『妙密上人御消息』(佐後) | 細雪の物置小屋

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[参考]『日蓮大聖人の「御書」をよむ 上 法門編』著者・小林正博
発行所・株式会社第三文明社
『日蓮大聖人の「御書」をよむ 下 御消息編』著者・河合 一
発行所・株式会社第三文明社

経に云(い)はく「而(しか)も此(こ)の経は如来の現在にすら猶(なお)怨嫉(おんしつ)多し。況(いわ)んや滅度の後(のち)をや[細雪注・妙法蓮華経法師品第十の御経文]」と。又 云はく「一切世間 怨(あだ)多くして 信じ難(がた)し[妙法蓮華経安楽行品第十四の御経文]」と。又 云はく「諸(もろもろ)の無智の人 有りて悪口罵詈(あっく めり)す[妙法蓮華経勧持品第十三の御経文]」と。或(あるい)は云はく「刀杖瓦石(とう じょう が しゃく)を加へ[妙法蓮華経法師品第十の御経文] 或は 数々(しばしば)擯出(ひんずい)せらる[妙法蓮華経勧持品第十三の御経文]」等云云。此等(これら)の経文は 日蓮日本国に生(しょう)ぜずんば、但(ただ)仏の御言(みことば)のみ有りて其(そ)の義 空(むな)しかるべし。譬(たと)へば花さ(咲)き菓(このみ)ならず、雷な(鳴)りて雨ふ(降)らざらんが如(ごと)し。仏の金言 空しくして、正直の御経に大妄語(もうご)を雑(まじ)へたるなるべし。此等を以(もっ)て思ふに恐(おそ)らくは天台・伝教の聖人(しょうにん)にも及(およ)ぶべし。又 老子・孔子をも下(くだ)しぬべし。
(平成新編0968・御書全集1240~1241・正宗聖典----・昭和新定[2]1457~1458・昭和定本[2]1168)
[建治02(1276)年閏03月05日(佐後)]
[真跡、古写本・無]
[※sasameyuki※]