次に日本は総名(そうみょう)なり、亦(また)本朝(ほんちょう)を扶桑国(ふそうこく)と云(い)ふ。富士とは郡の号、即(すなわ)ち大日蓮華山と称(しょう)す。爰(ここ)に知んぬ、先師(せんし)自然の名号と妙法蓮華の経題と山州 共(とも)に相応す、弘通(ぐつう)此(こ)の地に在るなり。遠く異朝(いちょう)の天台山を訪(とぶ)らへば 台星の所居(しょい)なり、大師 彼(か)の深洞を卜して迹門を建立(こんりゅう)す。近く我が国の大日山を尋ぬれば日天の居住なり、聖人(しょうにん) 此の高峰を撰(えら)んで本門を弘(ひろ)めんと欲(ほっ)す。閻浮(えんぶ)第一の富山(ふさん)なればなり。五人 争(いか)でか辺鄙(へんぴ)と下(くだ)さんや。
(平成新編1878~1879・御書全集1613・正宗聖典0549~0550・昭和新定[-]----・昭和定本[-]----)
[嘉暦03(1328)年07月(佐後)]
[古写本・日時筆 富士大石寺]
[※sasameyuki※]