Re: *†Exact Light Sniper†* ( No.324 )

日時: 2012/04/03 19:43
名前: 神羅 ◆w08v7t4OQ. (ID: zp3ANUt9)
参照: 獏良@PSP

第五十二話【激戦強敵ポケモンレンジャー ライトvsジーク】


 「今日の朝飯、まずい」
今日の朝飯は卵ご飯、味噌汁、豆腐などなど・・・。
ポケモンセンターで用意してくれた割りと豪華なレシピだ。
 「これのどこがまずいんだよ。残さず食いな」
せっかく用意してくれたんだから食わなきゃ申し訳ない。

しかし・・・
 「さぁ、今日はバトルすんぞ」
 「ヤダ」
と一足早く食い終えたライトが言うと、ものすごい形相で睨まれた。
こんな返信が来ることは予想していたが。

 「なぁー、頼むよバトル! 俺明日でライモンシティ出る予定なんだ」
 「僕も明日でブラックシティ行く予定」
 「なら尚更!」
 「良いかい? 朝飯は一日のエネルギーの源なんだ。
その朝飯で満足出来なかったのなら仕方ないだろう?」
朝飯は一日のエネルギーの源ではあるがテンションの源ではない。
 「ワケ解らんこと言うな! いいからやろ?」
 「・・・昼飯次第」
そう言うと、ジークは朝飯を残したまま、機嫌悪そうにその場を去ってしまった。


・・・そんなにまずかったか?
ここまで機嫌悪そうなジークは初めてだ。
今までで一番機嫌が悪いということは、今日はライトにとって一番運が悪い日なのだろうか。


ライトはジークの残した菠薐草を箸でつまんで口に運んでみた。
 「・・・うまい」


Re: *†Exact Light Sniper†* ( No.325 )

日時: 2012/04/03 19:46
名前: 神羅 ◆w08v7t4OQ. (ID: zp3ANUt9)
参照: 獏良@PSP

第五十二話 2


 「昼飯、麺類じゃないね」
今日の昼飯はカツ丼。
なんで今日に限ってこんなに豪華な昼飯なんだ!
嬉しくねぇぞ・・・この野郎・・・!
ライトは若干涙目になりながら、昼飯担当の職員を恨んだ。


昼食を終えた後、ライトは恐る恐るジークに聞いた。
 「あのぉー、ジーク君? どうせ午後暇だろ? ちょっくらバトルしないかい?」
後ろから話しかけると、彼は赤い瞳を光らせてこちらを振り向いた。
「イグザクトの力が解放されたのか!?」と思って一瞬身震いしたが、そんなワケがない。


 「・・・しつこいね、君は」
もしかして・・・とうとうキレたか?
 「・・・そんなに僕とバトルしたいの?」
怒っているような口調に聞こえたそれは、ライトの思いこみだったようだ。
ただ呆れている口調だった。

 「あぁ、頼むよ。明日で俺ら、もう会えなくなるかもしれないんだからさ、最後の記念にってことで! な?」
ライトが念を押し込むと、ジークはため息混じれに言った。
 「しょうがないな。じゃあ2vs2なら良いよ」

2vs2・・・か。
これでは彼らの持ってる全てのポケモンを出すことは出来ないが・・・。
それでもバトルしてくれるだけありがたいと思うべきだ。

 「よし! じゃあそれでいい」
 「おk。それじゃあ早速、ポケセンのバトルルームに行こう」




Re: *†Exact Light Sniper†* ( No.330 )

日時: 2011/12/22 16:03
名前: 神羅 ◆w08v7t4OQ. (ID: pr9uh8nU)
参照: 獏良@PSP

326
おっと見逃してた


お久しぶりです!
ぜんぜん構いませんよ!

ガントルも頭いいので性格が夜○月に似てるんでしょうねw

血を流してまで戦い続けるジャノびーに拍手←
雄だったらとっくに戦闘不能になってたでしょうね

ライト君もずいぶんギリギリな旅をしていますよね

ジークの苛々の原因はもしかしたらその別れかもしれません
始めの方ニーアと二人で行動してたり、ダブルバトルしてたりなんだかんだで良いコンビだったのかもw
さすがにカルシウム不足とかいう単純なことではn(ry



Re: *†Exact Light Sniper†* ( No.331 )

日時: 2012/02/28 17:57
名前: 獏良 ◆DEATH5bqNs (ID: 3U5pLFcN)
参照: wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww

第五十二話【激戦強敵ポケモンレンジャー ライトvsジーク】3


 「出て来い、フカマル」
 「行け、キバゴ!」
ライトはジークがフカマルを出すのを予想していた。
ライトが見てきた限りのバトルでは、彼はいつも一番目にフカマルを選んでいたのだ。
だからそいつの苦手なドラゴンタイプを持つキバゴを出した。

しかし、これはフカマルにとっても有利な状況にある。
どちらにとっても効果は抜群。
つまり、互角と言う事だ。

 「キバゴ、とにかく相手の動きを読め。隙が出来たら一気に詰めろ。
あと、もしやられそうになったら・・・・相手も道ずれにしろ! とにかく相打ちを狙うんだ」
ライトがキバゴに言うと、キバゴは「キバッ!」と頷いた。


 「さて、早速始めようか。キバゴ、逆鱗!」
 「手短にね。フカマル、逆鱗!」
キバゴとフカマルは同じくらいの速さでスタートダッシュし、ぶつかり合った。
キバゴがフカマルの顔面に脚を喰らわすが、同時にフカマルの拳がキバゴの腹に当たる。
両者は格闘タイプではないのに格闘し、互いに強力な攻撃を受け合う。

 「まさかあんなヒヨッコにフカマルがこうも足止めされるとは・・・」
 「ヒヨッコ? お前のフカマルもヒヨッコだろ?」
 「いや、違う」
ジークが言い終えた瞬間、何かが叩きつけられた様な、巨大な音が聞こえた。
その直後、フィールドから砂埃が巻き起こされる。

砂埃が晴れると、そこにはキバゴの上に乗っているフカマルの姿があった。
しかもその周りのフィールドはへこんでいて、クレーターの様な形になっていた。

 「・・・嘘だろ? 何て力だ・・・」
 「・・・ざっとこんなもんだよ。さぁ、速く次のポケモンを」
ライトは「ぐむぅ~」と呻きながらキバゴをMBに戻した。

 「まずいな・・・。責めて相打ちにして終わりたかったんだが・・・・。もう俺にフカマルと相性がいいポケモンは・・・・いないからコイツだ! 行け、ジャノビー!」
次にライトが出したのはジャノビー。
もちろん相性が良い訳では無い。
ただ、ポケモンを信じる心にのみ頼ったまでの様だ。


 「・・・速攻で片付ける。フカマル、逆鱗!」
早速フカマルの猛攻がジャノビーに襲い掛かる。
蹴り、殴り、頭突きが次々と飛んでくる。
が、ジャノビーはそれらを全てかわす。

 「ジャノビー、リーフブレード!」
ジャノビーは隙を突いてその場で回転し、尻尾をフカマルにぶつけた。
フカマルは横に吹っ飛ばされ、壁にぶつかり止まる。

 「・・・・中々遣る。フカマル、逆鱗」
壁にぶつかったフカマルが飛び出してくる―――!
と思ったその時。
フカマルの軌道が反れた。
ジャノビーとは全く違う方向に進み、その場で暴れ回って自分に攻撃した。

 「・・・チッ・・・混乱か」
 「そうだ、逆鱗は使いすぎると混乱するんだ。キバゴと同じだな。
今がチャンスだ! ジャノビー、もう一度リーフブレード!」
ジャノビーはフカマルに走り寄り、尻尾を振るった。
キバゴ同様防御力のないフカマルは呆気なく吹き飛ばされ、壁にぶつかって止まり、今度こそもう立ち上がらなかった。

 「よし!」
 「・・・戻れ、キバゴ、頑張ったね」
意外と優しい言葉かけるんだなジーク・・・・。
とライトは思った。

 「出て来い、ポッタイシ」
ジークが次に出したのはポッタイシとかいうポケモン―――。
だが、いつしかジークが見せてくれたポケモンの中にこんなポケモンはいなかった。
・・・ということは・・・?

 「これはこの前見せたポッチャマの進化形態。解るね?」
「解るね?」と聞かれても解らない。
そんなのとっくに忘れている。

しかし・・・
 「お前ポケモン進化させてる時なんかあったっけ?」
 「あぁ・・・。僕は君が夜寝ている間、毎晩3時間くらい修行に出てたからね」
 「えぇ!?」
思わぬ言葉に声が裏返る。
 「あっ・・・これ内緒だった・・・。まぁいっか、どうせ明日で別れるし」

3時間くらい修行してたって・・・。
通りで彼のポケモンが鈍らない訳だ。
おまけに彼がいつも眠そうにしているのはこれのせいかと話がつく。

 「・・・・け、けど、ポッチャマは確か水タイプって言ってたな! ならそれも水タイプなんだろう? こっちが有利である事に変わりはない」
 「・・・・・」
ジークは何も言わない。

 「ジャノビー! グラスミキサー!」
ジャノビーはいち早く動き、ポッタイシに向けて尻尾を振るう。

―――――が
 「ポッタイシ、かわして冷凍ビーム」
ポッタイシは身を屈めるだけでそれをかわした。
そして、ジャノビーは間近で冷凍ビームを喰らった。

 「ジャノビー!」
ジャノビーはその場で凍りついた。
体中が氷で覆われて動けない状態だ。

 「・・・まさか氷状態になるとはね」
 「おい! ジャノビー! 動け!」
偶に氷がピクピク動く。
しかし、中のモノは出てこない。

 「これで終わりだ。ポッタイシ、冷凍ビーム!!」
ポッタイシは十分に冷気を溜めている。
このままでは・・・まずい。

 「くっそー! ジャノビー!! 氷を割れ! リーフストーム!!」
―――その瞬間、ジャノビーの氷が激しく揺らいだ。
そして、氷が割れた。

 「何・・・?」
 「良いぞ! ジャノビー!」
続いてジャノビーは素早く大量の草を纏い、ポッタイシの眼前で発射した。
―――しかし、同時にポッタイシも溜めていた冷気を一気に放射した。


 「さすがにジャノビーのリーフストームを止めるのは・・・―――――――!?」
無理だ、続けようとしたのだが、言葉が詰まった。
ポッタイシの口から放射された冷気がリーフストームの草を次から次へと凍らせていく。

 「ジャノッ!」
おまけに、ジャノビーもその氷に弾かれ、奥に吹き飛ばされた。

 「留めだ!」
ポッタイシの冷凍ビームはまだ終わらない。
水色の冷気がジャノビーに迫っていく。

 「ジャノビー、避けろ!」
そう叫んだが、遅かった。
ポッタイシの冷凍ビームをまともに喰らって地面に倒れ―――。
動かなくなった。


 「この勝負、僕の勝ちだ」
ジークはポッタイシをMBに戻しながら言った。

 「・・・そんな・・・・・・」
ライトは目の前が真っ暗になった。


――――バトルに負ける。
これは俺の旅の終了を意味している――――
ライトは、このバトルは必ず自分が勝つとばかり、心の何処かで思い込んでいたらしい。
その為、負けたショックは尋常ではなかった様だ。
――――・・・・俺の旅は終わったんだ―――――




Re: *†Exact Light Sniper†* ( No.340 )

日時: 2012/04/03 19:57
名前: 神羅 ◆w08v7t4OQ. (ID: zp3ANUt9)

第五十二話 3


ライトはまだ自分が信じられなかった。
―――――ナムとの戦い以来、一度も敗北など無かった俺が負けるなんて・・・――――

 「そこまで落ち込む?」
ポケセンを出た所で、ジークが俺に話しかけてきた。
ライトは黙って俯きながら、彼に背中を向けていた。

 「部屋戻ろうよ。何処行くの?」
 「・・・家」
 「・・・やっぱりか」
ライトは、ジークには自分が旅の中でバトルに負けたら旅を止める事を打ち明けていた。

 「ごめん」
ジークは相変わらずの無表情で謝った。
謝罪の気持ちなんてほんとにあるのか。
まぁ、ライト自身はそんなの一切求めてないが。

 「別に謝らなくていい。俺が負けるのが悪いんだから」
ライトはぶっきらぼうに言い放った。

 「そうじゃない。バトル引き受けちゃってごめん」
 「・・・・?」
 「僕、ポケレンの中でも上級レンジャーだから。
申し訳ないけど、バトルの勝敗は遣る前から解っていたんだ。だから、毎回バトルを拒んでたんだ」
 「・・・そうか。お前、俺をその程度のトレーナーだと見られてたのか」
怒りなどなかった。
ただ、今のライトに感情などほとんどない。

ジークは顔色一つ変える続ける。
 「違う。自分に自信があったと言うのが正解だ」
ジークは続けて言う。
 「僕はイッシュ地方に来る前に、四天王の一人を倒したことがある。もちろん、シンオウ地方にいる僕のポケモン達だけでね。此処にいるのは、僕が初めから育ててみたいと思ったポケモン達。四天王を破ったポケモンは一切ない。ただ、自分の才能と育て方だけが頼りの状態で、僕は彼らを育てるためにイッシュ地方へ来た」

四天王を破った少年と俺はバトルしていたのか・・・。
ライトは更に絶望的になった。

 「前にも言ったかもしれないけど、僕の父はポケレン総司令官でさ。僕は幼い頃から訓練だのポケモンバトルだの遣らされてたんだ。つまり、君よりポケモンとの付き合いが長いってこと。申し訳ないけど、バトルなら君には負けないよ。
これはほんとに無謀な挑戦だったんだ。ジムバッチ4つのトレーナーがいきなり四天王に挑むような・・・いや、まさに言葉通りだよ。
・・・だから、さっきのバトルだけは例外で良いんじゃない? 君がジムバッチ4つでいきなり四天王に挑んで負けたとしても、同じことする?」

――――まぁ確かに、いきなり四天王にバトルを挑んで負けてしまうのは仕方ないかもしれないが・・・。
・・・ライトは悔しかった。同じ年代の子にこうもあっさり負けてしまうなんて。
例え相手が、ライトよりもバトル経験が多い少年だとしても認めたくない。
この様な劣感がライトの心を覆い尽くした。

 「悪いけど・・・俺の誓いは固いんだ。挑んでしまった俺のミスが悪い。負けは負け。旅は終了だ」
正直、旅を辞めるのは嫌だ。
が、一度決めたことを曲げてしまうのはもっと嫌だ。
ライトはそう思った。

 「君のポケモン達は旅が終わることを望んでいるの?」
 「こいつらだってバトルに負けたら旅が終わることくらい解ってる。前に言ったんだ」
 「それは君が勝手に決めた事じゃない? ポケモン達はその事についてどう思ってるかとか、考えた事ある? 君の考えを認めていたとしても、実際に旅が終わることを実感したら、どうなる? とにかく、一回ポケモンを出してみてよ」
彼の鋭い口調に促され、ライトは渋々と全てのポケモンを出した。



Re: *†Exact Light Sniper†* ( No.341 )

日時: 2012/04/03 20:28
名前: 神羅 ◆w08v7t4OQ. (ID: zp3ANUt9)

第五十二話 3


MBから出てきたポケモン達は、ライトの方をまっすぐに見つめた。
 「ポケモン達の目を見なよ」

――――彼らの目・・・。
それはもう旅が終わるというのに、まだ闘志に満ちていた。

 「なんで、お前ら・・・。旅はもう終わったんだぞ? 何と戦っているんだ・・・?」
ライトはポケモン達の目を見ながら、呟くように言った。
 「このままで良いと思う? 負けっぱなしのままで一番しっくりこないのはポケモン達の方なんだ。それをトレーナーの君が放棄してどうする」

――――負けっぱなしのまま・・・か。
そうだよな、俺だって昔はそうだった。
喧嘩で負けたら、またやり返しに行ったっけ・・・――――
こんな状況で小学校にいた頃の記憶が蘇る。

