一、本門寺を建つべき在所の事。
彼の天台・伝教は在生(ざいしょう)に之を用ひらるゝの間、直ちに寺塔を立てたまふ、所謂大唐の天台山、本朝の比叡山是(これ)なり。而るに此の本門寺に於ては、先師何(いず)れの国何れの所とも之を定め置かれず。
爰(ここ)に日興云はく、凡(およ)そ勝地を撰んで伽藍(がらん)を建立するは仏法の通例なり。然れば駿河富士山は是日本第一の名山なり、最も此の砌(みぎり)に於て本門寺を建立すべき由(よし)奏聞し畢んぬ。仍って広宣流布の時至り国王此の法門を用ひらるゝの時は、必ず富士山に立てらるべきなり。
(平成新編1872~1873・御書全集1607・正宗聖典0542・昭和新定[-]----・昭和定本[-]----)
[延慶02(1309)年(佐後)]
[真跡、古写本・無]
[※sasameyuki※]