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どんでん返しのある話が好きです。
映画でも、ドラマでも、小説でも、漫画でも。
ジャンルは問わないんですが、巧みに伏線を張って、それが鮮やかに、しかもこちらの予想を覆すようなものが、私の好みみたいです。
シックスセンスとか。
猿の惑星とか。
予想を裏切られたと言えば、フロムスクティルドーンもそうかな。
序盤、一般人の家族連れを人質にした強盗犯の犯罪映画になりそうなフリをして、途中からいきなり吸血鬼と戦うホラー映画になるんです。
似たような日本映画で、発狂する唇というのがありまして、序盤は心霊ホラーっぽいんですが、途中、大昔のメロドラマみたいになったり、スパイ映画みたいになったり、方向を迷走した挙げ句に、最後はカンフー映画になるというそういうのも、好き。
今日は映画を見に行きました。
魔法少女まどかマギカの前編と後編。
合わせて236分。
テレビでもCMやってますよね。
この映画、多分、知らない人は、小さい女の子かディープなアニメファン向けのアニメだと思ってるんじゃないかな。
私もそう思っていたんですが。
これ、もともとテレビで放映していたアニメの総集編なんです。
テレビ放映時、全く興味が持てなくてスルーしていたんです。
魔法使いの女の子が主人公のアニメ大の大人が見たら白い目で見られるものです。
人の好みはそれぞれで、その作品に惚れ込むのは悪いことじゃないと思ってはいますけど。
一人でカラオケとか、一人でキャンプとか、世間的にはあんまりやらないことをよくやる私ですが、だからといって世間体や常識から完全にフリームなわけではないんです。
これを見るのはちょっとなていう見た目から来る思い込みもあって、話題作、問題作と言われていたこのまどかマギカを見ていなかったわけなんですが。
全話を再放送で見る機会があって、偶然目にした時は衝撃を受けてしまいました。
可愛らしいなんてとんでもない。
最初こそよくある魔法使いの女の子のアニメのお約束に沿っているように見せてましたが、仲間の一人が敵の魔女に食い殺されてから、物語はガラッと変わります。
善意は報われずに常に裏目に出て、誰も傷付かないどころか、少女たちは血まみれで戦い、次々に無惨に死んでいきます。
ひたすら過酷で残酷な展開。
全く読めない謎。
ぽわぽわした絵柄は完全にフェイク。
中身はハードなークファンタジーでした。
騙されたてなわけで時々録画したDVDを見返すくらいにお気に入りになってしまったまどかマギカなんです。
テレビで見たのを総集編で見る意味はあるのかなあ、と思わないでもなかったのですが、CMを見ていて、迷った末に見ることにしたわけなんです。
感想は、よくできた総集編だなあと。
総集編て、何話もあるドラマを短い時間にまとめるから、色んな情報が欠落してしまって訳が分からないものになりがちです。
元の話を知ってりゃ分かるけど、初めて見る人はさっぱり、というのが普通。
でも、この映画は初めて見る人でも訳が分からなくなる、なんてことはないと思います。
情報の取捨選択が巧みなんですね。
前編は、テレビの真ん中過ぎまでですが、そんなに駆け足な感じではないし、むしろテレビよりシンプルに、スリムになって分かりやすくなったんじゃないかと思いました。
さっと登場人物を紹介してみますと、キュウべえ彼がいないとこの物語は成り立ちません。
真っ白なキツネみたいな不思議な生き物で、人々に絶望を振りまく魔女と戦う魔法少女をスカウトするのが彼の役目。
彼と喧キると、何でも願いをひとつ叶えられる代りに、魔法少女になって魔女と戦う運命を課されます。
見た目は愛らしいマスコットキャラクターみたいですが、ストーリーが進むにつれ、段々と不気味な本性を顕にしてきます。
彼の正体や、言葉巧みに女の子達を魔法少女にしていく本当の目的というのが物語の核心なんですが。
鹿目まどか主人公です。
平凡で、目立たなくて、何の取り柄もない中学生の女の子。
本人もそこをコンプレックスに感じているみたいで、魔法少女になることに、一番憧れを抱いていたのが彼女です。
なんですが、しょっぱな、巴マミが無惨に食い殺されるのを見て、憧れと現実の差を思いしって魔法少女になるのを怖がるようになります。
彼女には破格の素質があるので、キュウべえは再三魔法少女になるよう仕向けることになりますが暁美ほむら長い黒髪が特徴的な、ミステリアスな転校生。
