中枢神経薬理学
中枢に作用する薬は最後は何を動かすか-イオン
1.全身麻酔薬(外科に不可欠)
2.抗精神病薬
3.興奮薬
4.抗不安薬
5.睡眠薬
中枢神経系に作用する薬物の特徴
依存 addiction
乱用 abuse
脳の細胞機構
1.序列型(ヒエラルキー)
逐次的情報伝達
一次知覚
一次受容体→一次中継細胞→大脳皮質一箇所でも破壊されるとシステムとして成り立たなくなる。
運動出力系
2.放散型 (diffuse)
投射する先にも系がある。 こういう系は細胞が破綻しても投射部位の系はある程度作用する
モノアミン作動性神経に多い。 破綻→心の病気 cf.ヒエラルキーだと作用がなくなるとはっきりと眼に 見えて分かるシステムの破綻。
diffuse の破綻は調節システムの破綻。 スムースな動きの破綻だけのこと。
3.局所回路型(ヒエラルキーを入れている横槍を入れる) 流れの調節ができる。
中枢の特徴として色々なシナプス配列がある。シナプスの形成の仕方としては四つの空間的な配列が考えられている
シナプスの空間配列
1.軸索-樹状突起間
2.軸索-細胞体
3.樹状突起-樹状突起
4.軸索-軸索
シナプスがどうやってできるかはわかっていない 興奮性アミノ酸の細胞体にセロトニンがdiffuse タイプで調整かけようとしたときにとか
1.神経伝達物質
中枢神経伝達物質のcriteria
1.伝達物質がシナプス前およびそのニューロン内に存在していること。
2.伝達物質が神経活動に伴い遊離→Ca++依存性→開口放出
3.実験的に伝達物質を標的細胞に適用した時の効果がシナプス前を刺激した時と同じ
2.神経調節物質 上述のcriteria を満たさない
Neuromodulator ニューロン活性に影響を与えるがシナプス以外に起源 (グリアとか ex.NOや、prostagrandin とか。)
3.神経仲介物質
Neuromediators
シナプス後部の反応に関与 cGMP とか
中枢神経作用薬の作用部位
1.インパルスに作用 ex.全身麻酔薬
2.合成に作用 p-クロロフェニルアラニン(トリプトファン酸化酵素の阻害薬)
3.貯蔵 レセルピン:モノアミンの貯蔵阻害
4.代謝を阻害 MAO 阻害薬
5.遊離 アンフェタミン:カテコルアミンの遊離促進
6.再取り込み SSRI のようなセロトニンの選択的再取り込み阻害剤とか、コカインも再取り込みを阻害す る。
7.分解 ACh 分解を抑制 ネオスチブミン
8.受容体 作動薬、拮抗薬
9.イオン透過性 イオンチャネル阻害薬(オープナー)
伝達物質の話
メジャーなのはアミノ酸 大きく分けると中性アミノ酸と酸性アミノ酸
中枢神経系伝達物質
A.中性アミノ酸(グリシン、GABA)
抑制性 IPSP
GABA-AはCl-チャネルを形成 Cl-イオンの透過性を変化させる 主に開いて陰イオンを入れる→膜は過分極
GABA-B K+の透過性を上げてとカルシウムの透過性を下げる どっちにしても過分極の方に働く
GABAに対して二相性がある fast IPSP: GABA-A slow IPSP: GABA-B
B.酸性アミノ酸
グルタミン酸、アスパラギン酸
興奮性に働いて脳の全てのレベルに存在する
1.ダイレクトにイオンチャネルを開く ionotropic receptor
NMDA受容体
AMPA受容体
Kinate 受容体
2.G タンパクに共役する受容体 metanotropic receptor
GABAのアンタゴニストは薬にならない →けいれんが起きる
アセチルコリン アミノ酸についで多い。
ニコチン受容体 cf.アゴニストでアルツハイマーの進行抑制
ムスカリン受容体のアンタゴニスト アトロピン:健忘が起こる 下痢止めは極性を高くして中枢に移行しないようにする
中枢に入らないと困る抗コリン薬 酔い止め
タバコやめると眠くなる
ADHDの治療薬としてニコチンは認められている
注意力散漫時にニコチンパッチを張る?
