Meteor shower -2ページ目

Meteor shower

あの時僕の小指は 君をなんで疑ったんだい?

イナズマジャパンが一位になってから


俺たちイナズマジャパンは日本に帰ってきていた。


みんなそれぞれ自分の地元に帰っていってた。


けど俺は、まだここに居たりする。


その理由は…


ただもう少し円堂くんたちとサッカーがやりたかった。


でも…少し居すぎかな。そろそろ帰ろう。お日様園へ。


今日いきなり言うのはあれだから、明日にしよう。


「円堂くん」


「ん?ヒロト?どうした?」


一休みしにきた円堂くんに話しかける。


「俺、明日お日様園に帰るよ。」


「え?」


「本当はもっと早く帰らなくちゃいけないのに、居させてもらったからね

 でもそろそろ帰らないと…ありがとう、円堂くん。」


「…そうか、わかった。じゃぁ今日は送別会だな!」


「うん、そうだね」


最後ぐらい、マネージャーの手伝いでもしようかな。


あれ?そういえば久遠さんはどこに居るんだろう。


まだ今日一回も見てない気がする。


「あ、木野さん。」


「ん?何?」


「あの、久遠さんは?」


「あぁ、今日は体調悪いからって寝てるの」


「そう…なんだ。」


「あ、悪いんだけど様子見に行ってきてくれない?」


「え?」


「私たち、昼食の準備しなくちゃいけないから…」


「あぁ。うん。わかったよ」


「ありがとう」


「いえいえ」


そして俺は彼女の元へ向かったのだ。


あいまいな記憶を頼りに彼女の部屋へ行く。


とりあえずついて部屋の前で少し躊躇う。


本当に入っていいのか。しかし、頼まれたのだ。


ノックをドアに向かって話しかける


「久遠さん、入るよ?」


返事はない。


とりあえず中を覗いてみると


ベッドで寝ているようだった。


熱さまシートが時間的に終わりを迎えているようで


新しいのに取り替える。


そんなことをしながら


お日様園でもしていたことを思い出していた。


それにしても…


久遠さんの寝顔は可愛いな…


って俺何してるんだ。


俺は無意識のうちに久遠さんの顔に触れていた。


後悔しつつ久遠さんの顔をちらっと見ると


さっきより顔が赤くなっていることに気づく。


あれ…


も、もしかして…


予想が当たっていないことを密かに祈りつつ


久遠さんに話しかける。


「く、久遠さん?も、もしかして起きてる…?」


長い沈黙のすえ


「ご、ごめんなさい…」


と小さい声が聞こえた。


予想は当たっていた…


「いや、こっちこそごめん。いきなり、頬を触って…」


「あ、いや…別に私は…」


き、気まずい。


いや、気まずくしたのは俺なんだけど…


「・・・どう・・・るん・・すか?」


「え?ごめん、もう一回言ってくれる??」


すると壁の方を向いていた久遠さんがこちらを向いて


「どうして、ここにいるんですか?」


とうつむきながら言う姿に


俺は可愛いなとか思いつつ


「木野さんに様子を見てきてほしいって言われて」


「あ、そう…ですよね」


「?」


なんだろう、さっきより久遠さんがさびしい顔をしているようだ…


よけい下を向いてしまった顔をのぞきこむと


一粒の涙が落ちた。


え?俺何かした?


いや、したけど…


「ご、ごめん!!!そうだよね、俺なんかに触れられて…本当にごめん!!」


もう俺には謝るしかなかった。


そりゃそうだ。


対してかかわりのない相手からいきなり頬とか触られて


なんてことをしてしまったんだ…


「ち、ちがう!!!」


「え?」


「あ、いや…ヒロトさんに触られたからじゃないです…から」


「え?」


じゃぁなんだっていうのだろうか。


さっきの発言??


なんだ?なんだんだろう。


「…ヒロトさん…」


「あ、な、なに?」


「あの、もう様子は見たのですから行ってあげてください」


「え、あ。あぁ木野さんのところに?」


「…っ。はい」


なんだろう、木野さんってところに久遠さんが反応した。


「あ、うん。じゃぁ行ってくるね」


「はい。」


後ろを向いて部屋を出て行こうとすると


幽かに声が聞こえた。


「やっぱり好きなんだ…」


「え?」


「え?」


「今、好きとかなんとか言ってなかった?」


「い、いいえ」


「本当に?」


久遠さんに言い寄る。


「本当です!!」


そんなことをしていると廊下から足音が聞こえた。


そんなこと持っているまにドアが勢いよく開いた。


「ふゆっぺ!!大丈夫か?」


円堂くんだった。


「あ、守くん」


久遠さんの顔がいっきに明るくなる。


これは円堂くんにしか出せない表情。


俺にはこんな顔見せてはくれない…


って何を思っているんだ。俺は。


あれ?俺。


もしかして、円堂くんに嫉妬してる?


なんで?