――――――こいつらも同じ気持ちなのかな・・・?―――――

 「ジャノ! ジャノ!」
ジャノビーがライトに追い打ちをかけるかの様に吠える。
「追い打ち」も「吠える」も覚えてないのにこいつ・・・。
それから、他のポケモン達も俺に向かって吠え始めた。

 「みんなまだ戦いたいんだ。次に勝つ為にね」
  勝つ為に戦いたい。
これがこいつらの気持ちか。

ならば、トレーナーである俺はその気持ちに答えて遣らなければならない・・・。
遠い地からここまで連れてきてしまった責任があるから。
・・・けど・・・・。

ライトは、ジークの方が自分より強いという事が認めたくなかった。
そして、このまま旅を続ける――――――と言う事は、それを認めてしまう、という意味になるのではないか、と考えていた。
負けたら旅を終わらせるというのは、バトルで負けた劣感を速く取り除きたいだけなのかもしれない。

 「君はこのまま旅を続けたら、僕に一生勝てないのかと勘違いしてるんじゃないかと思う。
だけど・・・・逃げたって僕には一生勝てないよ」
ライトは歯を食い縛ってから答える。
 「家に帰ったら俺はポケモントレーナーじゃなくなる。勝ったとか負けたとか関係ない・・・」
 「・・・・・・・君はそんなに簡単に夢を捨てるのか?」

――――夢・・・。そうだ、夢・・・・・。
俺は子供の頃からポケモントレーナーに憧れてた。
そして、いつか宇宙一になるとか言ってた・・・。
そうだ・・・俺が目指しているのは「最高のポケモントレーナー」

 「僕にも夢がある」
ジークは言葉を続ける。
 「僕の夢は・・・最高のポケモンレンジャーになることだ。
僕はその夢の為なら、例え何が起きようと屈しない。つまり、命を懸ける。
だから君も・・・・もう一度チャンスを作れ。こんなくだらないことで諦めるな」
ジークの目は本気だった。


夢・・・。
それは人生の中で必ず掴まなければならないこと・・・。
 「夢を叶えろ、ライトォォォオオォォォォォ!!」
よく父さんに、耳元で叫ばれた。
今のジークは・・・その父さんの様だった。


暫くの沈黙が続いた後、ライトは心に決めた。
 「解った。・・・これからも宜しくな、相棒達」
ポケモン達は大きく頷いた。
ジークは少し笑った。



Re: *†E・L・S†*受験オワタ\(^o^)/ 同時にリメイク ( No.357 )

日時: 2012/04/03 23:37
名前: 獏良 ◆DEATH5bqNs (ID: zp3ANUt9)
参照: wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww

第五十三話【別れ】


次の日の朝――――。
2人はライモンシティの北側、3つあるスポーツセンターの内真ん中のセンター、そこの入り口付近に立っていた。
此処から東へ行けばブラックシティ、西へ行けばホドモエシティに行ける。

 「お別れだな、ジーク」
 「うん」
西の空から吹く風が、2人の髪を靡かせた。
今日の風はいつもより強かった。

 「昨日はありがとう。おかげで、俺はもう一度夢を叶えるチャンスを手に入れることができた」
 「別に良いよ。友達として当然のことをしたまでさ」
ジーク・・・。
いつの間にか彼は、ライトと親しい関係になっていた。

 「お前・・・」
 「ライト。バトルで負けたら旅を辞めるという条件はまだ続ける気?」
 「いや・・・・もう辞めるよ。一度負けたぐらいで夢を諦めるなんて、悲しすぎる」
 「・・・なら良かった」
ジークはホッとした様に胸を撫で下ろした。

 「けど・・・」
ライトは言葉を続けた。
 「お前と再び戦う日まで、二度と負けない」
ジークは驚いた様に目を丸くした。
 「だから、ジークも俺と戦うまでは負けないでくれよ」
 「・・・ライト。解った約束する」
2人は小指を絡め、約束を交わした。

 「じゃ・・・また会う日まで」
 「あぁ。必ず会おう!」
2人はそれぞれの道を歩きながら、後ろを向いて手を振った。
お互いに姿が見えなくなるまで。




 「・・・・行っちゃったか」
ライトは一息ついたかのようにため息をついた。
 「なんだか寂しいな。短い期間だったけど、ずっと一緒にいた奴が急に消えるって・・・」
俯きながら歩いていると、足が何かに躓いた。
 「おっと!」
転びそうになるのをどうにか堪えて顔を上げると、そこはもう既に滑走路だった。
 「5番道路へ続く滑走路だ。此処を抜ければ、ライモンシティともお別れだ」

ライトは助走をつけて、滑走路を走り抜けようと思った。
――――その瞬間、突然中からカミツレが現れた。
 「うわっ! 吃驚した!」
 「あら、貴方は・・・。今からホドモエシティに行くの?」
 「う、うん。まぁ」
 「なら、丁度良かった。ホドモエの跳ね橋がついさっきまで降ろされててね。今上がったらしいの。
おかげで橋のところまで行く手間が省けたわ」
 「行こうとしてたの?」
 「えぇ。わざわざ橋を上げる為に、この売れっ子モデルが足を働かせ様としたのよ。すごいと思わない?」
 (自分で言うな)
口に出したら闇人格が現れそうな気がしたので、心の中で呟くだけにしておいた。

 「此処からホドモエシティまでは3日くらいかかるわ。でも、今5番道路は深い霧が掛かってるから気を付けてね」
 「3日か・・・。霧が掛かってる? だからあんた突然現れたのか」
 「そういうこと。ま、とにかくジム戦頑張ってね!」
 「あ、はい。ありがとうございます!」
ライトはカミツレに頭を下げた。
この前も含めて、これで二度目だ。
 「敬語使ったりため口使ったり、面白い子♪ また会えると良いわね、じゃ♪」
売れっ子モデルは後ろ姿のままライトに手を振り、姿を眩ました。


 「霧が掛かってるって言ってたな。気を付けないと」
ライトは自分に言い聞かせる様に呟き、再び助走を付けた。
 「行くぞおおお!!!」
一気に地面を蹴って走り出し、滑走路の中を突き進んで行った。


 「うおっ!? ほんとに霧が濃いな! こりゃー走って大丈夫か? ま、4番道路じゃあんなに人がいなかったんだから、このくらい大丈夫だろ」
ライトは全速力で、5番道路を突き進んで行った。
Re: *†Exact Light Sniper†* ( No.285 )
日時: 2012/04/03 17:35
名前: 獏良 ◆DEATH5bqNs (ID: zp3ANUt9)
参照: wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww

第四十九話【真・プラズマ団奇襲!】


Re: *†Exact Light Sniper†* ( No.306 )

日時: 2012/04/03 17:41
名前: 神羅 ◆w08v7t4OQ. (ID: zp3ANUt9)

第四十九話【雷張るバトル  ライトvsニーア】


 「・・・なぁ、かみなりはるバトルって何だ?」
 「かみなりはる? ちげーよ! ライバル(雷張る)バトルだよ」
・・・何言ってんだこいつは。

ライトとニーア、おまけのジークは現在ポケセンのバトル施設にいた。
中はがら空きで、彼ら以外には誰もいなかったので、中央のバトルフィールドを借りることにした。

ライトとニーアは、フィールドのトレーナーが立つ位置に立ち、向かい合っている。
ジークは今日の朝飯が好物だったので気分が良く、審判を遣ってくれると言う。
・・・明日もこの調子で彼の好物が出てくれると良いのだが・・・。


 「雷張るバトル・・・この言葉には二つの意味がある」
突然ニーアが語りだした。
 「一つは、ライバル同士が熱く痺れるような戦いをするという意味。
もう一つは、雷のポケモンが最後に胸を張って笑えるという意味だ・・・」

・・・どう考えても彼が勝手に生み出した言葉だ。
 「無理矢理ライバルと雷張るを掛け合わせなくて良い」
それを言うと、ニーアはショックを受けたらしく、その場で膝を着いた。

メンテ
Re: *†Exact Light Sniper†* ( No.307 )

日時: 2012/04/03 18:57
名前: 獏良 ◆DEATH5bqNs (ID: zp3ANUt9)
参照: wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww

第五十一話【雷張るバトル  ライトvsニーア】2


さて、そんな事は置いといて今はバトルに集中だ。
――――・・・・ってまぁ、まだ始まってもいないが。

 「出て来い! サンダース!」
 「出番だぜ、キバゴ!」
ニーアはサンダース、ライトはキバゴ・・・。

キバゴを最初に出したのは今、一番に育てたいポケモンだからだ。
これが強く育てば良いアタッカーとなるだろうと、ライトは期待している。


 「サンダースか・・・。見た事ねぇポケモンだな」
ライトは図鑑で調べようとした。
――――が
 『エラー! エラー! Error! Error!』

・・・・え?

 「図鑑がポケモンを調べるのを拒んだ?
わがままな図鑑だなおい!
ってか、図鑑失格だろこれ!」
 「ハッハッハ! イッシュ地方の図鑑じゃ俺のサンダースは調べられねーよ! こいつはカントー地方出身のポケモンだからな~」
ニーアが笑いながら言う。
カントー地方・・・・・前に訊いた事がある。
父親から劣化イッシュ地方と聞いたが、未だにどういう意味か解らない。

 「何も解らないってのも可哀想だな。んじゃあ、一つだけ教えてやるよ。
こいつは電気タイプ。カミツレちゃんのポケモンと同じ電気タイプだ!」

何故そこでカミツレの名を出したのかは敢えてツッコまない事にしよう。


・・・で、ライトのキバゴに対する期待に神が答えてくれたのか、電気タイプのサンダースはドラゴンタイプのキバゴに対して不利だ。
この勝負、勝てそうな気がする。


 「それじゃ、始め」
遣る気のなさそうな声でジークが言った。
機嫌良いんじゃなかったのか・・・。


 「キバゴ、逆鱗!」
早速キバゴに強力な技を使わせた。

―――が
 「サンダース、目覚めるパワー!」
サンダースの方が速く動き、一度体に纏った光の塊を全て氷の塊にして飛ばしてきた。
どうやら相手はすばっしこいポケモンらしい。


―――ドラゴンタイプのキバゴにとって、電気タイプの技なら、効果はいまひとつで耐えられる。
しかし、氷タイプは・・・・。

 「キバ!?」
捨て身で突進していったキバゴは急にその勢いを殺す事は出来ず、その氷塊をまともにくらい、後ろに吹っ飛んだ。
そして、そのまま動かなくなった。

 「嘘だろおおおお! 効果抜群なのかよ!」
生まれたてのキバゴにとって、相性の悪い技を受けるなんてとても耐えられないだろう。
攻撃力は高くても防御・特防力は低いのだから・・・。

こうしてライトの最初のポケモンは呆気なく散った。
ライトは、せめてこれを「ドラゴンタイプは氷タイプの技に非常に弱い」という彼自身の経験値として生かそうと思っている。


 「生まれたての赤ちゃんで俺様のサンダースに挑むとは・・・・俺もずいぶんなめられたもんだな」
ニーアがライトを見下した様な口調で言った。

 「ふん。少なくとも攻撃力はサンダースより上だったと思うぜ。
それに、まだ勝負はこれからだ! 3vs4でも俺は負けねーよ!」
 「ほー、言ってくれるねぇー」
そうは言ったものの、ライトには他に電気タイプに対抗できるタイプを持つポケモンがいない。

ていうか、電気タイプのポケモンは弱点が地面タイプしかないという時点で、サンダースに勝つのは難しい。
まず、相手のサンダースは地面タイプ対策として氷タイプのめざパを覚えさせているのだろう・・・。
おまけにそいつは、そ先程の攻撃を思い出すと、スピードと特攻、両方ずば抜けてそうなポケモンだ。
こうなると地面タイプのポケモンを出しても、すぐさま遣られてしまう。

こうなると、地面タイプを持たないが、地面タイプの技を覚えているポケモンぐらいでしか対抗出来そうにない。

しかし、彼はそのポケモンを持っていない・・・・。
サンヨウジムで教えられた「もっとたくさんポケモン捕まえろ」の意味がもっとよく解った気がする・・・・。


 「ジャノビーを出したいところだが、どうせ氷タイプのめざパで大きいダメージ負うだろうな・・・」
ライトはバッグにキバゴのMBを収めると、そこから別のMBを取り出し、宙に放り投げた。
 「出て来い! ホイーガ!」

 「ホウィー!」
彼が次に出したのはホイーガ。
特に相性が有利とかで出した訳では無い。

防御力はあっても特防力のないガントルじゃサンダースには不利だし、ケンホロウなんて言うまでもない。
ジャノビーも先述の通りだし、取り敢えず此処はホイーガにしておいた。

しかし、そうなると、このバトルは4vs4なので、ガントル、ケンホロウ、ジャノビーのうちどれか一匹は外さなければならなくなる。
どれを外すかは、相手のポケモン次第だ。

 「なんだよ。地面タイプじゃないのか」
 「地面タイプは持ってない。」
 「お前俺をなめすぎだ。こう見えてもバッジ5個だぜ? 先輩を侮るな!」
 「うっせー! その内一つは昨日最近ゲットしたんだろが!」
 「お前だって昨日最近でゲットしたんだろが!」

いつの間にか口論に転じてしまった。
このまま続けてもキリがないので、この辺でストップさせておいた。


 「はぁ~。何か面倒くさくなってきたな・・・。
まぁいっか。バトル再開」
ジークがため息混じれにバトル再開の宣言をした。
 (・・・・これ宣言か?)


Re: *†Exact Light Sniper†* ( No.312 )

日時: 2012/04/03 19:05
名前: 獏良 ◆DEATH5bqNs (ID: zp3ANUt9)
参照: wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww

第五十一話【雷張るバトル  ライトvsニーア】3


 「行け、サンダース、雷!」
サンダースは天に向かって吠えた。
すると、ホイーガの頭上に小さな黒雲が出来た。
そして、その雲から現れた雷がホイーガに降り注いだ。

 「ホイーガ、避けろ!」
咄嗟だったものの、ホイーガは縦に回転して前に進んだ。
直後、ホイーガのいた場所に雷が落ちた。


 「あっぶね! 今度はこっちの番だ、ホイーガ、ハードローラー!」
ホイーガは側面についた棘を尖らせ、サンダースに向かって回転した。

 「避けろ、サンダース!」
サンダースは持ち前の足でそれを軽々とかわし、ホイーガの背後に回り込んだ。

 「まだまだ! 追え!」
ホイーガは高速で回転してたものの、その場で急停止し、そして一気に後ろに高速回転し始めた。
サンダースは突然後ろに回転して来たため逃げるのが一歩後れ、その攻撃を真面に喰らった。


 「うわっ! 惨い事するなー。今のは痛いぞ・・・」
ニーアはまるで自分がダメージを負ったかのような発言をした。
 「サンダース、欠伸!」
サンダースは吹き飛ばされたにも関わらず綺麗に着地し、すぐに次の攻撃態勢へと移った。
――――攻撃・・・・とは言ってもこれが本当に攻撃なのだろうか。
相手はただ欠伸をしただけだ。
ホイーガは少し眠そうな表情をしたが、特に変化はない。

 「何の意味があったってんだ? まぁいい。
ホイーガ、もう一度ハードローラー!」
ホイーガはもう一度回転し、サンダースに襲い掛かった。
先程より速い上に、相手の攻撃の終わりと同時に出発したため、奇襲を仕掛けた様なものになった。

サンダースは攻撃を避け切れず、ハードローラーをもろに喰らい、吹っ飛ばされて地面に落ちた。
その体はもう動く事はなかった。


 「サンダース戦闘不能。ホイーガの勝ち」
イマイチやる気の無さそうなジークの声が聞こえた。

 「くっそー! 俺の一番手が・・・。まぁいい、ククク」
ニーアはサンダースが遣られたというのにニヤニヤしている。
・・・・何が可笑しい?


