先代から引き継いだ文具店を営む若い女性が主人公の物語です。
先代の厳しい教えに従って書の道を学ぶ幼少から、半ば自然の発露ともいえる反抗期を迎え、先代(主人公のおばあさま)から離れている間に先立たれてしまい、心のどこかに未練のようなものを感じながら文具店を継いでいきます。
その文具店に舞い込む「手紙の代書」の依頼を通じて、それぞれの人々の想いや繋がり、主人公の活躍ぶりが丁寧に綴られていきます。代書では、もちろん読みやすい字体で書すことを基本としつつ、代書を依頼された人の気持ちを第一に表現するために、書体を変えたり、筆記具や用紙も最適なものが選ばれます。ちょっと聞いたことのないステーショナリが出てきたり、その拘りぶりも物語に彩りと深みを与えていて面白いところです。
鎌倉の街並みや風景、実在するカフェやレストランが随所に登場してくるところも、また楽しいです。別冊で「ツバキ文具店の鎌倉案内」という本もあるようですので、そのうちそちらも読んでみようと思います。
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