…。


そうか。


俺は


久遠さんが好きなのか。


「そうか…ゆっくり休めよ?」


そう言って円堂くんは帰ろうとする。


「あれ?円堂くんもう帰るの?」


「あぁ。トイレって言って抜け出してきたからな」


「そっか。じゃぁ後で」


「あぁ。」


そう言って円堂くんは出て行ってしまった。


「久遠さん」


「…何?」


「久遠さんは円堂くんが好きなの?」


「えっ・・・。」


「あ、ごめん。やっぱりなんでもない。」


何を聞いてるんだ俺は。


見るからにそうじゃないか。


自分がつらいだけなのに何を…


「ま、守くんは…好きだよ…」


「そ、そう…ごめんねこんなこと聞いてじゃぁ俺木野さんに話してくる」


「え、あ、ヒロトさん?」


久遠さんの話を遮るように


俺は部屋を出て行った。


なんであんなこと言ったんだろう。


バカだろ…


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そして、練習が終わり


雷門中のメンバーと雷々軒に来ていた。


俺の送別会として。


送別会は楽しかった。


楽しかった。


なのに、俺は昼のことをひたすら後悔していた。


それから


一週間がたった。


お日様園の自室でいまだに


久遠さんのことを考えてしまう


自分が嫌だった。


「未練たらたらじゃないか…」


コンコン


「おい、入るぞ」


「どうぞー」


晴矢が部屋に入ってきた。


「あんたにお客さんだ」


「俺に?誰?」


「ほら、イナズマジャパンにいた。マネージャーの女だよ」


「3人いるんだけど…あいや4人…」


「知らねー。早く行け」


「…わ、わかった」


誰だろう。


木野さん?


音無さん?


それとも雷門さん?


まさか久遠さんな訳が…


「え?」


「こ、こんにちわ」


「あ。こ、こんにちわ」


まさかの久遠さんだった。


「まぁ、あがって。」


「お、お邪魔します」


俺になんの用だろうか


「とりあえず俺の部屋にどうぞ」


「あ、はい」


「汚いけどごめんね」


「いえ、大丈夫です。」


そうして、俺の部屋に久遠さんはきた。


「その辺に座っていいよ」


「あ、はい」


「じゃぁ、俺飲み物持ってくる」


「あ、いえ。大丈夫です」


「いやいや。お茶ぐらいは出さないと」


「いえ」


「いや」


「いらないです」


「さすがにね」


そんなやり取りをしていると


部屋がノックされた。


「はい?」


「私だ」


「あ、怜奈。」


「ほら、お茶とお菓子持ってきてやったぞ。感謝するんだな」


「ハハハ。怜奈ありがとう」


「じゃぁな」


怜奈が部屋を出ていくと俺は向きなおして


久遠さんの向いに座る。


「はい、お茶」


「あ、ありがとうございます。」


「いいえ」


「…下の名前で呼ぶんですね」


「え?あぁ、怜奈?まぁ家族と同じだからね」


「そう…ですか」


「?」


しらばらくの間沈黙があった後


俺は久遠さんに聞いた。


「そ、そういえば俺の家なんて…どうかしたの?」


「…」


「…」


どうしよう。気まずい…


「・・・どいじゃないですか」


「え?」


「ひどいじゃないですか、何も言わずに帰っちゃうんなんて…」


「あ…」


そうか、久遠さん風邪で寝込んでたから


俺何も言わずに帰っちゃったんだった。


「ごめんね。久遠さんには何も言ってなかったね。」


でも、それで俺の家に来るってことになるのか?


そんなに俺に何か言いたかった?


「…」


「…」


何も言えない。


どうしよう。


「…ごめんなさい」


「え?」


「いきなり、お家訪問していきなり、こんな話して」


「え、あ、いや。俺は別に。どっちかと言うとすごく嬉しいよ。訪問してきてくれて…」


「え」


「え、あ。その…」


俺は何を言ってるんだ。


久遠さんの顔がみるみる赤くなる


「可愛いな…」


「え?」


「あ。」


やばい無意識に心の声をつぶやいていた!!!!


「いや、そのあの!!!!」


久遠さんの顔はさっきよりも赤くなっていた。


なんかもうその姿が可愛くて


愛しくて


つい俺は


本当の気持ちを伝えてしまったんだ。


「俺、久遠さんが好き」


「え?」


「好きで、好きで、こっちに帰ってきてからも久遠さんのことばかり考えてた。」


「・・・」


「ごめん。こんなこと言って。」


「・・・」


あー。やってしまった。


友達ではいられたかもしれないのに。


もうそれさえもなくなった…


「ヒロトさんが」


「え?」


「ヒロトさんが帰ったって聞いてすごく驚きました。」


「…うんごめんね」


「でも。それよりも、さびしかったです」


「…」


「私、もっとヒロトさんと話したかった。

  一緒に居たかった」


「…」


「私、ヒロトさんに会いたかった。」


「え?」


「私も、ヒロトさんが好きです…」


え、いまなんて言った?


俺のこと


好き?


「え?」


…。


「ホントに!!!」


「は、はい…」


そして


俺たちはこの日から


付き合うように


なった。