AIを使って何かを解析してわかりました、という話ではなく、むしろ哲学チックな話です。
AI(Artificial Interigence, 人工知能)は近年著しい発展を遂げてきました。それに大きく貢献してきたのは機械学習の一種であるニューラルネットワークだと思っています。機械学習とは、ビッグデータを機械に学習させ、それらの背後にある法則を明らかにしようとするものであり、その中でニューラルネットワークは人の脳神経にまねて作られた手法です。
僕はAIの専門家ではないのでここらへんの話はそこまで詳しく述べられませんが、とある研究会に参加した際に「転移学習」と呼ばれるものを知りました。
僕のざっくりとした理解では、転移学習とは、あるデータを学ばせたニューラルネットは別のデータ解析にも適応(応用?)することができるということです。
例えば、昨今のニューラルネットワークの最大の成果である画像認識(写真の中に何が写っているかを判別)に対するニューラルネットは、異なるデータ解析(実験データやら天気予報やら)にも応用できる、というわけです(なんか偉そうに言ってしまってますが素人ですので…)。
人の脳神経を真似たニューラルネットワークで転移学習という呼ばれる手法がある、という事実は、我々人間もなんでもいいから一つのことに真剣に、真摯に取り組むことの大切さを示唆しているのではないか、と僕は考えています。
仕事や勉強はもちろん、スポーツ、料理、ゲーム、釣りといったように趣味などに真剣に向き合った経験は、いつか他のものに取り組む際にきっと生かされる、と思います。あたかも、写真の中に猫が何匹いるかをひたすら学習し続けたニューラルネットが、転移学習によって例えば自動車の自動運転でのドライバーや歩行者の安全を担うモデルに生まれ変わったりするように。変わった趣味が生業に変わる日も来るかもしれない。
機械学習に関する僕の知識はあくまで聞きかじった程度のものですので、僕の解釈は間違っているかもしれません。それでも、自分には才能がないだとか、センスがない、向いてないというような理由にかこつけて真剣に向き合わないことは、やはり好ましいことには思えません。向いていようがいなかろうが、自分ができるところまで突き詰めたという経験は、決して無駄にはならないと信じています。
自分がやりたいことというのは、必ずしも周囲の支持が得られるものではありません。アーティストになりたい、アスリートになりたい、YouTuberになりたい、研究者になりたい、プロゲーマーになりたい、漫画家になりたい、声優になりたい…突然そんなことを言い出したら他の人からは止められることの方が多いでしょう。
本当にそれが好きでやってみたいというのであれば、どうすれば周りを説得できるかということさえも真剣に考えるべきです。人それぞれ平等不平等あることは仕方のないことですが、好きなことをできる環境にないからだとかを理由にさっさと諦めてしまうことは逃げであると言わざるを得ないでしょう(ちょっと強く言い過ぎな感じですが)。
僕は一応理学の研究者の端くれなわけですが、理学研究は多くの場合「それっていったい何の役に立つの?」という問いかけと常に戦っています。その都度科研費の書類作成などでは、自分の研究の重要性を相手に分かってもらえるように試行錯誤を重ねていくわけです。ただ、自分の研究を掘り進めていくだけが研究ではありません。なんでそれをやりたいのか、重要なのかを客観的に見つめ直し、周囲や環境を自分で変えていくということも研究の大切な一環です。そして、そういった行いは研究に限ったことではないと思います。
正直、自分に研究者としての才能に恵まれているかというと、そうではないと思っています。それでも、たった1度の人生なのだからやれるところまで、真剣に向き合ってみようと考えてます。
自分の進路ややりたいことに関して悩んでいる方々の中でこの文章に最後まで付き合って下さった方、同意してくれた方とは、是非とも共に、勇敢に、それぞれの道を歩んで行ければと思います。
