空へ向かう花―小路幸也

私はよく本屋に足を運びます。学校帰り、休日、買い物ついで・・・
そんな、何気なく立ち寄った本屋で、「これだ!」と思う本に出会えるなんて、得した気分です。
この本は、学校帰り、ブラブラと本屋内を循環していたときに見つけた一冊。
最初は、他の本を買うつもりだったのに、この本を見つけたときに「これしかない!」と心に決めて選んだものです。
何より私は、「学生」「女の子と男の子」という言葉に弱い。
学生の身である私にとって、学生目線で書いてあるものは、なんともドキドキ感が増す。
それがたとえ、今回のように主人公たちが小学生であっても。
また、やはり人間は男女様々である以上、男女の関わりがないとつまらないと思ってしまう。
だからそんな私なんかは、純粋に恋愛小説もなかなかの好みであったりする。
この本に出てくる人物は、主に4人である。いや、ここは5人といった方がいいのかもしれない。この物語は、その5人を中心にして進んでゆく。
その5人がどのような人物なのかは、あえて是非自分の目で確かめていただきたい。
そのうちの1人は言う。
『どうしようもないことって、起こるんだって、わたしは知ってるから』
また、そのうちの1人は言う。
『心を強くするにはどうしたらいいか』
はたまた、そのうちの1人は言う。
『力を持たないものに、優しくしたいと思う気持ちを偽善と呼ぶのなら、喜んで偽善者になる』
そして、1人は言う。
『傷を受けてしまった小さな心を慮り、彼らの未来を考え守ってあげることが正しき人の道である』
本当はもう1人、ここに加わりたかった子がいました。彼女も彼らと同じように笑いたかったはず。
けれど、どれを彼ら自身の力でどうにかすることはできないだろう。
だからこそ、彼らは希望を作ろうとする。彼らの力で、彼女の為に。
小路幸也さんの本は、いつも率直な文である。
人間の心の奥底にあるものを、「文字」というものに上手く変換する。
でもそこに「嘘」や「偽り」というものはない。
だからこそ、そこには「愛」が生まれる。
小路さんの、登場人物に対する愛が。
私はいつも、そんな心暖かい愛に癒されているのである。