 「出て来い、エモンガちゃん!」
次に出したニーアのポケモンはエモンガ。
ってかちゃんって・・・。


 「バトル再開」
・・・・・・・もう面倒なのでツッコまないでおこう。
やる気のない号令に関しては。


 「行け! ホイーガ! ハードローラー!」
ハードローラーは側面の棘を尖らせ、エモンガ目掛けて一気に回転していった―――――。

―――――と言うのはライトの理想の世界の話だった。
彼は現実を疑った。
ホイーガが動かない。
 「ホイーガ? ハードローラーだ!」
二度も同じ指示をしたというのに、それは一向に動かない。

 「おいおいおい寝るなホイーガアァァァァァァ!!」
よく見ると、ホイーガは寝ていた。
ライトは思わず叫んだが、それは微動だにしない。

 「はっはっは! さっきのサンダースの欠伸が効いたな!」
 「欠伸? さっきのサンダースの、攻撃だかただの仕草だかよく解らなかった技か」
思わず本音が出てしまったが、ニーアは何も言わなかった。
 「欠伸を使うと、暫く効き目は表れない。暫く経ってから効果が表れるのさ。
その効果とは相手を眠らせる事だ! 暫くお前のポケモンは動けまい!」

――――なるほどねー・・・。
つまり俺のホイーガは暫くの間煮るなり焼くなり好きにしろ状態って事ね・・・――――

 「それってめっちゃやべーじゃん!!」
 「今だエモンガ! 10万ボルト!」
ホイーガはエモンガが十分溜めて発した10万ボルトをまともに喰らい、横に倒れた。
しかし、まだ起きない

 「起きろ! ホイーガ! ハードローラー! ポイズンテール! 破壊光線!」
最後に出せもしない技を指示してみたが、やはり起きない。

 「これで留めだ! エモンガ、10万ボルト!」
エモンガはやはり容赦なく攻め込んでくる。
再び十分溜めた電圧を、一気に解放して、ホイーガを撃った。

 「ホウィ!?」
ホイーガはさすがに二度目の攻撃で目が覚め、起き上ったが、もう既に体力は無かった。
攻撃を受け終えると同時に、目を瞬かせながら再び横に倒れた。
今度は安らかな眠りなどではなく、電気を真面に喰らって体が痺れた激しい眠りについたのであった・・・。

 「くっそー! こうも一方的に攻撃を受けちまうなんて・・・! 欠伸恐るべし!」
ライトは頭を抱えて嘆いた後、ホイーガに「お疲れ」とだけ言ってそれをMBに戻した。

 「ハッハッハ! まだまだだなぁ! これで再び3vs2だ!」
 「おのれぇ~・・・・」
ライトは内心焦りながら次のMBに手を伸ばした。



Re: *†Exact Light Sniper†* ( No.318 )

日時: 2011/12/11 03:38
名前: 獏良 ◆DEATH5bqNs (ID: xRibMDC6)
参照: wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww

第五十一話【雷張るバトル  ライトvsニーア】4


 「出て来い! ガントル!」
俺が次に選んだのはガントル。
残りのジャノビーもケンホロウも電気・飛行タイプには弱いからだ。

特にケンホロウはニーアが多数持っている電気タイプに弱そうなので、今回のバトルには出さない事にした。
これは確定だ。

 「岩か。エモンガちゃんの苦手なタイプだな」
 「とっとと粉砕してやる」
俺は自信あり気に言った。

 「それでは、始め」
ジークの声と共に、2匹のポケモンは動き出した。

 「エモンガ、ボルトチェンジ!」
ボルトチェンジ――――――相手に電気タイプのダメージを与えると同時に他の手持ちポケモンと交代する技。

 「なら・・・・! ガントル、あいつが交代すると同時に岩雪崩だ! 良いな?」
俺は出来るだけニーアに聞こえぬよう、小声で指示した。

エモンガは滑空し、ガントルのそばまで来るといきなり雷の塊を発してきた。
 「耐えろ!」
ガントルは防御の態勢を取り、何とか電撃を堪えた。

 「戻って来い、エモンガちゃん!」
そしてエモンガは素早くニーアの元に戻り、自身のMBの中に入った。
 「出て来い! ピカチュウ!」
 「ピッカ!」
そして、次のMBから出てきたのは黄色くて見た目の可愛いポケモン。
まさにニーアが好みそうなポケモンだった。

ピカチュウ―――――聞いた事のないポケモンだった。
図鑑を開いても再び『Error!』の連呼。
つまり、また他地方のポケモンであるという事だ。

 「こいつはピカチュウ! サンダース同様カントー地方のポケモンだ!」
ニーアが最後に「宜しくな!」というと、それに応じる様にピカチュウは俺に向かってお辞儀をした。
そんなピカチュウにニーアは「かわええええ!」などと言って興奮していた。


 「どうでも良いけど、頭上には気を付けな」
(俺自身もうっかりしていたが、)既にバトルは始まっている。
そう、ガントルは既に攻撃を始めていたのだ。

直後、ピカチュウの頭上に大量の岩が降り注いだ。
不意をかれたピカチュウは堪らず、「ピカ~~!」と嘆きながら自信と同じくらいの大きさの岩に押し潰された。

 「うわああああああ! ピカチュウ!!!」
ニーアはその場で慌てふためき、踊り狂う。
 「落ち着け・・・」
俺は思わず呟いてしまった。

しかし、ピカチュウはたったの一撃じゃ遣られず、何とか岩を払いのけて立ち上がった。
―――が、もう既に体力は一気に減っただろう。

 「ピカチュウ! よく立ち上がったなー!」
ニーアは思わず戦場に乗りだし、ピカチュウの頭を撫でると陣地に戻って行った。

 「おい、今あいつフィールドに入ったぞ? 反則じゃね?」
 「・・・・ゑ?」
ジークの方を見て言ったが、彼はニーアの一部始終を見ていなかった様だ。
後ろを向き、遠くにあるバトルサブウェイの方を見ていた様だ(そこからはパトカーや工事中の騒音がうっすらと聞こえる)
俺はちょっとイラッとした。
審判がよそ見するな!
ってか審判遣る気あんのか!!

 「お前・・・・よくもピカチュウを!」
そして何故かニーアはキレている。
ピカチュウも彼と一心同体してるかのように同じくキレている。
何なんだこいつらは・・・。

 「ピカチュウ! 10万ボルト!」
一瞬ニーアの声が、どっかのスーパーマ○ラ人の声と被った。
ピカチュウは体中に電気を張り巡らせ、一気に放出してきた。

 「ガントル、耐えろ! そして岩雪崩だ!」
動きの鈍いガントルでは、小柄で素早いピカチュウの攻撃を避けるのは難しい。
なので、ガントルは防御態勢を取り、耐えるしかない。
しかし、ガントルは防御力はあるが特防力がほとんどない。
だからそう何度も受け身を取れる訳では無い。
この受け身が最後になるだろう。

ガントルは10万ボルトに耐えると、岩雪崩の動作に移ろうとした。
しかし――――

 「え・・・?」
 「ハッハッハ! 残念だったなぁ! 麻痺ったみたてーだ!」
またこの前のカミツレ戦と同じ様に、肝心なところで麻痺してしまった。
全開は初陣と言う意味で肝心だったが、今回は本当にピンチだ。

10万ボルトを終えたピカチュウは、もう既に次の動作に移ろうとしている。
 「よーしピカチュウ! 留めの10万ボルト!」
ピカチュウは再び体中に電気を纏い、一気に放射した。

 「ガントル! 最後の力を振り絞れ! 岩雪崩!」
しかし、ガントルは麻痺に遣られ、まだ動けない。
 「ガントル!!」



 「ガントゥ!!」
ガントルは体内の麻痺に打ち勝ち、無理矢理体を動かした。
少々荒っぽいが、いくつもの岩を体の周りに纏い、一斉発射した。
その岩の一部はよーく狙いを定めた訳でもないと言うのに、ピカチュウをその電撃ごと打ち砕き、後方へ吹っ飛ばした。


ピカチュウは砕かれた岩と共にのびていて、痙攣していた。

 「・・・ピカチュウッゥゥゥゥ!!」
ニーアが叫ぶ。
 「ピカチュウ戦闘不能。ガントルの勝ち」
ジークが冷たく言い放った。

 「っっっよっしゃあああ!! よく遣ったぞガントル!」
 「ガントゥ(計 画 通 り ・・・)」
ガントルが最後不気味な笑みを浮かべていたのは怖かったが、それでも俺は「お疲れ」と言って彼をMBに戻した。
ガントルは麻痺している上にもう体力は限界に近い。
素直に交代した方が良いだろう。


ガントルが麻痺に打ち勝てたのは、カミツレ戦でも同じ状況に置かれた事があるからだろう。
もう二度と同じ過ちは犯したくないという、彼の信念が麻痺を打ち負かしたのだ。
・・・・と俺は勝手に思う。


 「お前が倒してくれなかったらジャノビーだけで3体相手にする事になってたぜ・・・・。
・・・・ま、1vs2という不利な状況に置かれている事に変わりはないけどな」
そう言って、俺はニーアの方を睨んだ。
彼も此方を睨んでいる。

 「俺の大好きなピカチュウたんをよくも・・・・! エモンガちゃん、仇を撃て!」
ニーアが次に出したのはほぼ無傷なエモンガ。

 「行け! ジャノビー!」
次に出てきた俺のジャノビーも無傷だが、エモンガとの戦闘で必ず傷を負うだろう。
そうなると、彼の最後の一体を相手にするのが面倒になる。


――――が
それでも俺には自信があった。

これまで俺のポケモン達はどんなピンチも乗り越えてきた。
特にジャノビー。
サンヨウシティだって、シッポウシティだってツタージャのとき、最後まで戦ってくれた。
ライモンジムでも、あの相性最悪強敵ゼブライカを倒したのはジャノビーだ。

これらの戦いで俺は学んだ。
大切なのは・・・・自分のポケモン達を信じる心。

だから俺は・・・どんな危機的状況においても自分のポケモンを信じる!


 「始め」
ジークの声と共に、俺は気を引き締めた。



Re: *†Exact Light Sniper†* ( No.319 )

日時: 2012/04/03 19:26
名前: 獏良 ◆DEATH5bqNs (ID: zp3ANUt9)
参照: wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww

第五十一話【雷張るバトル  ライトvsニーア】5


 「俺の大好きなピカチュウたんをよくも・・・・! エモンガちゃん、仇を撃て!」
ニーアが次に出したのはほぼ無傷なエモンガ。

 「行け! ジャノビー!」
次に出てきたライトのジャノビーも無傷だが、エモンガとの戦闘で必ず傷を負うだろう。
そうなると、彼の最後の一体を相手にするのが面倒になる。


――――が
それでもライトは諦めてなかった。
何故なら、これまで彼のポケモン達は、似た様なピンチをたくさん乗り越えてきた。
特にジャノビー。
サンヨウシティだって、シッポウシティだってツタージャのとき、最後まで戦ってくれた。
ライモンジムでも、あの強敵ゼブライカを倒したのはジャノビーだ。

これらの戦いでライトは学んだ。
大切なのは・・・・自分のポケモン達を信じる心。
 「だから俺は・・・どんな危機的状況においても自分のポケモンを信じる!」
思わず言葉に出てしまった。


 「始め」
ジークの声と共に、ライトは気を引き締めた。


 「ジャノビー、リーフブレード!」
 「エモンガちゃん、10万ボルトだ!」
ジャノビーとエモンガは同じくらいの素早さで動き出したが、技が先に出たのはエモンガの方だ。
雷の刃がジャノビーに襲い掛かる。

しかし、ジャノビーはそれを当たる直前で横に飛んでかわす。
そしてそのまま一気に距離を詰めてジャンプし、エモンガに渾身の一撃を喰らわせた。

エモンガはもう当たりもしない10万ボルトをまだ発していた為、ジャノビーの攻撃を避けるのに間に合わなかった。
そのか弱い体は勢いよく地面に叩きつけられる。


 「ああああああああああエモンガちゃあああああん!!!
・・・いや、だが飛行タイプのエモンガに草タイプの技は相性が悪い。まだまだ行けるぞ!」
彼の言う通り、エモンガはほとんどダメージを受けていない。
すぐに立ち上がりジャノビーを睨みつけた。

ジャノビーも地面に着地すると、エモンガを睨みつけた。
彼らの視線の間に火花が散る。


 「エモンガちゃん、エアスラッシュ!」
エモンガはその場で翼を縦に振るい、空気の刃を生み出した。
それは一直線にジャノビーに向かって飛んでいく。

 「ジャノビー、避けろ! そして宿り木の種!」
ジャノビーは空気の刃を軽々とかわし、そのまま横に走る。
そしてエモンガに豆の様に小さななモノを体から数個放つと、周りをグルグルと周って相手を翻弄した。

 「エモンガ、連続でエアスラッシュ!」
エモンガは連続で翼を振るい、刃を放つ。
しかし、それらは全てかわされる。
暫く繰り返しが続いた。

 「・・・? どうした、エモンガちゃん?」
エモンガは突然攻撃を辞めた。
 「エモ・・・エモ・・・」
息が荒く、疲れている様子だ。

 「ふふふ、宿り木の種が効いてるな」
 「宿り木の種・・・・ああ、さっきの」
どうやらニーアはこの技がどんな効果を持っているのか解っていないらしい。
 「宿り木の種はな、少しずつ相手の体力を奪っていく技なんだ。
しかも削ったダメージ分、俺のジャノビーは回復する」
 「何ィ!?」
今こうしている間にもエモンガの体力は奪われていっているというのに、彼は慌てふためく。

 「ジャノビー、留めのリーフブレード!」
ジャノビーは足を止めると、エモンガに向かって一気に走り出した。
そして軽く跳び、回転しながら尻尾を叩きつけようとした。

 「エモンガちゃん! 10万ボルトだ!」
エモンガは攻撃を受ける直前で体から電撃を発した。
しかし、不安定な状態から撃った為、威力はいつもより落ちた様だ。
ジャノビーは電撃ごと難なく切り裂き、エモンガを吹っ飛ばした。

エモンガは大きく吹っ飛び、壁にぶつかって止まった。
その小柄な体は痙攣していたが、もう動く事はなかった。
 「エモンガちゃあああああああああああああああああああああああん!!!!!」


 「エモンガ戦闘不能。ジャノビーの勝ち」


ライトの体から力が抜け、少しホッとした。
宿り木の種の働きもあり、どうにかほぼノーダメージでやり過ごす事が出来た。

 「頑張ったな、ジャノビー。だが、まだバトルは終わっていない。次も頼んだ」
 「ビーノ!」
ジャノビーは此方を見て頷いた。


 「おのれぇ・・・・よくもエモンガちゃんを・・・・!
出て来い! レントラー!」
最後に彼が出したのは・・・また見た事も無いポケモン。

 『Error!! Error!!』
しかもまたしても他地方のポケモンだ。
図鑑が通じない。
体の色や形からして電気タイプっぽいが・・・。

 「こいつは俺の切り札だ。 フィニッシャーにはふさわしいポケモンだな」
ニーアは自信満々に言う。
確かに今までのエモンガやピカチュウとは違い、強い気迫を感じる。
ニーアもあまり可愛がっている様ではなさそうだ。

フィニッシャー・・・・か。
つまり彼はレントラーに自信があるという事だな。
 「フン・・・。俺のジャノビーも、今までのバトルじゃ一番多くフィニッシャーの座を奪ってきた。
果たしてどちらが上だろうな」
 「もちろん俺だあ!」
2人の間にまたしても火花が発生する。


 「・・・それでは、始め」



Re: *†Exact Light Sniper†* ( No.320 )

日時: 2012/04/03 19:31
名前: 獏良 ◆DEATH5bqNs (ID: zp3ANUt9)
参照: wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww

