― 名前・科学・コレクションの世界 ―
博物館やミネラルショー、オンラインショップなどで「○○隕石」と販売されるには、科学的な確認と国際的なルールに基づいた「正式なプロセス」が存在します
特にアメリカは隕石の発見、分類、研究機関が数多く、それぞれが独立の業務を行いながら連携して市場を管理しています。
そのため、アメリカから隕石を入手する経路が一番安全で確実だと考えています。
隕石ハンターから鉱物学者まで数多くの手を経て、やっと市場に出回る隕石の旅をご紹介します。
隕石の発見
隕石は、砂漠や南極、あるいは偶然人里で発見されることがあります。発見者は一般市民であることも多く、最初は「変わった石」として見つかる場合も少なくありません。
石隕石は隕石の大部分を占め、落下頻度で見るとコンドライト(石質隕石の大部分)が約86%と最も多く、次いで鉄隕石、石鉄隕石の順ですが、石質隕石は外見から判断が難しいため見過ごされることが多く、鉄隕石が市場に出回りやすくなっています。
近年では隕石の発見場所をあやふやにするために、一般市民の発見者が発見場所を明かさないケースもあり、そのような場合は「NWA (North West Africa)」として名前を付けられるケースも増えているそうです。
ただしNWA番号のみの簡素な隕石でも、市場で隕石として扱われるために科学的に認められ出回っています。
隕石命名委員会(NomCom)
隕石の名前を管理しているのが、隕石命名委員会(Meteorite Nomenclature Committee:NomCom)です。
特に
- 新しい隕石名の承認
- 既存の隕石が同一か別物かの判断(ペアリング・分離)
- 命名ガイドラインの策定
- 情報の公開(Meteoritical Bulletin やデータベース)
この委員会は、隕石学会の専門家で構成されており、隕石が市場に出回るまでの重要な責任を担っています。
例えばある隕石ハンターが持ち込んだ隕石の破片と同じ場所から、他の隕石ハンターが解析を依頼した場合、別の隕石名(または番号)が振られますが、既存の隕石が同一か別物かの判断は専門家により分析されデータベースに公開されることになります![]()
「正式な名前」と共に研究される隕石たち
隕石がNomComにより正式に承認されると、
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Meteoritical Bulletin Database(MBDB)に登録
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学術的・科学的に認知
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「由来が明確な隕石」として扱われる
この段階で、隕石は博物館や研究機関、コレクターの間で取り扱われるようになります。
アメリカで有名な学術誌としては
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Meteoritics & Planetary Science(MAPS)
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Geochimica et Cosmochimica Acta(GCA)
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Earth and Planetary Science Letters
などがあり、ここで研究されている珍しい隕石はグラム数万円するものもあります。
落下量が少なかったり、研究価値が高い隕石ほど高額になります![]()
名前と記録の重要性
隕石市場では、「本物であること」「どこで発見されたか」「どのタイプか」を公的に認証されていることが非常に重要です。
正式名称とデータベース登録があることで、
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偽造や誤認を防げる
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研究価値が保証される
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コレクターが安心して購入できる
というメリットが生まれます。
隕石は科学とルールに支えられて市場へ届く
隕石ハンターによる発見から学術専門家による解析を経て、公的なデータベースに登録されるまでをアメリカが厳格に管理しています![]()
長い期間をかけて形成され、ある惑星は何億年を経て宇宙から手元に届きます![]()
昨今色々な隕石が販売されていますが、以上のプロセスを経てお手元に届いているものか、ぜひ一度思いをはせていただければと思います![]()
