『立正観抄送状(最蓮房御返事)』(佐後)[古写本] | 細雪の物置小屋

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[参考]『日蓮大聖人の「御書」をよむ 上 法門編』著者・小林正博
発行所・株式会社第三文明社
『日蓮大聖人の「御書」をよむ 下 御消息編』著者・河合 一
発行所・株式会社第三文明社

若(も)し与へて之(これ)を論ぜば止観(しかん)は法華迹門(しゃくもん)の分斉(ぶんざい)に似たり。其(そ)の故(ゆえ)は天台大師の己証(こしょう)とは、十徳の中の第一は自解仏乗(じげぶつじょう)、第九は玄悟法華円意(げんごほっけえんい)なり。霊応伝(れいおうでん)の第四に云(い)はく「法華の行を受けて二七日(にしちにち)境界(きょうがい)す」文(もん)。止観の一に云はく「此(こ)の止観は天台智者、己心中所行(こしんちゅうしょぎょう)の法門を説く」文。弘決(ぐけつ)の五に云はく「故に止観の正しく観法を明(あ)かすに至(いた)って、並びに三千を以(もっ)て指南と為(な)す。故に序の中に云はく、説己心中所行法門」文。己心所行の法門とは一念三千・一心三観(いっしんさんがん)なり。三諦三観(さんたいさんがん)の名義(みょうぎ)は瓔珞(ようらく)・仁王(にんのう)の二経に有りと雖(いえど)も、一心三観・一念三千 等の己心所行の法門をば、迹門の十如 実相の文を依文(えもん)として釈成(しゃくじょう)し給(たま)ひ了(おわ)んぬ。爰(ここ)に知んぬ、止観一部は迹門の分斉に似たりと云ふ事を。
(平成新編0774・御書全集0534~0535・正宗聖典----・昭和新定[2]1136・昭和定本[1]0871)
[文永12(1275)年02月28日"文永11(1274)年"(佐後)]
[古写本・日進筆 身延久遠寺、日朝筆 茨城猿島 富久成寺]
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