第五十一話【雷張るバトル  ライトvsニーア】6


 「レントラー、氷の牙だ!」
初っ端苦手なタイプの技を仕掛けてきた。
此処は回避に専念すべきだとライトは判断した。

 「ジャノビー、引き付けてかわせ!」
引き付けてかわし、反撃するつもりだった。
しかし、相手はそれを先読みしていた。

 「かかったな!」
ニーアが笑いながら言った。

レントラーが身を乗り出し、ジャノビーを噛み砕こうとした。
それをジャノビーは右に跳んで避ける。
レントラーの牙は宙を噛む筈だった。
しかし、レントラーは前足に力を入れて一時停止し、ジャノビーの方を向いてから再び飛びかかってきた。
ジャノビーは完全に不意を突かれて避け切れず、氷を纏った牙をまともに喰らった。

 「ビィィイイ!?」
ジャノビーは首元を噛まれて悲鳴を上げた。
レントラーの牙は彼女の体に喰いこみ、ギシギシと音をたてる。
聴いてるだけで体がゾッとする様な音だ。

 「まずい、ジャノビー、振り落せ!」
ジャノビーは体を思いっきり揺さぶり、レントラーを払い除けた。
レントラーの歯形は氷と共にジャノビーの首元にくっきり残っていて、僅かに赤く滲んでいた。
 「血が・・・・」
惨くて見てられなかった。

 「悪いなぁ、ちょっと強くやりすぎたかな。俺のレントラーは凶暴性が高いんだ。
まぁ、次で楽にしてやるから待ってろよ」
ニーアはそんな事を言っていた。
しかし、このままではほんとに遣られてしまう。


 「そんな事・・・・させるか! ジャノビー、グラスミキサー!」
ジャノビーは尻尾に草の竜巻を纏い、鞭の様に振り回した。
それはレントラーを掴み、そのまま振り回す。

―――――ブシュッ。
 「ビノッッ!?」
惨い音と共に、突然ジャノビーの動きが止まった。
突然止まったため、宙を舞っていたレントラーはそのまま放り投げられ、壁際に叩きつけられた。
しかし、いつもより威力は薄い様だ。


 「どうした!?」
見れば、ジャノビーの首元から血が滴り落ちている。
床にはその血の跡が残っている。
恐らく、凍結して固まっていた血が一気に噴き出たのだろう。
見ているだけで痛くなる光景だ。

 「レントラー、ワイルドボルト!」
対するレントラーはそれほどダメージを受けておらず、すぐに立ち上がり突進してくる。

 「ジャノビー、避けろ!」
ジャノビーは痛みを堪えながら、ギリギリで避けた。
しかし、彼女の尻尾を電撃が掠めた。
それは全身に感電し、彼女に僅かなダメージを喰らわす。
あと一歩遅れていれば、もっと大きなダメージを喰らっていたかもしれない。

―――ブシュッ!
 「ビノッ!」
再びジャノビーが悲鳴を上げる。
変に衝撃を受けたせいか、再び血が噴き出る。
流血状態が長く続けば、戦闘不能どころか精神不能になってしまう。
つまり、彼女の命すら危ぶまれる。


 「いってぇー! おい、もうよせよ。降参しろよ。このままじゃそのジャノビー、命に関わってくるぞ」
ニーアがまた、まるで自分がダメージを受けたかのような顔をして言う。
 (確かにこのまま俺が降参すれば、ジャノビーもMBに収まり流血は止まるが・・・)


――――同時に俺の旅も終わる――――


 「・・・・・どうすれば・・・!?」
ライトはジャノビーの方を見た。
彼女も此方をまっすぐに見る。

その目に――――――降参の意はない。

 「・・・まだ戦えるか?」
ライトは恐る恐る訊いた。
ジャノビーは大きく頷いた。



Re: *†Exact Light Sniper†* ( No.321 )

日時: 2012/04/03 19:41
名前: 獏良 ◆DEATH5bqNs (ID: zp3ANUt9)
参照: wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww

第五十一話【雷張るバトル  ライトvsニーア】7


 「おいおい、マジかよ。ポケモン使いの荒いトレーナーだな」
ニーアが声を荒げる。

 「そうだよ、俺はポケモン使い荒いよ。けどなぁ、ポケモンを愛する心は誰よりも負けねぇ!」
こんな事を言っている暇はない事は解っているが、それでもライトは叫んだ。
 「ケッ、言ってる事が矛盾してらぁ。そもそもな、誰よりもポケモンを愛する心を持っているのは、この俺だ!」
ニーアも高らかに吠えた。


 「レントラー、氷の牙!」
レントラーは再び牙に冷気を纏って突進してきた。
レントラーとジャノビーの距離はまだ離れているというのに、ものすごいスピードで詰めてくる。

 「ジャノビー、あいつをギリギリまで引き寄せろ。そしたら・・・・」
ライトは、ニーアには聞こえない程度の小声でジャノビーに囁いた。
彼の言った通り、ジャノビーはレントラーを眼前まで引き寄せる。
それまで彼女は微動だにしなかった。
ライトを信じている証拠だ。

 「後ろに回り込め!」
レントラーが地面を蹴り、飛びかかってくると同時にジャノビーは素早くレントラーの横をすり抜ける。
そして後ろに回り込んだ。

 「無駄だ! 今回も一発目はフェイクだ!」
ニーアの言う通り、レントラーは一発目は本気で噛み付こうとはしていなかった。
前足に力を入れ、再び反転しようとする。


―――――が、ライトはこれを予測していた。
だから、ジャノビーを後ろに回り込ませた。
さっきのレントラーの動きからして、反転出来るのは90度弱が限界だろう。
180度反転するには、出来るにしても時間が掛かる。
時間が掛かるとは言ってもほんの僅かな差だろう。

しかし、今のジャノビーなら・・・・。
そのほんの僅かな時間の差でも態勢を立て直せる!


ライトの予想通り、レントラーは反転するのに先程より時間が掛かった。
前足に入れる力の量も先程より大きい。

その後足が前足の横を通り越した。
レントラーの体が完全にジャノビーの方を向いた。

―――そして、飛びかかろうとした瞬間・・・


 「ジャノビー、リーフブレード!」
レントラーの頭に、ジャノビーの尻尾が真上からヒットした。
それに連ねて、彼の体全体が地面に叩きつけられる。

 「レントゥオ!?」
レントラーは悲鳴を上げた。

 「ジャノビー、追撃しろ!」
ジャノビーは叩きつけた尻尾に再び力を入れて軽く跳ぶと、今度は横に回転した。
回転された尻尾が今度はレントラーの頬に叩きつけられ、それは壁際にまで吹っ飛ばされた。

――――ブシュュ!!
しかし、同時にジャノビーの傷口から再び血が噴き出た。
今の衝撃がよほど強烈だったのだろう。
が、ジャノビーは今度は一言も喚かない。
なんという耐久力だろうか・・・。


 「くそおおおお! ポケモン愛してるならもっと優しくしやがれ!
レントラー立て! 氷の牙だ!」
レントラーは再び立ち上がろうとするが、今ので意識が朦朧としている。
これはチャンスだ。

 「ジャノビー、リーフストーム!!」
ジャノビーは今まで以上にないほどの草を身の回りに纏い、一斉に発射した。

同時にレントラーの意識が戻った。
氷の牙を纏い、突進してくる。

しかし、レントラーは押し寄せる草の嵐に対抗出来ず、再び押し戻される。
そして、壁際にまで押し戻され、草の刃をいくつもくらい、その場に倒れ込んだ。
全ての草が動きを止め、地面に舞い落ちると、そこには地面に倒れ込んでグッタリとしたレントラーの姿があった。
その体は僅かに痙攣していたが、もう起き上がる事はなかった。


 「レントラー、戦闘不能。ジャノビーの勝ち。よって勝者はライト。
――――ふぅ、ようやく終わった」
ジークは最後にそう呟き、審判台に座り込んだ。

 「っよくやった、ジャノビー!!」
ライトはジャノビーを抱き上げ、その場で回った。
 「・・・ジャノ・・・」
血を流したせいか、ジャノビーは少し元気がなかった。
しかし、微笑しながらライトの方をまっすぐ見つめている。
彼も笑い返した。


 「くそー・・・。まさか負けちまうとはな・・・。戻れ、レントラー。頑張ったな」
ニーアの声に先程の様な気力は無かった。
しかし、若干笑っていた。





 「バトル、楽しかったぜライト」
その日の晩、四番道路への滑走路の前でニーアが俺に話し掛けてきた。
彼は昨日5つ目のバッジを手にして、もう用は済んだので、この街を出ることにしたらしい。
「もう一日くらい泊って行ったら?」とライトはオススメしたが、速く大都会のヒウンシティに行きたいらしいので止めなかった。
しかし、若干寂しい気がした。



 「俺も楽しかったよ、こんなに楽しいバトルは久々だったよ」
ライトも笑顔で答えた。
 「・・・また会えると良いな」
 「・・・・そうだ、Cギア持ってるか? コード交換しようぜ」
 「なんだ、お前も持ってたのか! 最近配布されたばかりだから持ってるとは思わなかった。良いぞ、交換しよう」
やはり、アララギ博士は色んな場所で配布したのだろう。
ニーアも既に持っていた。
ライトとニーアはお互いのコードを交換しあった。
勿論、ジークもニーアと交換した。

 「お前ともバトルしたかったけど、もう時間がないからな。また会ったら遣ろうぜ」
ニーアはジークの方を見て言った。
 「うん、良いよ。また会えると良いね」
 (なんだ。ジークの事だから「もう二度と会う事はない」とか言いそうだと思ったけど、割と可愛いところあるじゃん)


 「それじゃあ、元気でな! また会おう!」
ニーアは長い髪を靡かせ、滑走路を駆けて行った。
 「じゃあなー!」
 「また」
ライト達も、彼の姿が地平線の彼方まで見えなくなるまで手を振った。


 「行っちまったなぁ・・・」
 「うん」
残された2人は少し寂しい気持ちになった。
出会いもあれば、別れもある。
これまでにも何度かあったその別れの寂しさを、俺は改めて実感した。


 「さて、気を取り直してジーク君。明日は俺とのバトルですなー」
 「バトル? ぃぃょ(否定形)」
 「遠慮すんなってー! いや、遠慮させねーぞ」
 「面倒だって・・・・。まぁ、朝飯が好きなのだったら――――」
 「ダーメだ! 嫌でも付き合ってもらう!」
彼らはこんな事を言い合いながら、ポケセンに戻って行った。


Re: *†Exact Light Sniper†* ( No.268 )

日時: 2012/04/03 11:04
名前: _羅 ◆w08v7t4OQ. (ID: zp3ANUt9)

第四十八話【ライモンシティ】


 「お、動いてる動いてる!」
 「まさかこのタイミングで孵化するとはね」
ササラと別れてから二日後の昼、ライト達はライモンシティの門である滑走路の入り口を目の当たりにした。
丁度その時・・・ライトのバッグが激しく動き出した。

走ってライモンシティに入り、ポケモンセンターに着く頃には、それは内部から破壊されつつあった。
その時、ポケセンの中にいた一般peopleは、卵を抱えながら慌ただしくポケセンに入ってきた彼らに視線を向けた。
しかし、今のライト達にそんな視線など感じなかった。
 「これは・・・生まれる! 後少しだ!」
 「・・・お?」
 「きたああああああああああああ!!!」

黄土色の卵が完全に破壊され、中から出てきた緑のポケモンは体に付着した卵の欠片を払った。
そして、その麗しき赤い瞳でまっすぐにこちらを見つめてきた。

 「3番道路から遙々此処まで持ってきて、ようやく孵ったあああ!」
しかし、孵ったはいいが名前が解らない。
 「んーと、このポケモンは・・・」
 「キバゴだよ」
ライトが図鑑を開く前に、後ろから答えが飛んできた。

振り返ると、そこには長身かつ長髪な男がいた。
 「お前運が良いな、イッシュ地方でも珍しいドラゴンタイプのポケモンをゲットするなんて」


Re: *†Exact Light Sniper†* ( No.269 )

日時: 2012/04/03 11:17
名前: 神羅 ◆w08v7t4OQ. (ID: zp3ANUt9)
参照: 結局更新してしまったwwwwwww

第四十八話 2


 「あんたは?」
ライトがお礼を言う前に、ジークが聞いた。

 「俺はニーア。いきなり話し掛けちまったけど、別に怪しい奴じゃねぇから安心しな」
ニーアと名乗るその男は軽い口調で答えた。

 「で、お前はキバゴっていうのか。これから宜しくな!」
 「キーバッ!」
キバゴは元気よく頷き、あっさりとライトのMBの中に収められた。
どうやら彼を親だと認めてくれたようだ。



 「ヘヘッ、良かったな。
ところでお前ら、俺は此処のジムを探してるんだが、何処にあるか知らないか? この街に来るのは初めてなんだ」
ニーアが言った。
 「お、実は俺らも此処来るのは初めてなんだ。しかもジムを探してるという目的は一致している。良かったら一緒に探さないか?」
ニーアは許可してくれた。
簡単に打ち解けた彼らは、ポケセンを後にした。


初めてこのライモンシティに入った時は急いでたので目に入らなかったが、此処はヒウンシティには劣るがかなり繁盛している街だった。
 「ヒウンシティじゃないのに、結構人がいるんだな」
 「此処はライモンパークっていう遊園地で有名だからな。たくさんの人が来るんだ」
初めてくる割に、ニーアは此処の事を良く知っていた。

(そういえば、昔母さんからライモンパークのことは聞いたな。
イッシュ最大の遊園地だとか。
・・・いや、イッシュ地方唯一の遊園地だったっけか)
一人で昔のことを思い出している間に、彼の隣にいた筈のニーアの姿が消えていた。


Re: *†Exact Light Sniper†*受験勉強忙しい ( No.270 )

日時: 2012/04/03 12:28
名前: 獏良 ◆DEATH5bqNs (ID: zp3ANUt9)

第四十八話 3


ジムを見つけるのは容易だった。
いや、ニーアがいなかったら見つけるまでに時間が掛かっていただろう。
何故なら彼が好奇心の赴くままに進んだ先に会った遊園地の中に、ジムはあったのだから。
普通に探していれば見つからなかっただろう。


 「うひゃー! こりゃすげぇや! ジムの前に観覧車乗ろうぜ!」
ニーアが言った。
 「いや・・・俺はいいよ」
観覧車ならバトルの後でも乗れる。
とにかくライトは一刻も早くバトルがしたかった。

 「じゃ、俺は観覧車乗ってくる。お前も来ないか?」
 「行く」
ジークも行ってしまった・・・。
結局ライト一人になった。


改めてライモンジムに向き直った。

 「さて・・・此処が4つ目のジムか・・・。気を引き締めて行こう」
そう呟きながら中に入って行った。

―――何か今日は行けそうな気がするぜ。



 「―――は?」
入り口を間違えたのだろうか。
いや、そんな筈はない・・・。

なのに何故中が・・・
 「ジェットコースター?」
線路がありとあらゆる方向に繋がれ、その上を車程の大きさのカプセルが移動している。
蛇状のコースターではない様だ。


 「・・・いや、待てよ? サンヨウジムは喫茶店、シッポウジムも博物館、ヒウンジムも奥に植物園が広がってたな。
―――って事は此処もジムと遊園地の両立ってわけか」
そう呟き、コースターの乗り場らしき所へ近付いた。


―――すると、丁度その時俺の目の前にそのカプセルが現れた。
 「ハーイ坊や! 乗ってかない?」
中にはお嬢様らしき服装をした女の子が乗っていた。
(年齢はほぼ俺と同じなのに坊やって・・・)

 「だがこと―――」
 「乗ってきなよ!」
だが断る、と言おうとしたら、無理矢理手を引っ張られた。
 「強制かよ!」

そして、ライトと彼女を載せたコースターはその場を離れた。
それは徐々にスピードを上げ、上下左右を動き回った。


 「うわああああああ!!」
ライトはこういうのには慣れていなかった。
おかげでコースターが止まる頃にはもうヘトヘトだった。


 「またねー!」
その少女はライトを降ろすと、また何処かへ行ってしまった。

ライトが降りた場所は先程の入り口ではなかった。
 「くそ・・・。ジムリーダーは何処だ・・・」
ふらつきながら歩いていると、彼の足は再び乗り場らしき場所へ辿り着いてしまった。