ドーパミン 5 つのサブタイプ。
NE αとβがある。
セロトニン 7 つのサブタイプがあるが1-4 まで
ヒスタミン 中枢に入るH1 ブロッカー:眠気を催す
ペプチド類
神経機能調節
共存する神経伝達物質を協力して作用する。
全身麻酔薬
・意識消失
・痛覚消失
・運動反射機能調節
しかし
・呼吸循環機能は維持 これを引き起こせるものが全身麻酔薬 適応はほとんどが外科手術だがそれ以外の適応もある
手術以外の適応-喘息重積発作意識化で挿管されるほど苦痛なことはない 吸入麻酔薬 ハロタン
歴史
1842 年 ジョージア州
Long エーテル麻酔(公表せず)
1845 年 Wells (N2O)<!--笑気(顔が緩む)--> 抜歯手術の公開 ただし失敗
→助手 Morton Harvard 大でエーテルの研究
マサチューセッツの general hospital で外科教授のWarren の執刀で公開手術 →成功 →(Ether Dome)
外科麻酔の夜明け
1847 年 Siimpson がクロロフォルムで Victoria 女王の無痛分娩 <!--それ以来クロロフォルムとエーテル:吸入麻酔薬の王様だった-->
20 世紀前半
シクロプロペン(shortacting)
20 世紀後半
新しい吸入麻酔薬 ハロタンの台頭(引火性がない)
かつて優秀な麻酔科医は片脚がなかったらしい 脚の一本も落ちてないと立派な麻酔科医ではない 電気メスも使えないし
笑気が復活してきた
麻酔法、技術、器具の発達
全身麻酔薬の分類
1.吸入麻酔薬 常温でガス体(笑気のみ) 常温で液体(揮発性の有機溶液 気化器によりガス体 今の主流)
2.静脈内麻酔薬
1.Barbiturates thiopental(オウムで自白剤に使用されていた)
2.benzodyazepine プロタイプはdiazepan
来週から実習始まる Diazepan のED50 をやる マウスを使う 筋力を見る 副作用で筋弛緩作用 ジアゼパン投与でぶら下がれなくなる
その量のED50 を測る 臨床検査技師は抜くことはできる
3.opioid analgenics & neuroleptic 意識と痛覚を別々にやる オピオイドで無痛状態を作り出し、Neuroleptic で意識を弱める
ドロペリドール Droperidole 無痛は麻薬で、 意識は分裂病治療薬で。
麻酔薬の薬理作用
1.1937 年にゴーデルがエーテル麻酔の人のサインについて詳細に報告している
ステージについて
エーテルの麻酔は大きく分けるとよっつに分かれる。
Stage1,2,3,4
Stage1
何が起こるか 痛覚が消失する (無痛期) まだ意識はある。 腹式呼吸胸式呼吸は規則的に起こる
Stage2
興奮期(発揚期) 大脳皮質の機能停止
(下位へのコントロールが生じる、下位中枢が脱抑制を起こす。わずかな刺激に大きく反応したり、反射が亢進したり
呼吸のリズムがひどくなる。 眼球運動が活発になる REM睡眠みたい。 色々な反射が誇張されて出てくる)
中枢神経抑制による下位神経の脱抑制
Stage3
外科麻酔期
4 期に分類されている この時は反射が抑制される無意識状態。
第1 相 眼球運動停止まで 角膜反射、対光反射は残る
第1 相では筋弛緩が全ては起こっていない。
四肢は弛緩するが腹筋の緊張は維持
このときに腹部切開するとどーんと腸が出てくる
筋弛緩薬を投与する 自発呼吸が止まる 調節呼吸が必要 そうなると麻酔医が必要。
麻酔薬単独でやる時は1 相では腹部手術は不可能。
第2 相
呼吸筋が麻痺 眼球運動とまる、 残っていた反射も消失 筋弛緩 下腹部筋は弛緩。 上腹部筋は不十分
ここでも筋弛緩薬を併用
第3 相
呼吸を見ると、腹式呼吸が主になる時期。 肋間筋が麻痺 横隔膜が代償性にがんばる。
腹筋弛緩 平滑筋も弛緩傾向:血圧低下、胃腸膨満 長期間の手術はできない
第4 相
Stage4 延髄麻痺期 レスピレーターにつなぐしかなくなる
他の麻酔も順序は同じただしPhase の速い遅いはある。
作用機序 わかっていない でも使っている
リン脂質膜に麻酔薬の分子が入っていく。→イオンチャネルの立体構造を変えてしまう。→機能変化
インパルスの変化ってのはまさにこれ。全身麻酔に対する受容体があるのではない。
リン脂質膜に刺さりこんでしまうものがあればどんなものでも全身麻酔薬になる
→あまり化学構造は似ていない。
リン脂質膜に入るのが麻酔薬の力価にあたるが、中枢への移行性も重要。
麻酔の深度・導入・覚醒に及ぼす因子
血液に溶けやすい麻酔薬→導入が遅い (血液への解けやすさ=血液コンパートメントの大きさと考えよ。)
MAC (minimum alveolar concentaration) 最小肺胞濃度
