「恋ってどんなものかしら」

やまとなでしこ(1) [DVD]/松嶋菜々子,堤真一,矢田亜希子
¥3,990
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 有名なんだから紹介するまでもないだろっ!という声が飛んできそうな作品を紹介します。ご覧いただいているDVDは2000年にフジテレビ系列で放送されました、月9ドラマでございます。
 主演は松嶋菜々子、相手役は堤真一です。2人が織り成す珠玉のラブコメディ・・・って、え?そんなの知ってるって?夕方の再放送で飽きるほど観たって? ですよね、分かってます分かってます。でも紹介したいのです。
 なぜ?
 ダイスキだからですよ!他に理由なんてありません!全話通して何度観たことか!目の前で桜子さんが何度合コンしたことか・・・!オススメ作品を列挙するうえで、コレだけは、この名作だけは避けて通れないのです。
 
 しい家庭に生まれ育った神野桜子(松嶋菜々子)は、高校卒業後、家を飛び出すように上京。お金持ちと結婚したい。その一心で花形のスチュワーデスとなり、美貌と恋愛のテクニックを武器に上流階級の男たちとの合コンに没頭します。
 あるキッカケから合コンに参加していた中原欧介(堤真一)と出会い、リッチな馬主だと思い込んだ桜子は彼に急接近。ほんとうは貧乏な魚屋の男であることを口に出せないでいた欧介は、戸惑いながら嘘をつき続けます。
 欧介にとって、桜子は昔の恋人に似ていたのでした。
 
 すっかり欧介に首ったけの桜子は、それまでお付き合いしていた、大病院の御曹司である東十条司(東幹久)との婚約話を断ち切り、頻繁に足を運んでいた合コンからも身を引くつもりでいました。
 しかし、豪邸に住む馬主であるはずの中原欧介が、実は代官山で貧相な魚屋を営む人間であるという噂を耳にした桜子は、その真相を確かめるべく、彼のもとを訪ねてみることに・・・。
 
  「愛は年収」という信念のもと、玉の輿に乗りかかろうとする桜子。彼女は次第に、お金では買えないたったひとつのものに気づきはじめます。
 
 た目は王道のラブコメディであり、設定やあらすじだけだと、まるでおとぎ話のような印象を受けるかもしれません。しかし個人的には月9史上最高傑作・・・!笑えて泣けて、何度も観れるのがいい。
 一人ひとりの登場人物が光ってるせいか、どのシーンも外せないし、飛ばせない。気づくと、このドラマ悪役らしい悪役がいないんですよね。しいて言うなら桜子の歪んだ恋愛観かな。笑
 
 観たことある人が大抵だと思いますが、DVDを借りて今一度、涙を流してみてはいかがでしょうか。そのためのレビューでもあるのです(えっ後付け・・・!笑) ちなみにこのドラマの矢田亜希子、メッチャかわいいです・・・。。顔も仕草も役柄も、すべてが衝撃ですw
 
 れと、蛇足ですが、、、。
 「人は、失ったときに初めて、それがいかに自分にとって大切なものだったのか気づく」というセリフが作中に含まれています。「失う前にそのことに気づけた人はラッキーだ」と。
 対象となるのは、恋人や友人であったり、一時の月日であったり、形ある物であったりすると思うんですけど。言い換えてみれば、後悔しないように生きなさいってことかもしれませんね。好きなものは好きと、大事なものは大事だと受け止めなければ、いつか目の前から消えてしまう。
 
 いま、自分の身の回りのひとつひとつに目を配って、確かめる。自分にとって必要なのはなにか。必要なのに放ったらかしにしているものは何か。それが消えかねない日はいつ?忽然と明日消えても、後悔はないかどうか。
 
 人に言える立場ではないですが、自分も時々そんなことを考えます。
 どうでしょう!?
 大切なものを放ったらかしにしていませんか!?