 「よう少年! 乗ってけよ!」
目の前には既にカプセルが止まっていた。
今度は中に金持ち臭い少年が乗っていた。

 「いや、遠ry――――」
 「乗ってけ!」
いや、遠慮しとく、と言おうとしたらまた引っ張られた。
 「やっぱ強制かよ!」


再びジム(?)内を走り回り、降りる頃にはもう目の前が歪んでいた。
 「じゃあな少年!」
その少年はライトを置き去りにして何処かへ行ってしまった。

 「ち・・・畜生・・・! ふ・・・・・・ふざけんじゃねぇ・・・この俺がこんな所で・・・くたばる訳が・・・!」
既にライトの体力は限界に近かった。
吐き気と目眩が彼を襲い、意識が・・・。


 「貴方ジェットコースターで大袈裟すぎよ」
目の前から女性の声がした。
 「・・・・・あ・・・あんたは・・・・」
今のライトは顔を上げるすら出来なかった。
だから彼女の姿を見る事が出来ない。

 「ようこそライモンジムへ。ジムリーダーのカミツレよ」
「ジムリーダー」と聞いた瞬間、ライトの顔が自動的に上がった。
彼の目の前に立っているのは美しい女性だった。

 「私はジムリーダーであると同時に・・・超売れっ子モデルでもあるの」
 (自分で売れっ子モデルって・・・)
 「ジムバトルに来たのよね? でも生憎今日はファッションショーがあるのよね~・・・。
私モデルだから」
 (どんだけモデルを強調してんだ)

 「―――って事は今日はジムバトル出来ないのか?」
 「うーん、そうね」
 「そんなぁー!! 今日は行けそうな気がしたのに!!」

 「・・・ところで貴方、私の事どう思う?」
 「ふつくしい」
 (やべっ、正直に言っちゃった)
ライトは少し赤面した。

 「正直な子ね。良いわ、バトルしてあげるわ」
 「マジ!?」
今のでバトルしてくれるって・・・変わった人だな。
まぁとにかく、これでジムバトルが出来る!
でも多分、ファッションショーとやらが始まるまでだろうな。


 「秘書さん、ちょっと」
後ろの暗い部屋から綺麗な女性が出てきた。
――――と思ったらそんなに綺麗じゃなく、40代くらいのおばさんだった・・・。

 「今日のファッションショー、何時から?」
 「15分後です」
15分後って・・・・・・
 「もうバトルする時間ねーじゃん!!」
ライトの発言を無視し、カミツレは秘書に向かって言う。
 「今日のカミツレは気分が悪いの♪」
 「了解。今日のファッションショーは中止にします」
・・・・・・は?

 「・・・ゑ? 中止・・・?」
 「そうよ。これでバトル出来るわね♪」
出来るわね♪って・・・。

 「売れっ子モデル仕事しろよ!! 大勢のファンをがっかりさせるなよ!! 責めてもっとマシな言い訳しろよ!!」
 (思わずツッコんでしまった・・・)

 「良いじゃない、バトルが出来るんだから」
 「まさかあんた、ファッションショー中止の原因を俺のせいにするつもりじゃねぇだろうな・・・」
 「そんなことしないわよ。代わりにとっておきのショーをお見せするの」
なんだか嫌な予感がしたが、ライトはその気持ちを押さえ、こうして4人目のジムリーダーとバトルをする事になった。


Re: *†Exact Light Sniper†* ( No.273 )

日時: 2012/04/03 13:17
名前: 神羅 ◆w08v7t4OQ. (ID: zp3ANUt9)

第四十八話 4


ライトがジムでカミツレを待っている頃、ニーアとジークはそのカミツレが出演するらしきファッションショーを見に、ライモンパークを出てミュージカルの場に来ていた。
会場はこれまでにこんな光景見た事ないって程、人が賑わっていた。


 「ほんとにライト置いてきて良かったの? ライモンシティ広いから、迷子になりそう」
 「大丈夫だ、問題ない。ショーが終わる頃に戻れば間に合うって。
あー、カミツレちゃんまだかなー♪」
どうやらこの男、カミツレっていうカリスマモデルのファンらしい。

観覧車を出てすぐこのショーの事を思い出したニーアは、ジークを無理矢理此処に連れてこさせた。
ジークはこのショーに興味はなかった。


 「おかしいな、もうそろそろ始まる筈なのに・・・」
ニーアが言った直後、会場に一つの放送がかかった。

 『えー皆さん、本日はご来場頂きましてまことにありがとう御座います』
会場は一瞬にして静寂に包まれた。
こんな時だけすごい団結力だ。

 『お客様に申し訳ありませんが、今日のファッションショーは中止となります』
 「「「「「「「えええぇぇぇー!!」」」」」」」

素晴らしく異口同音だった。
またしてもすごい団結力を披露してくれた。



Re: *†Exact Light Sniper†* ( No.274 )

日時: 2012/04/03 13:20
名前: 神羅 ◆w08v7t4OQ. (ID: zp3ANUt9)

第四十八話 5


 「てか、この放送委員単刀直入すぎる(笑) いきなり中止って・・・」
 「(笑)じゃねーよ。ふざけんなー!」
ニーアもジークの真横でブーイングをあげている。

 『お詫びと言っては難ですが、本日は大画面テレビにより、ジムリーダーカミツレのポケモンバトルをご観戦下さい』
「「「「「「「おおおおぉぉぉぉぉー!!」」」」」」」
 (ポケモンバトルで話がまとまった・・・?)

ウイーン・・・

突如、大画面テレビが正面のステージから現れた。
 「ん? 待てよ? もしかしてバトルの相手って・・・」
ニーアが言った。
 「あ・・・」
ジークも思い出した。


そう思った瞬間、画面に光がともった。

そこには金髪の女性と金髪の少年が映っていた。

 「ああああああああ!! あいつー!!」
 「ライト・・・」

ジムリーダーの対戦相手はライトだった。
しかし、会場にいるほとんどの人の目には彼の存在など入っておらず、カミツレの虜になっていた。




Re: *†Exact Light Sniper†*受験勉強忙しい ( No.279 )

日時: 2012/04/03 13:22
名前: 獏良 ◆DEATH5bqNs (ID: zp3ANUt9)

第四十九話【ライモンジム戦 ライトVSカミツレ】


 「おい、あのカメラはいったい・・・」
 「このバトルが放送されるの」
 「ええええ!?!?」
ライトが早速バトルフィールドに立ったものの、審判の立つ位置の上の観客席にはカメラが三台設置されていた。

 「まぁ、これがファッションショーのお詫びってところね。これまでに何回か同じ様な事あったし、珍しい事じゃないわよ」
 「ファッションショーの代償はこれか・・・」
まさか自分のバトルが放送されるなんて思ってなかった。

 「何処に放送されんの?」
 「ライモンシティ全域」
 「おいいいいい!!!」
 (この広いライモンシティのたくさんの住民に・・・もしも俺が負ける瞬間が見られたら・・・。
恥ずかしくて外に出られん! 何としてでも勝利せねば・・・!)




 『おいいいいい!!!』
カメラの中ではライトが狂っていた。

 「くそーあいつ羨ましいな。俺もカミツレちゃんと一緒に出たいぜ」
 「じゃ、ジム行く?」
 「・・・そうか! ライモンジムはこの街にあるんだった! 今なら間に合う、急ぐぞ!」
ニーアはジークの手を引っ張ってミュージカル会場を出て行った。



 「さて、早速バトルを始めましょうか」
 「・・・カメラの視線が気になるけど、まぁいっか・・・」
ライトは渋々バッグの中に手を伸ばした。

 「まず私の一番手は・・・エモンガ、出ておいで!」
 「エモー!」
エモンガと呼ばれたポケモンは、腕から腰まで伸びた翼を広げて宙を旋回し、此方にウインクしてきた。

 「ジムリーダーがモデルならポケモンも可愛いってか。なら俺は・・・・行け、ガントル!」
 「ガントゥル!」
つい最近進化したばかりのガントルは、バトルに出るのを待ち構えていたかの様に張り切っていた。

 「ヘヘッ、相手が飛行タイプじゃこっちが有利だな」
 「フフ、タイプだけで見極めちゃ駄目ね。こっちにも作戦があるのよ」
 「・・・?」
見た目は攻防どちらも此方が上だ。
あのちっさい体のポケモンに負ける筈がない。

―――しかし、もしかしたらあの小さな体には大きな力が秘められているのかもしれない、と思った。

メンテ
Re: *†Exact Light Sniper†*受験勉強忙しい ( No.280 )

日時: 2012/04/03 15:18
名前: 獏良 ◆DEATH5bqNs (ID: zp3ANUt9)

第四十九話【ライモンジム戦 ライトVSカミツレ】2


 「では、これよりライモンジムバトルを始めます。使用ポケモンは両者3体まで。それでは始め!」
さっきの秘書(審判)の声がかかった。

 「エモンガ、電磁波!」
 「行け、ガントル! ステルスロック!」
まずは早速、覚えたての技を使った。
実際どんな威力があるのか、どんな技なのかは知らない。

しかし、どちらにせよエモンガの方が速かった。
滑空し、体から細い電気を此方に飛ばしてきた。

しかし、あまり威力は無かった。
ガントルは少し痺れただけで、ほとんどダメージを受けていない。

続けてガントルがステルスロックをしようとした。
―――が、そのガントルは動かなかった。

 「あれ? どうしたガントル?」
 「ふふ、早速麻痺の効き目が現れた様ね」
 「麻痺?」
 「あら、知らないの? 今の電磁波でガントルは麻痺状態になった。麻痺状態になると時々体が痺れて麻痺動けなかったり、更に素早さが落ちるの」

 「なるほど、バトルにもそんな技があるのか。
・・・って感心してる場合じゃねぇ! つまりこれからずっと自由に動けないのかよ!」
 「もともとガントルの素早さは遅いけど・・・・技が出せないのは致命的ね。
・・・特に今のステルスロック、撃たれたら私にとって結構厄介だったわ」
 「・・・・?」

最後の言葉・・・ステルスロックを嫌がっている様だったな。
よし、ならばもっかい使うまでだ。

 「エモンガ、放電!」
エモンガの小さな体が眩しいくらいに光り、広大な電波が辺りに広がった。
ガントルはその電波を真正面から喰らい、やや後ろに退いた。

 「くっ・・・! あの体であの電気の量・・・。やっぱつええな。
だが負けてられねぇ! ガントル、ステルスロック!」
また動けなくなるか、と思ったが今度はうまく行った。
ガントルは尖った岩を数本放ち、カミツレの方に向けて放った。

 「・・・っておい! 狙いはそっちじゃねぇ!」
エモンガを狙うかと思ったらプレイヤーの方に攻撃が向かったので思わず叫んだが、その岩は彼女の前で止まり、地面に突き刺さった。

 「・・・・・え? これだけ!?」
 「くっ・・・遣られた」
結局エモンガには指一本触れずに終わった。

 「・・・これに何の意味が・・・」
 「そのうち解るわ。
さぁエモンガ、もう一度放電!」
エモンガは再び光を纏い、そして広大な電波を発した。

 「ガントル! 堪えろ!」
ガントルは痺れて動きにくい体を踏ん張らせ、どうにか放電を堪えた。
 「続けて岩雪崩!」
そのまま体を無理矢理動かし、岩を放った。

 「避けてエモンガ!」
しかし、宙を舞っているエモンガにそれを避けるのは容易かった。

――――が、ガントルはそれすら既に呼んでいた。
彼の放った岩は普段より数が多く、容赦なくエモンガを襲い、さすがの彼女も疲れてきた様だ。
そして、その内の一つが当たると、続けて他の岩も当たってしまった。

 「エモンガ!」
エモンガは後ろに大きく飛ばされ、壁にぶつかって止まった。
やはり防御力だけはない様だ。

 「よっしゃ、その調子! もう一度岩雪崩!」
しかし、今度はガントルは体が痺れて動けなかった。
 「嘘だろおおおお!!」

 「エモンガ、ボルトチェンジ!」
エモンガは先程より弱めの電気をガントルに向けて発した。
ガントルはギリギリ持ちこたえてくれたが、もうそろそろ限界だろう。

 「・・・あれ?」
攻撃を終えたエモンガはそのまま引き返して行った。
交代か?

 「ボルトチェンジをしたポケモンは必ず私の手中に収まる。つまり、交代する事が出来るの」
なるほど、それでエモンガは戻って行ったのか。
・・・ってかそんな技あるんだな。

 「出て来て、エモンガ!」
 「エモー!」
 「さっきと同じかよ!」

―――と思ったら、次に出てきたエモンガは先程とは違うエモンガの様だ。
微妙に声が違う。


――――と、エモンガが出てくると同時に、先程ガントルが放ったステルスロックが動き出した。
それらは宙に浮き、同じく宙を舞っているエモンガを
挟んだ。

 「しまった! ステルスロックの事を忘れていた・・・」
カミツレは頭を押さえて舌打ちした。

ほぉー、ステルスロックってのは交代して出てきたポケモンを攻撃する技なのか。

 「よぉし、ガントル、岩雪崩!」
今度はガントルは動いた。
いくつかの岩を相手に向かって発した。

 「エモンガ、ワイルドボルトで突っ切れ!」
また避けるかと思ったが、今度のエモンガは周りに電気を纏ったまま突っ込んでいた。
そのまま岩を避け、どんどん距離が迫る。

 「まずい! ガントル、鉄壁!」
しかし、再び麻痺が彼の体を襲った。
ガントルは不動だった。

エモンガの小柄な体がガントルに直撃し、ガントルは後方に大きく吹っ飛ばされ、動かなくなった。

 「おいおい嘘だろ! 初陣でこりゃないぜ・・・」
がっくり肩を落とした後、「お疲れさん」とだけ言ってガントルをボールに戻した。

 「ふふふ、残念だったわね。さぁ、次はどのポケモンで来る?」
 「うーん、次は・・・」

メンテ
Re: *†Exact Light Sniper†*受験勉強忙しい ( No.281 )

日時: 2012/04/03 16:37
名前: 獏良 ◆DEATH5bqNs (ID: zp3ANUt9)
参照: wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww

第四十九話【ライモンジム戦 ライトVSカミツレ】3


 「――――出て来い、キバゴ!!」
 「キバァ!」
生まれたてのキバゴはバトルを楽しみにしていたかの様に燥いで出てきた。

 「あらら・・・貴方も可愛いポケモン持ってるじゃない」
カミツレがなめきった口調で言った。
 「まぁな。今日卵から産まれたばかりなんだけどな」
 「今日生まれたばかりって!? ・・・そんな子で私を倒せると思ってるの?」
 「うるせぇ! 図鑑で技見た時すごいのがあったから期待してるんだ。
少なくともエモンガ一匹倒す自信はある」
 「面白いわね。遣ってごらんなさい」
 「遣ってやんよ! キバゴ、逆鱗!」

キバゴは体から赤いオーラを―――いや、熱を発しながらエモンガに向かって突っ込んでいった。

 「迎え撃て、ワイルドボルト!」
エモンガも黄色い雷を纏いながらキバゴに突撃した。

赤と黄の閃光が一瞬ぶつかり合った。

 「キッバァ!」
 「エモッ!?」
しかし、次の瞬間黄の閃光が後ろに弾き飛んだ。

 「えぇ!?」
 「行け! 留めだ!」
キバゴはそのままエモンガの懐に入り、体全体を使って攻撃した。

エモンガは溜まらず後方に吹っ飛び、先程のエモンガと同じ様に壁にぶつかって止まった。
しかし、今度はもう動かなかった。

 「嘘・・・! 今日生まれたばかりのポケモンに負けるなんて・・・。
やはりドラゴンタイプのポケモンには恐るべき力が秘められてる様ね。
まさかこんなことになるなんて―――――」
カミツレはぶつぶつ呟きながらエモンガをMBに戻した。

