一 法華経の行者に水火の行者の事
仰せに云はく、総じて此の経を信じ奉る人に水火の不同有り。其の故は火の如きの行者は多く、水の如きの行者は希なり。火の如しとは、此の経のいわれを聞きて火炎のもえ立つが如く、貴く殊勝に思ひて信ずれ共、軈(やが)て消え失ふ。此は当座は大信心と見えたれ共、其の信心の灯消ゆる事やすし。さて水の如きの行者と申すは、水は昼夜不退に流るゝなり。少しもやむ事なし。其の如く法華経を信ずるを水の行者とは申すなり。
(平成新編1856・御書全集0841・正宗聖典----・昭和新定[3]2921・昭和定本[3]2588~2589)
[弘安01(1278)年03月19日~弘安03(1280)年05月28日(佐後)]
[古写本・京都要法寺、戸田妙顕寺]
[※sasameyuki※]