「読者諸賢におかれては、彼女の可愛さと私の間抜けぶりを二つながら熟読甘味し、心ゆくまで味わわれるがよかろう。」

 きな小説は?と誰かに聞かれても、片手で数え足りるほどの読書経験しかなかった素人の自分の目には、この作品はある意味において、とても斬新に映ったのでした。

 当然、両手でも数え切れないほど小説を手にとっておられる方なら、斬新というほどの表現は大袈裟に感じるかもしれませんが。

 少なくとも個人的にはとても読み甲斐のある作品でした。ストーリーや人物描写ももちろん楽しめます、楽しめますがやはり最も突筆すべきなのは、その古風な語り口!世界観とオシャレにマッチした文体が、もう芸術的なまでにお見事なのです。

 

 にもかもが京都一色。大学の後輩である“黒髪の乙女”に恋をした“先輩”がひたすら駆け回る恋愛ファンタジーですが、登場人物しかり、次々に巻き起こる奇想天外なエピソードしかり、すべてが京都の舞台にどっぷり溶け込んでいます。


 ちょうちんの灯る夜の先斗町にはじまり、夏の神社の古本市、秋の学園祭へと、先輩は黒髪乙女の背中を追いかけます。

 恋しい姿を見つけ、見失い、探した果てにまた見つけ、彼女の視界に入れば「奇遇ですねぇ!」と繰り返される。どんな場所で、何度会くわしても、彼女にとってはただの“偶然”。

 キャラクター性に溢れた脇役達が絡み合い、一途な先輩の足取りを“不可抗力”に邪魔してしまう展開はとても愉快でした。先輩は滑稽ゆえに応援したくなるし、彼の想いに気づかない天然系の彼女にも愛着が沸くこと請け合いです。

 

 そして冬、京都を舞台とした純愛絵巻は最終章を迎えます。偶然という名の出会いが繰り返された末、果たして先輩の恋は実るのか。

 自分としましては最後のシーンがとてもお気に入りです。最後の先輩の言葉も、そして最後の彼女も言葉も、心に焼きつくほど印象的でした。


 なみに自分は読み終わったあと、表紙を10分くらいジッと見つめていました。。。読んで良かったなって感じる作品って、読み終わった後しばらくボーッとしません?分かりますよね、この感じw

 自分は映画とかドキュメンタリーとか、ゲームとかでもそうですけど。いいもの観たあとってしばらく脳内が停止するような感覚になるんですよね・・・(笑) その物語に侵食されてるような感じで。

 

 本作、『夜は短し歩けよ乙女』は山本周五郎賞ならびに本屋大賞2位を受賞しております。すでに読まれた方も多いと思われますが、まだの方はぜひ。ホントに京都三昧です。

「俺は一人で登ってやる・・・・・・」


孤高の人 1 (ヤングジャンプコミックス)/坂本 眞一
¥540
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 んかおもしろそうなマンガないかな、 新しいマンガ集めたいな、 と書店をブラブラしていたとき、たまたま発見したマンガ。


 表紙に惹かれて買いました。よかったです、個人的にヒットでしたので紹介します。凄みのあるマンガというか、かなり圧倒されました。

 とにかく漫画に対する研究力が凄い!景色や岩山の描写はもちろんだけど、細かな人間の動作がものすごくリアルで・・・、かなりの研究や取材を積んで描いてるんだろうなぁ、とつくづく思う作品です。



 作は、いわゆる「アイスクライマー」の物語。

 クライミングの楽しさを知った主人公が、次々と巨大登壁に立ち向かっていきます。岩壁とか氷山とか、いろんな壁をクライミングしまくり。

 学校付近の小高い岩山からはじまり、標高8611メートルの人類未踏の氷壁へとつづく挑戦。その過程の中で、人間的に成長していく主人公の様子も、クライミングシーンに劣らず、濃く描かれてます。


 タイトルどおり、”孤高”な主人公です。人付き合い苦手。性格も暗い。セリフよりも、”心の中のセリフ”のほうが圧倒的に多い。

 そんな孤独な主人公・森文太郎が、出会いや経験を通じて少しずつ成長していきます。彼を取り囲むまわりの登場人物たちもグッドです。汚い下心を持った人間が多くて、けっこうリアル(?)。



 直に・・・、井上雄彦の『バガボンド』とか、福本伸行の『最強伝説黒澤』とかが肌に合う人は、好きなタイプのマンガじゃないかな、と思います。
 主人公の心理描写の仕方とかも、個人的には好きなんですよね。例えば・・・。1話まるまるセリフや効果音を使わず画力のみで描き切ってみました、みたいな。なんていうか、スラムダンクっぽい感じ。いま、「あっ、そういうマンガ好き」って思った人は、間違いない。絶対オススメ!

 

 読んだことない人、ぜひ探してみてくださいよ。『孤高の人』です。タイトル渋いですね。あえて「アイスクライマー」とかじゃないところが。

 でもそこがまた良いですよね、逆に新鮮で(^-^)/