バトルは後半戦に持ち込まれた。



 「―――ふぅ、着いたぞライモンジム」
 「ハァ、ハァ・・・。ちょっとタイム」
その頃、ニーアとジークは既にライトのいるジムの目の前に来ていた。

 「休んでる暇なんてないぞ。さぁ、行こう」
 「ハァ・・・。何で僕が・・・」
ジークも渋々彼について行った。

 「おー! 中はジェットコースターじゃねぇか!」
ニーアが早々感嘆を上げた。
 「イッシュ地方のジムは観光所としても有名だと聞いてたけど・・・。
此処もこのジェットコースターで有名なのかな」
ジークも感心していた。

 「おい、早速乗ろうぜ」
 「え・・・でもライト・・・」
 「良いから良いから!」
ニーアが強引にジークをコースターに乗せると、そのコースターは発射した。

 「「――――――・・・・・ぁぁぁぁぁああああああああああ!!!!!!!!」」
あまりにも鬼畜なジェットコースターの動きに、2人は悲鳴を上げていた。

 「こ――止ま―――の!?」
ジークの声はほとんど騒音に掻き消され、ニーアには聞き取りにくかった。
 「止――ねええええ!!」
2人はライトより長時間、ジム内を回り続けた。



―――――バトルフィールド・・・。
 「はっはっは! もう一匹だな!」
 「うぅ・・・・まさかこれだけで遣られるなんて・・・・!」

カミツレの出した2匹目のエモンガは倒れていた。
ステルスロックに遣られたのだ。

 「まさかステルスロックごろきに遣られるまでダメージを受けてたなんてね・・・。知らなかった」
 「あんたジムリーダーだろ。そのぐらい解れよ」
 「う・・・うるさいわね! 最近仕事が忙しくてポケモンの面倒見る暇が無くなって来てるのよ!
―――それにまだ私にはこの子が残ってる」

カミツレは最後のMBを取り出すと、念入りに投げた。
 「出て来て、ゼブライカ!」
カミツレのMBから出てきたゼブライカは、上半身を上げて「ブルァ!」と雄叫びを上げた。



 「―――――お! いたいた! こんな所に!」
突然上の観客席から声がした。
振り向くと、そこにはニーアとジークがいた。
しかし、ジークは気持ち悪そうに胸を押さえ、俯いていた。
恐らく此処まで来るのにジェットコースターを使って来たのだろう。


 「きゃー! カミツレ様ー!」
 「やっちゃえー!」
2人に続いて後ろからカミツレのファンらしき人々が押し寄せてきた。

そして、先程までがら空きだった観客席は人で埋め尽くされた。



 「ハァ・・・ハァ・・・何でこんな・・・」
ジークが息を切らせながら呟いた。
 「頑張ってカミツレちゃーん!(はぁと」
ニーアはジークの事を忘れ、前に乗り出し吠えていた。



 「うわ! 何だよこの人の量は!」
 「ふふふ、皆テレビ画面で見るより実際に見たくなった様ね。
私の本気が見れるのがほんとに嬉しいのかしら」
 「本気? どういう事だ?」
 「えぇ。ま、その時になれば解るわ」

本気って・・・どういう事だ。
まだ本気出してないって事?

よく解んないけど、とにかくあのゼブライカさえ倒せば俺の勝ちなんだ。
 「よーし、遣るぞー!」

メンテ
Re: *†Exact Light Sniper†*受験勉強忙しい ( No.282 )

日時: 2012/04/03 17:27
名前: 獏良 ◆DEATH5bqNs (ID: zp3ANUt9)
参照: wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww

第四十九話【ライモンジム戦 ライトVSカミツレ】4


ゼブライカが登場した後、ステルスロックが再び起動した。
これで少々ダメージを与える事が出来た。

(・・・って、こうしてみるとガントル大活躍だったじゃねぇか・・・。
後でもっと褒めてやろう)


 「ゼブライカ、ニトロチャージ!」
ゼブライカは足踏みをし、辺りに砂煙を発生させた。
そして、突然その中から炎を纏って飛び出してきた。

 「キバゴ、逆鱗で迎え撃て!」
キバゴも熱を帯びた体で正面からぶつかった。

確か逆鱗は一度使うと暫く止められない技だったからな、まだこれしか使えねぇ。
おまけに止まっても疲れ果てて混乱するとか・・・。
まさに当たって砕ける技かな。

キバゴとゼブライカはフィールドのど真ん中でぶつかり合い、止まった。

 「まさか・・・生まれたてのキバゴごときが私のゼブライカと互角? ドラゴンの力っていったい・・・」
 「良いぞキバゴ! 押し返せ!」
キバゴは一瞬力を弱めてゼブライカの懐に入り、体全体を弾丸の様にして腹部に当てた。
ゼブライカは溜まらず上空に吹っ飛んだ。

 「ゼブ・・・ライ・・・カ・・・・」
 「よーし! バッジはもらった!」
などと、ついつい勝った気になってしまった。
まさか此処からが本番だなんて思ってなかった。


 「調子に乗るんじゃねーぞコラァ!!」
誰!?
と思って観客席を見たが、全員はある一点を見つめて燥いでいた。

 「キャー! ブラック☆カミツレ様ー!」
 「待ってましたああああああ!」


その視線の先には・・・
 「え・・・・・・? カミツレさん・・・?」
 「ちょっと攻撃が当たったくらいで好い気になりやがって・・・・! 堪忍袋も緒が切れた!
ゼブライカ、ブラック☆スター!!」

ゼブライカも彼女と同じ怒りを買ったのか、先程の上空へ吹き飛ばされた状態で、体の表面から黒い電気をビリビリと出した。
すると、それは突然巨大な黒い落雷となり、キバゴを襲った。


 「キバゴ!!」
しかし、キバゴはもう動けず、痙攣していた。

 「フン。所詮攻撃力あっても、他のステータスは赤子と同じだな。これで1vs1だ」
カミツレの口調は明らかに今までとは違う。
何かこの間隔見覚えがあるな・・・。
デントが闇人格になった時と同じ感覚か。

―――――ってかジムリーダー闇人格多すぎだろ!
デントといいアーティといい今回のカミツレといい、何なんだこいつらは!

―――まぁ、それはいいとして・・・
 「くそ・・・何だよ今の技。黒い雷が落ちてきたぞ」
 「ブラック☆スターは簡単にいえば、黒い雷を落とす技だ」
 「スターってなんだ?」
 「私が考えた技に文句あるか? ちなみにこれを喰らったポケモンは必ず麻痺する」
 「要するにあんたのオリ技か」
 (・・・とはいえ、俺のポケモンが必ずガントルみたいになっちまうのは厄介だな。
とにかく次からはもっと慎重に行こう。油断禁物だ)
ライトはつばを飲み込んだ。

メンテ
Re: *†Exact Light Sniper†*受験勉強忙しい ( No.283 )

日時: 2012/04/03 17:34
名前: 獏良 ◆DEATH5bqNs (ID: zp3ANUt9)
参照: wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww

第四十九話【ライモンジム戦 ライトVSカミツレ】5


 「「「「カミツレ様素敵いぃぃぃ!!」」」」
約一名を除く観客席の全員は歓声を上げている。


 「ちくしょー、あいつらのせいで気が狂うな。けど今は耐えるしかない・・・。
出て来い、ジャノビー!」
最後に選んだのはジャノビー。
電気タイプに対して効果今一つな点があるから選んだ。

しかし、一つ欠点もある。
相手がさっき使っていたニトロチャージ・・・。
あれは見る限り炎タイプの技だ。
もしあれを喰らえばかなりダメージを受けるだろう・・・。


 「面倒な事になる前にさっさとケリつけるぞ! ジャノビー、グラスミキサー!」
ジャノビーは尻尾に蛇状の草を纏い始めた。

 「ゼブライカ、ニトロチャージ!」
さっき、ゼブライカはニトロチャージは炎を纏うのに時間がかかった。
だからジャノビーの攻撃の方が速い―――

――――かと思ったら、そうでもなかった。
ゼブライカは先程より速く足踏みをし、炎を纏い、突進してきた。
ジャノビーは不意を突かれて押しのけられた。

 「ヤバイ、効果抜群だ!」
しかし、ジャノビーは後ろに吹っ飛ばされながらも尻尾を前方に突き出し、壁に当たる衝撃を手だけで受け止めた。
そして、突き出した尻尾の草でゼブライカを捕え、適当に振り回して投げた。
ゼブライカも壁にまで吹っ飛ばされたが、4つの足で衝撃を受け止めた。

 「フフ、中々遣るな。ちなみに今のニトロチャージで再びゼブライカの素早さが上がった。もうお前のジャノビーじゃこの子のスピードは超えられねーぞ」
素早さが上がった? 再び?

――――あぁ、そういえばニトロチャージ使うと素早さが上がるんだっけ。
前にLとバトルした時、あいつのポカブが使ってたな。
 「って、そんな呑気に考えてる場合じゃねぇ!」

 「フフフ、痺れさせてやんよ! ゼブライカ、ブラック☆スター!」
 (またあの技か!)
ゼブライカは再び黒い稲妻を纏い、ジャノビーに向かって放った。

 「ジャノビー避けろ!」
ジャノビーは壁に張り付いた状態から下に飛び降りた。
ゼブライカの雷は誰もいない壁を攻撃した。

 「よし・・・次で決めよう。ジャノビー、リーフストーム!!」
ジャノビーは先程とは比べ物にならない程の草を身の回りに浮かべた。
それは回転し、彼女の姿を眩ませた。

 「くっそ! 負けっか! ゼブライカ、オーバーヒート!!」
オーバーヒートって・・・・・・・嘘だろおおお!!
ヒートっていたら絶対炎タイプの技じゃねぇか!
何で電気タイプのポケモンが炎タイプの技を二つも持ってんだよ!

ゼブライカはその場で4つの足を開き、体全体に力を入れた。
直後、彼の口から爆発的に炎が噴き出された。
あれを喰らったらいくらジャノビーでも耐え切れないだろう。

 「この状態じゃ避け切れねぇ・・・。
だが・・・・・・・・・・・・負けるかぁ! ジャノビー、迎え撃て!」

――――『もう二度と負けないくらい強くなる』――――
そうだ、此処で負けたら俺の旅は終わる。
だから、此処で負ける訳にはいかない。

それに、もう一つ負けられない理由がある。
このバトルに負けたら俺は・・・
ライモンシティの笑い者になっちまうんだよぉぉ!!




 「・・・!? 何だあれ!?」
観客席で誰かが驚嘆を上げた。
 「目が光ってる・・・?」
 「なぁにあれぇ?」
 「こわーい!」


 「ライト・・・君が言ってたイグz・・・・・何とかって・・・これの事?」
ジークが呟いた。


フィールドでゼブライカの炎とジャノビーの草が混じり合った。
ほとんどの草はオーバーヒートに焼き尽くされた。
しかし、リーフストームの草の量はそれを上回った。

 「何だあれは・・・!」
カミツレがジャノビーに纏わりついた草の渦を見ながら驚嘆を上げた。

あまりにも草の量が多かったので、ライト自身も驚いてしまった。
だが、おかげで勝てると確信する事が出来た。

――――行けぇぇ、ジャノビー!!――――

ジャノビーから放たれた大量の草は炎を避けながらゼブライカを襲った。
おまけにゼブライカの放った炎は、ジャノビーにまだ纏わりついてる草が壁となり、彼女自身にはほとんどダメージを与えられなかった。


数秒後、フィールドにバタリ・・・と何かが倒れた様な音が響いた。
ゼブライカが態勢を崩し、倒れたのだ。

一方、ジャノビーはまだ立っていた。
しかし、その姿は火傷を負い、もうバトルの続行など出来ない様な、ギリギリの状態だった。

 「ゼブライカ戦闘不能、ジャノビーの勝ち。よって勝者、ライト・イグザーク!」
ライトの目に籠った力が徐々に抜け、彼は暫く目を瞑った。

 「・・・勝ったのか?」
ライトは目を開けて、ようやくそれを実感した。
 「やった・・・! よくやったぞジャノビー!!」
彼はボロボロになりながらも立っているジャノビーを抱き上げ、その場で踊り狂った。


 「「「「ええええええええええええ」」」」
しかし、観客席から起こったブーイングで彼の動きは止まった。

 (うわームカつく奴らだなー! 俺が勝っちゃ悪いみてーだなおい!)

ライトは渋々ジャノビーをMBに戻し、そっぽを向いたが、表情はにやけていた。



Re: *†Exact Light Sniper†* ( No.284 )

日時: 2012/04/03 18:23
名前: 獏良 ◆DEATH5bqNs (ID: zp3ANUt9)
参照: wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww

第四十九話【ライモンジム戦 ライトVSカミツレ】6


 「はい、バッジ」
バトルが終わり、観客席ががら空きの状態に戻った頃、カミツレがライトにバッジを渡した。
その時のカミツレは闇人格ではなかった。
 「ありがとう!!」
ライトはそのバッジを上に翳し、暫く眺めていた。

 「次のバッジも無事手に入りますように・・・」
ライトはバッジに祈るような形でそう呟き、それをバッジケースにしまった。
 「次のジムは岩タイプの使い手よ。ガントルと良い勝負になりそうね」
カミツレがアドバイスをしてくれた。
 「岩タイプか・・・。ありがとうございます!」
ライトは彼女に頭を下げた。


 「良かったね、ライト」
後ろから声が掛かり、振り向くとそこにはジークとニーアがいた。
彼らも観客席にいたカミツレファン達と一緒にジムを出たのかと思っていたが、後ろに隠れていたらしい。
 「カミツレ様! 明日は僕とバトルして下さい!」
ニーアはその場から弾かれた様に走ってカミツレの前まで来ると、スライディング土下座をしながら言った。
 「え、えぇ、良いわよ。明日は予定ないから」
カミツレは動揺しながら言った。
その光景を2人は微笑みながら見ていた。



 「明日は頑張れよ、ニーア」
 「あぁ、もちろんだ」
3人はジムを出た後、ポケモンセンターを目指した。
 「んで、その次の日なんだか・・・・俺とバトルしないか?」
 「何、バトル?」
ニーアは一瞬眉を寄せたが、次の瞬間笑いだした。
 「な、何で笑うんだよ」
 「この俺様とバトルだあ? 怖い者知らずめ、ボッコボコにしてやんよ!」
かなり自信満々だ。
 「ほぉ、ならこっちこそその鼻圧し折ってやんよ!」
 「遣れるもんならな!」
2人はその場で睨み合った。

 「どうでも良いけど、進まない?」
ジークの声でようやく足を止めている事に気付いたライト達は、慌てて一足先に進んでるジークを追い掛けた。



 「ニーアと戦ったら、次はジーク、お前だ」
その夜、ポケモンセンターの宿泊室でライトがジークに言った。
 「断る」
 「断らせない」
 「ヤダ」
 「ヤダとは言わせない」
 「もう言っちゃったよ」
 「アッハッハ! もう言っちまったか! これじゃ、遅いか!
・・・って、ふざけるな。意地でも遣らせるからな、おい」
 「・・・・はぁ」
ジークは大きなため息をついた。
 「君、どうしてそんなに僕と戦いたいの?」
どうして戦いたい、と聞かれても、ライトにとって戦いたい理由などないから困る。
暫く悩んだ末、こう答えた。
 「どうしてって・・・・・、トレーナーなら誰だって勝負したいだろ。これ常識」
 「僕の中では常識じゃないんだけどなぁ~」
 「それにシンオウ地方のポケモンと戦える機会なんで滅多にないし、良いチャンスだろ」
 「シンオウ地方のトレーナーなら他にも――――」
 「いません」
ライトのしつこさに呆れ、ジークはもう一度大きなため息をついた。

 「解った・・・。じゃあこうしよう。バトル当日の朝ご飯が僕の好物だったらね」
 「・・・・・はぁ!? 何だよそれ、運任せじゃねーか!」
 「そうだよ、運任せ。これで平等だろう?」
 「平等って・・・・」
 「と言う訳でおやすみ」
ジークは素早く部屋の電気スイッチを押し、ベッドに転がり込んだ。
 「こ・・・この・・・!!」
もう一度何か言おうと思ったが、なんだか気が引けたので辞めた。
 「朝飯にかけるしかないか・・・」
ライトも大きなため息をついた。

Re: *†Exact Light Sniper†* ( No.244 )

日時: 2012/04/02 11:37
名前: 獏良@PSP ◆w08v7t4OQ. (ID: tgCgkFth)

第四十七話【4番道路】


今日の朝、ライトは朝早く起きた。
・・・つもりだった。

しかし、もっと早く起きた奴がいた。
 「Lの奴・・・」
Lのテントが開いていたので、中に入ってみたが誰もいなかった。
代わりに一枚の紙切れが置いてあった。

それを広げると、文字が書いてあったので読んでみた。



ライト、ジークへ

ライト、昨日は嫌な事思い出させてごめんな。
ホントは口で謝りたかったんだけど、早く出発したかったから手紙を残していく事にした。

昨日は久々に楽しかったよ。
けど、次会った時は同じチャンピオンを目指す者同士、つまり敵だ。
もうこんな事はないと思え!
それと、次バトルする時は絶対負けないからな!
それじゃーな!



