私の母方の祖母は、私が多分物心がつく前に亡くなった。
そんなわけで、おばあちゃんの記憶が全くない。
祖父は母親との間に何かあるらしくほとんどあっておらず、
父方の祖父母にもほとんど会うこともない。
「おばあちゃんおじいちゃん」というワードが私の口から出てくることはほとんどない。
周りの人がおばあちゃんの家に行く話などを聞くと正直めちゃくちゃ羨ましい。何となく。
話がそれたけど、
そんなわけで母方のおばあちゃんの記憶がない。
もちろん葬式には行ったはずだが、全く覚えていない。
我が家は昔、いつでもクラシックが家に鳴り響いているような場所だった。
ある日、ある一曲を聞いた時に、ハッとした。
チャイコフスキー作曲「弦楽セレナーデ ハ長調」第1楽章
印象的な冒頭のフレーズ
何となく心がざわつくような、そんな気がした。
何だか聴きたくなくなる。今すぐ止めたくなるような。
そんなことを母親に打ち明けると
おばあちゃんのお葬式でずっとこの1楽章が流れていたとのこと。
びっくりした。その曲を聞くと葬式のワンシーンだけフラッシュバックするのだ。
大きな教会、灰色の床。木の棺桶。
不思議なものだ。
全くなかった記憶がある一曲、それもある1フレーズだけで蘇るのだ。
よく考えると、中学生の時にずっと聞いていた曲、高校の時に聞いた曲、
今久々に聞き返すといろんなことが蘇る。
Maroon5のLost Starsという曲を聞けば、高校2年の時親と大喧嘩して家を飛び出した時のことを思い出す。
Radwimpsの針と棘を聞くと、高校の時に付き合っていた元彼のことを思い出す。
不思議。音楽と記憶の関係。
葬式が寂しかった、悲しかった、とかそんなことは覚えていないけれど
ただ弦楽セレナーデを聞くと心がモヤモヤしてあまり聴きたくなくなる。
体が、心が、記憶しているのだろうか。
そんなわけで、それ以来弦セレを聞くことを避けてきた。
なぜ、この話を出したかというと
先日オーケストラの演奏で弦セレを聞いてしまったからだ。
やっぱり、最初はすっごくモヤモヤして、耳を塞ぎたくなるような、そんな気がしたけど
本当はとってもいい曲で
おばあちゃんが好きだったんだなと思うと気持ちが良くなった。
しかも2-4楽章めっちゃ良かった。初めて聞いた。
私の様々な趣味はおばあちゃん譲りと聞いて、会いたい気持ちが増します