痛み刺激を与えた時に50%が動かない一気圧での肺胞濃度
相対的な麻酔薬の力価をあらわす。
N2O は1MAC=105% 1 気圧で100%笑気吸っても半分も効かない 酸素21%は確保する必要がある
つまり笑気単独では外科麻酔に到達しない ただし、この濃度作用曲線は傾きが急
1.1MAC で90%が麻酔できる それくらい傾きは高い。
加齢で減少する
吸収と分布(導入)に及ぼす因子
・麻酔薬の溶解度 溶解度の低いものほど導入は速やか。
・吸気中の濃度 濃度が高いものほど導入が早い
・肺の換気量 分配係数が高いものほど影響が高い。プリント図11 参照 Halothane のほうがN2O よりも敏感に反応する
・肺血流量 肺血流量の増加。
一見導入は早そうになる。
ところが肺血流量が増えると導入は遅くなる。
心拍出量の増加に依存する つまりなかなか平衡状態に達しない キャパシティも大きくなると考えられる
肺血流量が低下すると逆に麻酔薬の導入が速くなる この状態はショック状態
外傷性とかつまり交通事故で運ばれてきた患者さんとか。 パラドキシカルなので理解してください。
・動静脈間の濃度勾配 脳以外の組織での麻酔薬の取り込み 濃度勾配が大→平衡に達するまで時間がかかる
覚醒 導入が早いほど覚醒が早いと理解してくれ ただ、吸入をすぽーんと抜いてもまだない 吸入やめてすでに脳の中でも灰の中でも飽和している そこだけ注意
因子は導入の因子と同じ
吸入麻酔薬のプロトタイプ
ハロタン 人には使わない
麻酔作用は強い
鎮痛作用は弱い
プロタイプ 亜硝酸、ハロタン、エーテル、メトキシフラミンの順番を覚えればいい。 順番がある
→アドレナリンによる催不整脈作用 術中にアドレナリンは重要な薬剤だが、(血管収縮とかね) ハロタンがあると不整脈を誘発させる。
Vf 心室細動 そういった重症な不整脈を引き起こす可能性がある ハロタン麻酔中にアドレナリンは禁忌
肝毒性 ハロタンは一部肝臓で代謝される 10%程度。 この代謝物が悪さをする。 trifluoro acetic acid
この二つの副作用を克服しようとして色々な麻酔薬が出てきた
今使われているのはイソフルラン(今結局多く使われている)
MAC 1.15% 副作用は弱い
循環器系への安全性高い <!--薬価は高い 安全性には変えられない。-->
笑気
1MAC が105% 最近復活している 導入が早い。最初に笑気を使って一期にまで持ってきてイソフルランとか他の麻酔薬にスイッチする。
そういう方法でうまく麻酔を行う 血液ガス分配係数が0.5 きっている。(0.47) 笑気を復活させた最大の理由
副作用:笑気と酸素とり間違えて植物人間にしたという事故 →タンクの色分け-
静脈内麻酔薬
バルビツールとベンゾジアゼピン そして痛みと意識を別々に抑制する
A.バルビルール酸系
睡眠薬→作用時間が短いもの→麻酔薬
チオペンタール 250mg 1~2 分→約15 分の麻酔 約30 秒で脳内濃度は最高になる
特徴:注射中にI 期(無痛期)に入る
II 期を欠いてIII 期に入る
問題点:麻酔深度の調節が困難 速度・量↑→呼吸・循環↓↓
吸入麻酔薬の導入直前に使用する (気管内挿管)
B.ベンゾジアゼピン系 抗てんかん薬もバルビツール酸とベンゾジアゼピン系を使う
A.B.の違い 結合部位は違う 量と作用の関係 fig1. バルビツール酸は飲みすぎると死ねる
ジアゼパン
C.神経遮断鎮痛麻酔 Neuroleptic analgesia
神経遮断薬 Neuroleptics ドロペリドール→意識低下
cf.ハロペリドール:ブチロフェノン系 抗精神病薬(抗分裂病薬) D2-antagonist
フェノチアジン クルププロマジン
鎮痛麻酔 フェンタニール(鎮痛薬) ドロペリドールは意識はなくならないが周囲に対して無関心という状態を作り出す。
神経遮断:苦痛を伴う諸検査(気管支鏡・内視鏡検査) 心臓カテーテル
フェンタニールの副作用:呼吸抑制 →オピオイド受容体のアンタゴニスト(ナロキソン)を使う
全身麻酔薬 吸入麻酔薬はある程度肺胞内濃度でコントロールできる
静脈内麻酔薬はレセプターが分かっている バルブツール酸のレセプターをブロックするアンタゴニストはない
BZP はあるが。 フルマゼニン
フルマゼニル ベンゾジアゼピン受容体拮抗薬
ケタミン 向精神薬 hencycliadine の誘導体 NMDA受容体拮抗作用を持つ
解離麻酔薬という別名がある
通常麻酔薬を使うと EEG 睡眠波 海馬で覚醒波 →無痛 呼吸抑制はなし。
プロポフォール propofol
導入はバルビツール酸同様に速い
覚醒は更に速い →術後の気分は爽快
day surgery
呼吸抑制あり、コスト高い
半減期は 1-3 時間