・・・まったく、良い奴だよ。
ライトは独りでに笑っていた。

手紙には続きがあったので読んでみた。



ジーク、あんまりよく話せなかったけど、お前ポケモンセンターらしいな。
ジョーイさんの助手でもしてるのか?
俺のポケモンが傷ついた時は回復してくれよ!
じゃあなー!


・・・どうしたらポケモンレンジャーとポケモンセンター聞き間違えんだ・・・。

また一人でニヤニヤしながら、手紙をしまった。



Re: *†Exact Light Sniper†* ( No.245 )

日時: 2012/04/02 11:39
名前: 神羅 ◆w08v7t4OQ. (ID: tgCgkFth)
参照: 獏良@PSPです!!!!!11

第四十七話 2


珍しくジークが早起きしたので、今日は早めの出発となった。
今朝のLの手紙を彼に見せると、彼は「回復なんて出来ないよ」とだけ言ってた。
なんか少し足りない気がしたが、まぁ良しとしよう。

こうして彼らは朝8時に出発した。
しかし、歩き始めてから1時間後、時々砂嵐が彼らを襲う様にった。
風が強くなってきた事も考えると、此処から先には砂漠があるのだろう。

歩き始めてから2時間後、道が二つに別れた。
そのまま真っ直ぐ進む道と、左に曲がる道だ。
左の看板には「この先リゾートデザート」
前の看板には「この先ライモンシティ」と書いてあった。

 「どっち行く」
 「前」
即答だった。
「?」まで言わせてくれ・・・。

しかし「リゾートデザート」って所にも行ってみたいな。

そう思って左を見ると、誰かが近付いてくるのが分かった。
 「お、誰か来るぞ?」
その者は結構長身だった。


それにしても4番道路でL以外の人を見るのは初めてだ。
ていうか、ヒウンシティはあんな過密してるのに、何で隣の此処はこんな過疎ってるんだ・・・。


そんな事を考えている内に、先ほど見えた人はもう目の前まで来ていた。



Re: *†Exact Light Sniper†* ( No.246 )

日時: 2012/04/02 11:41
名前: 神羅 ◆w08v7t4OQ. (ID: tgCgkFth)
参照: 獏良@PSPです!!!!!11

第四十七話 3


 「お前達、此処で何をしている?」
その者は男らしい口調で、高い声を出した。
どうやら女性のようだ。
赤い髪のポニーテールに前髪をターバンで止めている時点で予想はついていたが。
他には他地方の服装をしているところが特徴だった。

 「ただの旅人です。トレーナー修行の最中です」
さすがに初対面では敬語を使った。

しかし――――
 「最近此処で怪しい人達を見た。私はそいつらが必ず戻ってくると思い、此処で待っていた。そしたらお前達が来た」
 「はぁ・・・」
何が言いたいのか俺にはさっぱり。

 「つまり、お前達がそいつらの手先だという可能性があるという事だ」
 「はぁ・・・―――――はぁ!?」
思わず声が裏返った。

 「そんなの知るか!」
 「どちらにせよお前には私とバトルをしてもらう。トレーナーなら実力もそこそこあるはずだ」
 「・・・そういう事なら」
と言ってジークの方を見たら、彼は既に後ろに下がっていた。
道理で一言も声を発しないわけだ。

何にせよ、4番道路で2度目のポケモンバトルが出来る訳だ。

 「私はササラ=イッシュテール>>136。宜しく」

――――ん?
彼女の名前に何か突っかかった。
まぁ良いや、気にしない。



Re: *†Exact Light Sniper†* ( No.247 )

日時: 2012/04/02 11:57
名前: 神羅 ◆w08v7t4OQ. (ID: tgCgkFth)
参照: 獏良@PSPです!!!!!11

第四十七話 4


ルールは昨日のLとのバトルと同じ、勝ち抜け制バトルになった。

 「出番だぜ! ジャノビー!」
 「行け! エルフーン!」
両者が一斉にMBを投げた。

ライトはジャノビー、ササラは・・・
 「エルフーン?」
ジークにはさっぱり解らないポケモンだった。
綿毛で覆われた見た目からして、草タイプっぽかった。


 「エルフーン、暴風」
エルフーンは初っ端強力そうな技を出した。
 「フーン!」
天に一吠えしただけで、いくつかの雲がジャノビーを取り囲んだ。

 「ジャノビー、避けろ!」
ヤバいと直感したであろうライトが叫び、ジャノビーはそれに応じて雲の領域から脱出した。

直後、雲の下で大量の風が吹き荒れた。
これを喰らってたら一溜まりもなかっただろう。

 「中々遣るな。ジャノビー、叩きつける!」
ジャノビーはすぐさま地面を蹴り、全力で走った。
そしてエルフーンの目の前で宙返りし、尻尾を振るう。

 「エルフーン、避けろ」
しかし、エルフーンはそれを軽々しくかわした。

 「ジャノビーから逃れるなんて、あいつ速い!」
ライトが舌打ちした。

 「エルフーンより速く動くなど不可能だ」
ササラが言った。



Re: *†Exact Light Sniper†* ( No.248 )

日時: 2012/04/02 12:35
名前: 神羅 ◆w08v7t4OQ. (ID: tgCgkFth)
参照: 獏良@PSPです!!!!!11

第四十七話 5


 「なかなか遣るな。ジャノビー、連続で叩きつける!」
ジャノビーはエルフーンのそばまで来ると、再び尻尾を振るう。
しかし、それはことごとくかわされる。

 「そろそろ反撃といこうか。暴風」
エルフーンは一旦距離を取ると、また天に向かって吠えた。

複数の雲がジャノビーを包み、同時に強風を発した。
 「ジャノビー、避けろ!」

しかし、今度はジャノビーでも避けられなかった。
エルフーンにも学習能力はあらしく、先ほどよりも雲の数は増えていた。
押し寄せる風圧に圧倒され、暴風に巻き込まれたジャノビーは絶叫し、地面に叩きつけられたり上空に押し上げられたりし・・・。

やがて暴風が止まる頃には、ジャノビーは地面に伸びていた。
・・・一撃?


 「そんな! ジャノビー!」
ライトはジャノビーに駆けより、彼女をMBに入れた。

 「・・・お疲れ、エルフーン」
ササラもエルフーンをMBに戻した。

 「俺のジャノビーが一撃で遣られるなんて・・・。只者じゃねぇな、あいつ」
二人はそれぞれのポケモンの回収を終えると、別のMBを構えた。



Re: *†Exact Light Sniper†* ( No.250 )

日時: 2012/04/02 13:01
名前: 神羅 ◆w08v7t4OQ. (ID: tgCgkFth)

第四十八話 6


 「出番だぜ! ダンゴロ!」
 「頼んだ、シンボラー!」
両者は次にそれらのポケモンを出した。


 「一気に行くぞ! シンボラー、悪の波動!」
シンボラーの発した二本の邪悪な黒い槍は交差し、渦を巻きながらながらダンゴロを狙う。

 「ダンゴロ、かわしてロックブラスト!」
ダンゴロは横に転がってその攻撃の軌道から反れると、岩を5発発射した。

 「シンボラー、かわして悪の波動!」
しかし、シンボラーも相手にかわされる事を読んでいた様で、軽々とそれをかわした。
そしてそのまま悪の波動へと繋げた。

 「避けられた!? ダンゴロ、かわせ!」
しかし、ダンゴロの方はかわされるとは思っていなかったようで、黒い槍の形をしたビームをもろに喰らった。

 「くっ・・・! こいつ強い!」
 「どうした? このままでは負けてしまうぞ?」
 「・・・!!」
ライトの方が圧されている。
相性的にダンゴロの方が有利なのに。



Re: *†Exact Light Sniper†* ( No.251 )

日時: 2012/04/02 13:02
名前: 神羅 ◆w08v7t4OQ. (ID: tgCgkFth)

第四十八話 7


 「くそ! ダンゴロ、岩雪崩!」
ダンゴロはすぐに体勢を立て直すと、岩雪崩を繰り出した。
複数の岩が上空を舞い、シンボラーに落ちようとする。

 「自棄になって何も考えずに技を出したか。シンボラー、避けて悪の波動」
シンボラーは降り注ぐ岩の数々を避けると、ダンゴロの方を見た。
しかし、岩が落ちた時に発生した砂埃が邪魔で狙いが定まらない。
砂埃が晴れた時にすぐ発射しようとした。

やがて、砂埃が晴れ、シンボラーは標的に狙いを定めようとする。
しかし、それは目の前にいた。

 「ダンゴロ、ロックブラスト!」
ダンゴロはシンボラーの眼前で岩を5発撃った。
不意を撃たれたシンボラーは避けきれず、ロックブラストをもろに喰らった。

 「ほぉ」
 「よっしゃ、効果抜群だ! ・・・あれ?」
ライトは何かを見て急に固まった。

その視線の先にいるのはシンボラー・・・じゃない。

さっきまでカラフルな鳥だったそのポケモンは、小柄で黒い獣へと姿を変えていた。

 「ゾロアの特性、イリュージョンだ。手持ちのポケモン一匹の姿に化ける事ができる」
ササラが言った。



Re: *†Exact Light Sniper†* ( No.252 )

日時: 2012/04/02 13:05
名前: 神羅 ◆w08v7t4OQ. (ID: tgCgkFth)

第四十八話 8


 「なるほど。ゾロアなら聞いた事がある。去年の夏に公開した映画で大活躍してたな」
 「フン。何にせよ、お前のロックブラストはあまり効かなかったという事だ」
 「そうか。確かゾロアは悪タイプ・・・。岩じゃ普通の攻撃と変わんないな」
 「そう言う事だ。
――――さて、バトルを続行しよう。ゾロア、悪の波動!」
 「ダンゴロ、ロックブラストで迎撃しろ!」
ダンゴロとゾロアは一斉に技を出した。

ゾロアの波動はダンゴロの岩を一つ、また一つと砕き、やがて全て破壊した。

しかし、その先にダンゴロはいなかった。

 「なに!?」
 「残念だが先を読ませてもらった! ロックブラスト!」
ダンゴロはさっきまでいた場所より少し離れた場所から岩を5発発射した。

ゾロアはその岩を全て真正面から喰らい、暫くふらついてからその場に倒れて動かなくなった。

 「チッ、油断した。休めゾロア」
 「おっしゃー! よくやったぞダンゴロ!」
二人はそう言いながら二匹をMBに戻した。

これで何とか1:1。
次で勝者が決まるバトルとなった。



Re: *†Exact Light Sniper†* ( No.253 )

日時: 2012/04/02 13:06
名前: 神羅 ◆w08v7t4OQ. (ID: tgCgkFth)

第四十八話 9


 「最後はお前だ、ケンホロウ!」
 「頼んだ、シンボラー!」
二人はそれぞれ最後のポケモンを出した。

 「ササラがそいつを出すのは、ゾロアのイリュージョンのおかげで分かっていたが・・・ダンゴロがいないし、弱点は突けなかったな」
ライトが残念そうに言った。
 「どちらにせよ私のシンボラーは倒せない」
ササラが言った。


 「さぁ行くぞ! シンボラー、サイコキネシス!」
シンボラーがその瞳を光らせた直後、ケンホロウの脳内に激しい頭痛が起こった。
ケンホロウはたまらず地面に落下しそうになった。

 「ケンホロウ、ツバメ返し!」
ケンホロウは体が地面につきそうな瞬間、何とか痛みに耐えて上へ飛んだ。
そしてその勢いを殺さず、ツバメ返しへと繋げた。
シンボラーはそれを避けれず、懐に喰らった。

 「ほぉ、サイコキネシスに耐えたか」
 「まだまだぁ! ツバメ返し!」
ケンホロウはシンボラーへの攻撃を終えて真っ直ぐ進んだ後、Uターンしてもう一度同じ標的に向かって突き進んだ。

 「ツバメ返しは必中の技だったな。ならば反撃だ。冷凍ビーム!」
シンボラーは瞳を光らせて冷気の光線を放った。



Re: *†Exact Light Sniper†* ( No.255 )

日時: 2012/04/02 13:18
名前: 神羅 ◆w08v7t4OQ. (ID: tgCgkFth)

第四十七話


 「まずい! 攻撃中止!」
ケンホロウは何とか軌道を横にずらして冷凍ビームをかわしたが、その勢いは止まってしまった。

 「シンボラー、続けて冷凍ビーム」
シンボラーは再び冷凍ビームを放って追撃する。

 「一旦距離をとれ!」
ケンホロウは冷凍ビームをギリギリで避けると、そのままライトの方へ戻り、地面に足を降ろした。

 「ホー、ホー・・・!」
ケンホロウは今ので少し疲れたようだ。
 「ケンホロウ、羽休めで回復しろ」
そして翼を地面につけ、呼吸を落ち着かせた。

 「敵の前でよくそんな事堂々と出来るな。シンボラー、もう一度冷凍ビーム!」
シンボラーは隙を逃さず、容赦なく冷凍ビームを放ってくる。

しかし、距離が離れていたのでビームがケンホロウに届く前に、彼は既に回復を終えた。

 「よし、間に合う! ケンホロウ、電光石火!」
ケンホロウは翼を折り畳んだ途端、すぐにその場を去った。
そして、ツバメ返し以上のスピードでシンボラーに突っ込んでいった。
シンボラーは避けるのが間に合わず、再びケンホロウの攻撃をまともに喰らった。

シンボラーはそれがかなり効いたのか、その場で飛んだまま動かなくなった。



Re: *†Exact Light Sniper†* ( No.257 )

日時: 2012/04/02 13:17
名前: 神羅 ◆w08v7t4OQ. (ID: tgCgkFth)

第四十七話 11


 「シンボラー、どうした!?」
 「あれ、動かなくなったぞ? なら今がチャンスだ!」
恐らくケンホロウの嘴がシンボラーのツボを突き、一時的に麻痺させた様だ。
だが、それもほんの一時的だろう。

 「ケンホロウ! ツバメ返し!」
ケンホロウは一度距離をとり、そこからシンボラーめがけて突っ込んでいった。

 「・・・だが、技だけなら出せる。シンボラー、サイコキネシス!」
シンボラーは最後の力を振り絞り目を光らせ、ケンホロウに向けて強烈な念力を放った。

直後、ケンホロウの脳内にさっきよりも激しい頭痛が起こった。
しかし、ケンホロウはそれをどうにか耐えた。
そして、そのまま直進してシンボラーに思いっ切りぶつかった。

 「ポーラ!?」
シンボラーは悲鳴を上げながら地面に落下すると、そのまま動かなくなった。

ケンホロウもライトの元へ戻ると、体をよろめかせた。
どうやらさっきのサイコキネシスが効いたらしく、ダメージが大きかったようだ。
体力は僅かだったが、それでも耐えた。

 「お疲れ、ケンホロウ!」
ライトはそう言いながらケンホロウをMBに戻した。

この勝負は、ライトの勝利で終わった。



Re: *†Exact Light Sniper†* ( No.258 )

日時: 2012/04/02 13:22
名前: 神羅 ◆w08v7t4OQ. (ID: tgCgkFth)

第四十七話 12


 「ダンゴロ、進化だ!」
ジークとササラはその場で硬直した。
突然ダンゴロを出したかと思えば、「進化だ」などという滅茶苦茶な指示を出したライト。
彼の考えは理解できないとばかりに、ジークは呆れた目で彼を見ていた。

ササラも、ダンゴロ自信も呆れたような表情をしていた。

 「くっそー、何でこいつ進化しないんだ?」
 「どうしたの?」
 「いや、同じ時期に捕まえたマメパトがもう最終進化系なのに、ダンゴロはまだこの姿なんだ。おかしいと思わないか?」

イッシュ地方のポケモンについてはよく解らないが、進化の石や通信交換後に進化するポケモンもいる。
だからそれをすれば進化できるかもしれないが。

・・・と言おうとした時、丁度ササラがこちらに歩み寄ってきた。
 「ダンゴロが進化しない理由で有名なのが一つある。もしかしたらこのダンゴロも・・・」
そう言って彼女はダンゴロの体を手辺り次第に探り始めた。

 「・・・!」
急に何かを見つけた様な驚いた表情をした彼女は、ダンゴロの体についているあるモノを引っ張った。

 「おいおい、大丈夫なのか?」
ライトが心配そうに言う。


ゴトッ!


