『窪尼御前御返事』(佐後)[真跡(断片)・古写本] | 細雪の物置小屋

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御宗祖御開山遺文DBを中心に投稿します。
[参考]『日蓮大聖人の「御書」をよむ 上 法門編』著者・小林正博
発行所・株式会社第三文明社
『日蓮大聖人の「御書」をよむ 下 御消息編』著者・河合 一
発行所・株式会社第三文明社

 阿育大王(あそかだいおう)と申せし王は、この天の日の めぐらせ給(たま)ふ一閻浮提(いちえんぶだい)を大体(だいたい) し(知)ろしめされ候(そうら)ひし王なり。此(こ)の王は昔、徳勝(とくしょう)とて五(いつ)つになる童(わらべ)にて候ひしが、釈迦仏に すなご(沙)の もちゐ(餅)を まい(進)らせたりしゆへ(故)に、かゝる大王と生まれさせ給ふ。此の童は さしも心ざしな(無)し、たわぶ(戯)れなる やう(様)にてこそ候ひしかども、仏の めでたくおはすれば、わづ(僅)かの事も、ものとなりて、かゝる めでたき事 候(そうろう)。まして法華経は仏に まさ(勝)らせ給ふ事、星と月と、ともしび(灯火)と日とのごと(如)し。又 御心ざしも すぐれて候。されば故(こ)入道殿も仏に な(成)らせ給ふべし。
(平成新編1367・御書全集1481・正宗聖典----・昭和新定[3]1982~1983・昭和定本[2]1645)
[弘安02(1279)年05月04日(佐後)]
[真跡・山梨妙了寺(10%未満現存)、古写本・日興筆 富士大石寺]
[※sasameyuki※]