TwitterのDMにて、ブリード設備について度々お問い合わせいただきます。

参考までに、プラケースを使用したクマノミのブリード設備の準備について記します。

主に冬場を想定した内容です。

(紹介する方法は水質が悪化しやすいため、ブリードを初めてチャレンジする方は、本水槽内で利用できる市販の稚魚ケースやサテライトのご使用をおすすめします。)



(1)用意するもの

①発泡スチロールの箱(300mm*200mm*150mm)

②大きめのビニール袋

③プラケース(150mm*100mm*100mm)

④オートヒーター(20W 25℃)

⑤小型LEDライト


補足

①は③のプラケースよりも十分大きければ何でも構いません。ワムシや生体をネットで購入した際に使用したもので十分です(ただし、穴が空いていないこと)。②はご家庭にある大きめのビニール袋(45Lのゴミ袋など)、③は100円ショップの虫籠など、水量が1〜1.5L位のもの。④はW数小さめのオートヒーターなら何でも構いません(写真は、エヴァリス社のプリセットオートヒーター20)。⑤は水中への落下に備えて水中でも使用できるものが良いですが、なければ小型のLEDライトで構いません。


なお、夏場は①②④は不要です。


以下、主に冬場を想定してご参考ください。


(2)事前準備

(あ)発泡スチロール箱の内側に大きめのビニール袋を被せ、そこに2/3程度の水で満たしたプラケースを入れます。


(い)プラケース側面にオートヒーターの吸盤を着けておきます。

(う)オートヒーターが水の中に水没する程度までゴミ袋に水を注ぎます。水が少ないとオートヒーターが空気中に晒される危険があり、水が多いとプラケースに水道水が入ってしまいます。

これで準備はできました。プラケースを発泡スチロール箱から取り出して、中の水は捨てておきます。


(3)孵化日


プラケースにハッチアウトした稚魚を捕獲して入れます。入れる目安は30匹程度、多くても50匹くらいまでにします。プラケース2/3まで飼育水で満たし、(2)で用意した発泡スチロール箱(水で満たしたビニール袋)内に入れます。この時、プラケースがビニール袋内の水の浮力で転覆したり傾きそうな場合は、プラケース内またはビニール袋内の水量をうまく調整してください。セットできたらプラケースの蓋を閉め、オートヒーターの電源を入れます。最後にLED照明をプラケース側面または上面にセットして完成です。早速、稚魚にワムシを給餌することを忘れないで下さい。


(4)メンテナンス


プラケース内の水はワムシは毎日給餌するものとして、一日一回、コップ1杯分(200mL)の飼育水を入れ替えて下さい。ビニール袋内の水は交換不要ですが、冬場は乾燥などで減りますので、オートヒーターが空気中に晒されないよう水を適宜加えて下さい。夜間は発泡スチロールの蓋を閉めておきましょう。



(5)この方法について

・この方法は湯煎で水温を保っています。

・デメリットとして、この方法は本水槽内で利用できる稚魚ケースやサテライトに比べて水の循環が悪く、水換えが必須です。また、水温は湯煎なしの場合(夏場)は外気温に左右されてしまいます。

・メリットとして、ワムシの濃度が高い状態を保つことができます。ただし、汽水のワムシは海水中では次第に弱ってしまうため、定期的に水換えが必要です。また、本水槽(水温23〜25℃)から独立しているため、サーモ付ヒーターを使えばプラケースの水温を30℃近くに保つことも可能です。


その他の注意

・稚魚の死骸は気づき次第、スポイトで吸い取って下さい。

・ブライン給餌時、与え過ぎに気をつけて下さい。

・オートヒーターの空気中への露出にはご注意下さい。

・メンテナンス時、プラケースの転覆にはご注意下さい。

孵化から一ヶ月弱(人工餌の給餌前)を目安に本水槽のサテライトに引っ越して下さい。プラケース内で星になる稚魚が連日出る場合、サテライトへの引っ越しが急がれます。