競馬の第145回天皇賞・春は29日、京都競馬場の芝3200メートルに4歳以上の牡馬(ぼば)18頭が出走して行われ、単勝14番人気の伏兵ビートブラックが優勝した. 1番人気のオルフェーヴルは11着に敗れた. 2着はトーセンジョーダン、3着はウインバリアシオンだった. 人は何を残して死ぬのか. 人は何を残さずに死ぬのか. 人は何を持って旅立つのか. 人は何を持たずに旅立つのか. 生きる者全てにとって永遠の命題である「生と死」を「生」ではなく「死」を基点に描いたフランソワ・オゾン監督のこの傑作. やはりこのフランソワ・オゾン監督が撮るフランス映画は最高の逸品です. これまでもたくさん存在した「生と死」を描いた作品. でもそのほとんどが残された時間で人はどう生きるかを描いた、「生」を基軸にしたもの. しかしこのフランス映画はもちろん主人公ロマンが死を迎えるまでを描いているのですが、その描き方がこれまでの作品とは違い、「死とは何なのか」から「生きるとはどういうことなのか」を描いているように思えるんですよね. つまり「死が訪れるまで彼はどう生きたか」ではなく「どうやって彼は死を迎えたか」ということ. 当初は余命3ヶ月という宣告に怒り悲しむロマンも、唯一の相談相手である祖母に全てを打ち明けてからは、どことなくまるで自分の葬式の準備をするが如く動いているように見えてくるんですよね. 仲違いをしていた姉に公園で電話を掛けるシーンも、冷たく別れたゲイの恋人に再会して関係を求めてしまうのも、一度は断った子種の提供も、そして砂浜で静かに迎える日没も、どれもがロマンがこの世に何を残すか、何を持ってあの世に行くかをたった一人で選別しているかのようでした. 後悔は残したくない. だから人との繋がりをより求めてしまう. 愛は持って旅立ちたい. だから写真をたくさん撮っておきたい. ラスト、海岸で幼い頃の自分に似た少年に出会えたことで自分に対する後悔を打ち消し、自分に対する愛をしっかりと心に留めたロマン. その穏やかな寝顔で、まるでロウソクの火がゆっくりと消えていくかのような演出で日没を見せるフランソワ・オゾン監督の演出力. そして波打ちの音だけをただ流すEDロール. その全てに生き急ぎも死に急ぎもない、ゆっくりと生きるとかでもない、死を迎えるその日までにしっかりと何をこの世に残し、何をあの世に持って行くのか自分の心の中で整理してくださいと言わんばかりのメッセージを感じました. グングニル』の公式サイトでプロモ映像の配 フランス人映画監督、フランソワ・オゾン. 彼だけは一生ハリウッドには行かずにフランスでフランス映画らしい傑作を撮り続けてほしいと思いました. それにしても『まぼろし』や『スイミング・プール』でもそうでしたが、この監督は熟年女優の起用法がめちゃ巧いですよね. もしかしてそっち系なのかな? 深夜らじお@の映画館 が自分自身を葬るときは海辺は寒いので他の場所を探すことにします.