この物語の影の主人公。
無口で、クールで、無表情で、その真意はキュウべえにも分からない謎の魔法少女です。
普通は知り得ないような魔法少女の真実やキュウべえの本当の目的も知っています。
瞬間移動する、敵を触れずに爆破するなど、謎の能力を持っていますが、彼女の能力は物語の真相に深く関わってくるので、ここでは伏せておきます。
テレビではまどかのことばかりに執着している印象のほむらですが、映画では仲間を思いやったり、死を惜しむような場面が強調されています。
美樹さやか登場人物の印象で、テレビとずいぶん変わったなと感じたのは、この美樹さやかです。
彼女はまどかの幼なじみで親友。
短い髪の面倒見のいい明朗な女の子で、引っ込み思案なまどかとは対照的なんですが、実に残酷で悲劇的な運命をたどります。
さやかには、上條くんという、思いを寄せている幼なじみがいるんですね。
彼は中学生にして天才的なバイオリニストだったんですが、事故でリハビリ入院中。
後遺症で指は動かず、バイオリンを弾くのは絶望的なんです。
彼の怪我を治すという願いと引き換えにさやかは魔法少女になります。
ところがそれで彼女の恋が叶ったかというと、そうじゃない。
いろいろ重なって、心に妬みや恨みを溜め込み過ぎた彼女は、遂には魔女になって絶望を振りまく存在に巴マミまどか達がキュウべえに会う前から魔法少女をやっている、先輩魔法少女。
落ち着いた雰囲気の中学三年生。
魔法で出した無数の銃や大砲を駆使して魔女を駆逐するのが得意戦法です。
戦いのベテランなんですが、前編の真ん中あたりに、油断した隙を突かれて魔女に頭を食いちぎられた後、全身を貪り食われて死んでしまいます。
佐倉杏子巴マミの死を受けて、後釜を曹チてやってきた魔法少女です。
勝ち気で自己中心的でいて悪びれることが全くありません。
荒っぽくてパワフルで、主要人物の中では異質な存在です。
宣教師の父親の声に耳を傾けさせるという願いが元で、結果的に家族が破滅してしまうという、暗い過去を持っています。
テレビではパワフルで豪快なイメージばかり強かった杏子ですが、その過去や、さやかを思いやるシーン、絶望的な運命に心を揺らす場面が強調されて、ちょっとキャラクターの重みが増した感じでした。
さやかとは考え方の違いから再三対立しますが、さやかが魔女になってしまった時は、彼女を元に戻そうと力を尽くしますが、叶わずに重傷を負ってしまい、最後の魔力でさやかを道連れに自爆して死んでしまいます。
メインはこれだけ。
登場人物少ないですね。
劇場化に当たって一番印象が変わったのは、美樹さやかです。
テレビでは、悪い子じゃないけど、とにかく視野が狭くて浅慮な部分が目立つんです。
死んでしまった巴マミに過大な思い入れをする余りに、ほむらや杏子の忠告を聞き入れないで半ば意地になって無茶な戦いを繰り返し、結果的に破滅happyho.jpしていきます。
魔法少女になった当初は自己犠牲に酔っているところも見受けられたりして、ちょっと痛いとこも。
現実はそううまくいきません。
怪我が治っても上條くんは振り向いてくれません。
魔女から命を救った親友の仁美に彼を奪われますし。
彼女の幼い正義感や見込みはあっけなく裏切られていって、それが後々魔女になっていくのにつながっていくんです。
改めて考えてみるとすごく皮肉な、悪意のある展開ですねぇ。
とにかくさやかは他の登場人物とぶつかり合う場面ばかり目立って、感情移入がしにくかったんです。
まあでも、そういう幼稚さって、普通にありそうでリアルだと思うんですが。
映画では、痛いところや浅はかな部分はかなりカットされていて、上條くんを思う健気な部分が強調されています。
その分、暗黒面に落ちていくのがちょっと急な感じがしますけど、感情移入がしやすくなったおかげで悲劇性が増した感じでした。
後、テレビでは最初と最後に唄が流れて、予告があってちょっと一息つけましたけど、劇場版はぶっ通しなので、怒濤の悲劇に心が折れそうになりますね。
とくに前編は。
プリキュアか何かと勘違いして小さい女の子が見たら、深い心の傷を残しそうな気がしますがしかしまあ、過酷な物語の結末は、一発逆転サヨナラホームランの逆転劇がありますから、耐えて見ましょう。
私と同じように見た目で敬遠している方、その第一印象のまま映画かDVDを一度見て欲しいなぁと思います。
その方が裏切られると思いますので。
長々と失礼しました。
ではまた