感じない子ども こころを扱えない大人 (集英社新書)/袰岩 奈々
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最初から最後まで、ウンウンとうなずきながら読んだ。

昨今起きている青少年(に限らず)の問題は、自分のネガティブな感情をどう扱っていいか分からないことから起きているのではないか、というのが著者の意見。

ネガティブな感情をどう扱うか、以前に、自分の気持ちが分からない若者も目立つという。
例えば、学校に来なくなったある大学生。
カウンセリングで本人と話してみると、「なんとなく行かなくなった」とか、「行かなくても将来なんとかなるでしょ」といった、危機感のない、他人事のような受け答えをするという。
気力がない、いい加減、というより、自分がどう感じているのか分からないのだという。

「こんなときは私はこう感じちゃうけど、あなたはどう?」というように、こちらの気持ちや感じ方を根気よく提示していくと、そのうち本人から「将来のことを考えると頭が真っ白になってしまう」といった話が出てくるんだという。

自分の気持ちが分からないっていうのは、私にはすごくよく分かる。
子供の頃の私は、とにかく「ねば」、「べき」で動いてたと思う。

先生や親に何か言われたなら、イヤだろうが何だろうが、それはやらなければいけないこと。
自分の感情を押し込めて、ムリしてたなぁ。

子どもにはそんなことをさせたくない。
感情はいいものでも悪いものでもない。
感情を素直に出してもいいんだよ、できれば適切な表現の仕方で。
そういったことを教えたい。

それにはまず自分から。
子どもの感情を聞きたいと思ったら、まずは自分から自分の気持ちを話してみる。
自分から表現する。
自分の気持ちを認める。
自分からって大事だな~と思いました。