やわらかな香り。
それはどこか、
「自分を大切にしていい」と
教えてくれているようだった。
お湯を注ぐと、
ふんわりと甘い香りが広がる。
その香りに包まれながら、
ふと思う。
私はずっと、
外へ向かって頑張っていたのかもしれない。
誰かの期待や、役割や、正しさの中で。
でも今は違う。
ただ、自分でいたい。
ローズは、
閉じていた心をやさしくひらき、
女性のリズムやホルモンバランスを整えながら、
本来の自分へと導いてくれるハーブ。
何かになる必要はなくて、
戻るだけでいい。
カップを両手で包みながら、
小さく息をつく。
新しい私とは、
新しく生まれ変わることではなく、
忘れていた自分を迎えにいくことなのかもしれない。
ローズの香りとともに。
