海外産としては珍しい2Dグラフィックの格闘ゲーム! 以前より開発がアナウンスされていた2D格闘ゲーム『 Skullgirls 』が、2012年4月に海外でリリースされた. 完全新作のダウンロードゲームで、Xbox LIVEアーケードおよびPlaystation Networkで配信中だ(※日本での配信は未定). 本作を開発するのは海外のスタジオReverge Labs. 海外産格闘ゲームといえば真っ先に思い浮かぶのが『 Mortal Kombat 』シリーズだが、本作は海外作品としては珍しい2Dのアニメ映像. 加えて絵柄がそこまでどぎつくないため、日本のコアな格ゲーファンから期待されていたのだ. 海外制作ながら、かなり日本側に歩み寄ったグラフィックが特徴. にじみ出る濃さは否定できないが、まあ許容範囲だよね? 人間離れした能力を持つ8人の美女(? )が集結! 本作のプレイヤーキャラクターは総勢8名. 全員が女性で、寄生生物が髪の毛に取り付いたフィリア、ある宝石を飲み込んだため不老不死となったMs.フォーチュンなど、一癖も二癖もある人物ばかりだ. ほぼ全員が魔物っぽいというか、超人的な能力を持っているため、人間離れした大迫力のバトルが展開される. ひとりひとりくわしく紹介しようかなー、とか思っていたのだが、なぜか 公式サイト に日本語のページが存在し、キャラクターについても詳細な解説が記載されているので、興味を持たれたらそちらを参照してほしい. 本作の魅力のひとつが、ジャパニメーションに影響を受けましたといわんばかりのキャラクターデザインと世界観だろう. ちょっと濃くてクセが強いアニメ絵ではあるが、「これならなんとか! 」と受け入れられる人も多いのではなかろうか. さりげなくパンチラしたり、キャラクターが頬を染めたりと、お色気方面での頑張りも垣間見られる. 生体力学兵器を持ったピーコック. 銃やらラジコンやらで攻撃する. お相手はキャノピー王国の王女、パラソール. そんな騒ぎ立てるほどでもありませんが、格ゲーにはおなじみのお色気要素もほのかにあります. いわゆるカプコン系を踏襲したゲームシステム 続いてゲームシステムを紹介していこう. 操作形態は左スティックで移動、攻撃は弱~強パンチと弱~強キックの6ボタンで、いわゆるカプコン系格闘ゲームと同一だ. 本作のポイントは、使用キャラクターを1~3人まで自由に選べること. ふたり以上を選択した場合はタッグバトルとなり、待機中のキャラクターと交代したり、アシスト攻撃を行うことができる. ひとり対3人という変則バトルも可能で、体力や攻撃力、マッチ数は人数に応じて適時調整されるという仕組みだ. それ以外のシステムは、投げ抜けやコマンド投げ、小~大の順で通常攻撃を連続でくり出せるもの(いわゆるチェーンコンボ)、打ち上げ技からの空中コンボ(いわゆるエリアルレイヴ)、超必殺技など、昨今の格闘ゲームで一般的なものはほとんど搭載されている. ストーリーモード以外では、使用キャラクターを3人まで自由に選択可能. その場合はアシストの形式も選択する. いわゆる超必殺技も. 多段技だけでなく、投げ系の超必殺技も存在する. さあレバーを回すんだ! ゲーム展開はかなりスピーディ. 空中2段ジャンプや空中ダッシュもあるため、『 ストリートファイター 』シリーズのようにジリジリと地上戦の駆け引きを楽しむよりかは、空中攻撃を多用するタイプのバトル. 『 ヴァンパイア 』シリーズに近い感覚でプレイできるため、長らく新作が出ていない同シリーズのファンは、一度試してみる価値はあるだろう. ひとりで遊ぶのは寂しいので、格ゲー好きの友達といっしょにどうぞ ゲームモードも非常に豊富だ. 各キャラクターごとの物語が楽しめるストーリーモード、登場する相手を倒していくアーケードモードに加えて、オンライン・オフラインでの対戦モードもバッチリ. 本作はGGPOを導入しているため、オンラインでも快適な対戦が楽しめるのは特筆だ. ちなみにGGPOとはオンライン対戦を快適にするシステムソフトウェアのことで、昨今ではカプコンのダウンロード作品『 ストリートファイター3 3rd Strike Online Edition -Fight for the Future- 』で採用されたことが記憶に新しい. また本作のセオリーを実践形式で学べるチュートリアルモードも搭載. baspostchitu 指定された連続技を成功させるだけでなく、"パンチで固めてから投げる"や"通常攻撃をヒット確認して成功したらコンボを続ける"など、より実用的な内容が多かったのが印象的だ. ストーリーモードではイラストと文章で物語が表現される. なかなか多彩なイラストは一見の価値あり. 本作のセオリーを覚えられるチュートリアルモードも. 3DSの『バイオ』川奈早智『戦国無双』『DOA』 ヒット確認からの連続技など、実戦で使える内容のものが多い. CORTEZ 日本ではイロモノとして見られがちな海外産格闘ゲームながら、内容はしっかりと作られており、格闘ゲームが好きならば長時間楽しめるであろう. 残念な部分は、新規タイトルのため人によっては登場キャラクターが少ないと感じることだろうか. またロード時間も少々長めなので、このあたりは次回作での改善を期待したい. 取り立てて目新しい要素がないため、斬新さには少々かけるが、そのぶん入り込みやすいのも事実. ただし格闘ゲームは対戦相手がいてナンボのゲームジャンルであるため、できればフレンドを誘って一緒に遊びたいね! そうそう、記事ではお伝えできないが、本作のサウンドを手がけたのは『 悪魔城ドラキュラ 』シリーズなどを担当した山根ミチル氏. ゲームミュージックファンも、ぜひ注目してもらいたい. 著者紹介 喫茶板東 ファミ通Xbox 360で海外ゲームマニアックス、実績解除愛好会などを担当するフリーライター. 学生時代はゲーセンに入り浸って『 バーチャ2 』やら『 ストIII 』に明け暮れたもんです. 最近はもっぱらネット対戦だけどね.