暫くして鈍い音がした。



Re: *†Exact Light Sniper†* ( No.259 )

日時: 2012/04/02 13:24
名前: 神羅 ◆w08v7t4OQ. (ID: tgCgkFth)

第四十七話 13


 「原因はこれだ」
彼女の手には小さな石が収められていた。

 「それは、変わらずの石?」
僕が言うと、ササラは頷いた。

 「ダンゴロは普段、岩山や洞窟に生息しているため、この様に知らない内に石が体に付着している事がある。それらは手で取るとすぐ外れるんだが、普段のバトルなんかじゃなかなか取れないらしい。
そして、今回ダンゴロが身につけていた変わらずの石にはポケモンの進化を妨げる効果がある。
その証拠に・・・」

ササラの視線の先にはダンゴロがいた。
その体は白い光に包まれているが。

 「これはまさか・・・!」
 「そうだ」
そのポケモンは徐々に姿形を変え、やがて以前までとは違う姿へと変化した。

 「進化したあああああ!!!」
ライトはその場でダンゴロの進化形態を持ち上げながら狂喜した。
 「ガントルって言うのか!」
図鑑でそのポケモンを調べ終えたライトが言った。

 「これでダンゴロは町に待った進化を遂げる事が出来た。良かったな、ライト」
ササラが言うと、ライトは大きく頷いた。
ガントルも笑顔で頷いた。


・・・が、ジークは警戒する様な表情でササラを睨んでいた。


この女・・・おかしい。



Re: *†Exact Light Sniper†* ( No.260 )

日時: 2012/04/02 13:34
名前: 神羅 ◆w08v7t4OQ. (ID: tgCgkFth)

第四十七章 14


 「ちょっと良いですか?」
急にジークが真顔になった。
 「どうした?」
ライトが聞いてもジークは答えない。
 「何だ? 言ってみろ」
ササラが言った。

 「何で貴方はライトの名前を知ってるんですか? 彼はまだ名乗っていない筈」
ジークに言われ、ライトも初めて気づいた。
 「確かにまだ名乗ってないのに。何で知ってるんだ?」

すると、ササラは一度ため息をついた。
 「何だ、そんな事か。お前達警戒しすぎだ」

そして少し躊躇ってから彼女は口を開いた。
 「君はイグザクト・ライト・スナイパーのライト・イグザークだろう? 全ては息子から聞いた」

・・・息子?
 「ナムの事だ、知ってるだろう?」
 「・・・え? 知ってるけど・・・。まさかナムの母上様?」
ライトが聞くと、彼女は頷いた。

 「ていうか、私の名字を聞いた時点で気付け」
そして、読者も思ったであろう事を口にした。

確かに、今考えれば、イッシュテールという名字には聞き覚えがあった。
そういえばナムは、「母さんは考古学者でイッシュ地方を周ってる」って言ってたな。

 「何だ、じゃあ俺を知ってたのかよ。何で俺らを怪しんだんだ?」
 「ただお前の腕を見込んでバトルがしたかっただけだ。単刀直入にバトルしてくれ、なんて言うと此方が逆に怪しまれるかと思ってな。怪しい人影を見たのは事実だったから、それを利用させてもらった」
 「べ、別に単刀直入に言われても怪しまねぇよ、ナムの母上様なら」
ジークは「いきなりタメ口・・・」と呆れた目でライトを見ていた。


 「あの・・・何の話ですか? イグz・・・とか、ナムとか」
ジークが言った。


Re: *†Exact Light Sniper†*リメイクしたww ( No.261 )

日時: 2012/04/02 19:47
名前: 獏良 ◆DEATH5bqNs (ID: tgCgkFth)

第四十七話 15


 
 「あぁ、ナムってのはサンヨウシティにいる俺の友達だ。ポケモンバトルしたんだが、滅茶苦茶強かった」
 「あの子も成長したんだな・・・」
ジークは「ふ~ん」と頷いていた。

 「んで、イグザクトってのは・・・・・・・・」
そこまで口にし、ライトは言葉を詰まらせた。
 「何処から説明すれば良いんだろ?」
ライトが悩んでいると、ササラが助け舟を出してくれた。

 「イグザクトというのはイグザクト・ライト・スナイパーの略称。それは、大昔イッシュ地方に存在していたある種族のことだ。その種族の血は代々受け継がれ、今でも存在している。彼もその一人と言う訳だ」
こんな難しい説明を、ササラはペラペラと口に出した。
 「ライトが・・・その種族・・・。んで、そのイグザクトってのに特徴はあるの?」
 「ポケモンとテレパシーを通じて会話が出来たり、会話中は瞳が光ったりする。今解っているのはそのくらいのことだが、イグザクトの力は未知数だ。まだ解らないこともたくさんある。ちなみに私は今、それを研究している」
 「なるほど・・・・確かにそれだけじゃ、まだ解らないことが多いですね」
ジークは頷き、納得した。
本当に納得しているのかどうかは別だが。

 「いや、待て・・・。もしかして君・・・」
ササラはジークの方を見て、急に顔を顰めた。
 「何か?」
 「・・・いや、何でもない」
 「「?」」
ライトとジークは頭にクエスチョンマークを浮かべていた。

 「―――さて、時間を無駄にしてしまった」
無駄って・・・どういう意味だ!
それは敢えて口に出さなかった。

 「私はこれからヒウンシティに向かい、ナムと合流するつもりなんだ。お前達も来るか?」
 「え!? ナム来るの!?」
 「あぁ。この前、ついでにバッジを集めると言っていた。今は2つあるらしい」

2つ・・・ってことは、シッポウジムとサンヨウジムを制覇したのか。
やっぱつえーなナムは。
また会いてーな~・・・。

――――でも。

 「俺は良いや、このまま先に進む。あいつとはまだ何処かで会えるだろうし」
そう言ってしまった。
いや、これで正しいのだろう、きっと。
 「・・・そうか。ならせめて会ったことだけ報告しよう」
 「解った」

話がついたところで、ササラは出発の準備をした。
 「またいつか会える日を楽しみにしているよ。では、さらばだ」
 「さようなら」
 「また・・・」

こうして、ササラは今俺達が来た道を歩いて行った。
彼女は後姿のまま手を振っていた。

ライトとジークも手を振り返したけど、後ろを向いてる相手には見えていなかった。

そして、彼らも4番道路を再び歩き続けた。
そろそろライモンシティに着く頃だろう。

 「それにしても、まさか旅の途中ナムの母親と会うなんて・・・。何だかセンチメンタリズムな運命を感じるよ」
 「その言葉、意味解って言ってる?」
ライトの呟きにジークが珍しくツッコんだ。
 「いや、ワカンネ」
ライトは適当に応えておいた。





Re: *†Exact Light Sniper†*リメイクしたww ( No.229 )

日時: 2012/04/01 21:22
名前: 獏良 ◆DEATH5bqNs (ID: scJnMcxG)

番外編1【俺の知らない物語】


――――いつも通りのある日の事。
今日は六時間授業で、学校を出る事には辺りは赤く染まっていた。
そしてその下校中――――。


 「―――――あー畜生! 女って本当にめんどくせーなー!
ちょっとした事ですぐキレるしさー、勝手な被害妄想作って人を悪役にするしさー、パンツ見られたくらいで先生にチクるしさー」
 「なっ・・・! そんなことないって!」
 「いやあるよありますあります。
ほら、今もちょっとした事でキレた。
おまけに今日の朝、俺はお前のせいでとんでもない目にあったんだぁー!
なぁ、ライト?」
 「・・・ま、そうだな」
ライトは渋々頷いた。

 「もー、ライトまでー!」
 「だからお前が悪いんだって。何で教室で堂々と着替えてんだよ、って話」
 「むー・・・こ、このー・・・! Lなんて嫌い!!」
エレナはLを睨みつける。
 「そんな顔したって無駄無駄! 今日会った出来事は変えられねーよ!」


―――――今日何があったかと言うと・・・。
朝早く登校してきたLが、彼よりも早く登校し、教室で着替え中のエレナを見てしまったのだ。
しかし、女子は普通女子更衣室で着替えるものだ。

エレナは朝早く来て教室に誰もいなかったから、体操服に着替えようとしたのだと言う。
そこへLが来てしまっただけなのだ。
それをエレナは自分が悪くない様な形で先生にチクり、Lが悪役にされてしまったのだ・・・。


 「全く迷惑な話だぜー、お前が更衣室で着替えりゃ良い話なのに。
そもそも、パンツ見られたぐらいで怒る事すらおかしいと思わないか、ライト?」
その質問に、ライトは戸惑う。
 「い・・・いや、それはさすがに・・・」


 「解ったわよー! 今この場でパンツ見せれば、納得するんでしょ!」
突然エレナが立ち止まって言った。

 「えええっ!?」
2人も立ち止まった。
ライトは思わず顔を赤くしたが・・・
 「おっ? 良いねー。遣れるもんなら遣ってみな!」
Lは楽しんでいる様だ。
単に彼女のパンツが見たいだけなのか、それともそれが出来ないと確信しているのかは不明。
どちらにしても第三者の視点からすれば、ただの変態だ。


エレナはミニスカートの裾を掴み、その場で固まった。
 「別にパンツくらいどうって事・・・・・・」
彼女の顔が段々と赤くなっていく。
 「ほぉー。どうした? 何とかしてみろや!」
Lがケラケラと茶化す。

 「おいー、もう好い加減辞めた方が・・・」
ライトがそれを止めようとする。

 「・・・そだね。俺が悪かったよ、エレ――――」
Lがそう言いかけた途端―――

―――エレナはその握った拳を上に上げた。

 「―――ナ・・・・・・」
Lが言い終えた頃にはもう遅かった。

 「バッカヤロオオォォォォォウ!!」
ライトが叫んだ。

メンテ
Re: *†Exact Light Sniper†*リメイクしたww ( No.230 )

日時: 2012/04/02 11:30
名前: 獏良 ◆DEATH5bqNs (ID: tgCgkFth)

番外編1【俺の知らない物語】2


―――俺はエル・アース。
皆からはLと呼ばれている。
―――いや、書かれている。
小学3年生だ。

クラスの人全員とは普通に喋れる関係なのだが、ライトとエレナはその人達より親しい関係だ。
ただ・・・2人は俺以外に他に話せる人がいない。
俺はそういう人を見ると放ってはおけない性格だし、2人ともカノコタウンの同じ地域に住んでて、俺と家も近いため、いつしか彼らに話し掛けた。
まずライトと仲良くなり、次にエレナと仲良くなった。
そうすると俺を通して、ライトとエレナも親しい関係となった。


そして、そのエレナ・セラヴィーは今、俺の目の前を不機嫌そうに歩いている。


栗色の短い髪の右側には、クラボの実の様な形をした髪飾りをつけて髪を結んでいる。
いつも夏場は半袖にミニスカートで、冬場はお気に入りのセーターを着ている。
身長は俺と同じくらいで、130cmぐらいかな。
金色の瞳はライトとお揃いだった。

お人好しで負けず嫌い。
おまけに泣き虫な所もあるが、性格的に可愛げのある子だ。
ツンデレってのに近いかな。




 「―――エレナ、ごめん。ほんとに悪かったから、泣かないでくれよ」
エレナは顔を真っ赤にし、俯きながら黙って歩き続ける。
更には先程の事で泣き出してしまったのだ。

 「エレナー、頼むから俺の話聞いて! さっきのは嘘だし、悪いのは俺だからさー」
両手を合わせて頭を下げながら歩くのは正直辛い。
俺の謝罪の仕方に吹いたのか、ライトがそっぽを向いた。
今はどうでもいいんだけど。

ふと、エレナが足を止めた。
唐突すぎて彼女の背中にぶつかりそうになった。
 「・・・どうした?」
彼女の視線の先にあるのは――――

 「―――ポケモン?」
目を凝らしてよく見てみると、草むらの中に何かがいる。
 「チラ~♪」
そのポケモンは楽しそうに草むらの中を泳いでいた。

 「・・・あれ捕まえてくれたら許す」
 「はぁ!?」
驚いたのは俺じゃなくてライト。
 「ポケモンを素手で捕まえるなんてさすがにm―――」
 「―――うおおおおおおおおおおお!!」
ライトが言い掛けた時、俺は急に叫んだ。
何故か知らないが無性に叫びたくなったから。
 「任せろおぉぉおおぉぉぉぉ!!」
急にこんなに気が高ぶったのは、エレナと仲直りできるきっかけが出来たからかもしれない。

ライトが言い終わる前に背負っていたランドセルを放り投げて草むらに飛び込んだ。

 「―――よし、捕まえた! ・・・っていてて!」
捕まえたと思ったら反撃され、また追い掛けて――――の繰り返しが暫く続いた。

 「おいおい・・・やばくないか・・・」
ライトがそわそわしながら言った。
エレナも少し心配そうだった。


 「―――今度こそ捕まえたぞコイツ!」
約15分の死闘の末、俺は何とか野生のポケモンに懐かれ、このチラーミィを抱く事が出来た。

本当に捕まえてくるとは思ってもいなかったのか、俺がエレナの前にそれを差し出すと、彼女は驚いていた。
 「ほら、抱いてみろよ」
 「・・・・・・傷だらけになっちゃって・・・馬鹿ね」
これだけ戦わせておいて馬鹿ねって酷いなおい。
言おうとしたが、敢えて黙っておいた。

 「・・・・・・ありがとう・・・。
――――じゃなくて許す」
素直じゃねぇなー。
けどこーゆー所もまた可愛い。

俺はライトと顔を見合わせ、ニコッと笑った。
ライトも微笑み返した。

メンテ
Re: *†Exact Light Sniper†*リメイクしたww ( No.231 )

日時: 2011/10/24 00:35
名前: 獏良 ◆DEATH5bqNs (ID: pr9uh8nU)

番外編1【俺の知らない物語】3


チラーミィと一緒にいる間、エレナはご機嫌良さそうだった。
急に笑顔になっちゃって・・・。
人の苦労も知らずに。
ただ、そんな彼女の笑顔を見ているとこっちまで笑いそうになってしまう。

 「・・・どうしたの? そんなニヤニヤして・・・」
不意にエレナが此方を向き、訊いてきた。
 「い、いや、何でも」
 「・・・ふーん。変なの」
そしてまた前を向いた。


 「・・・今日、ごめんね。私が悪かった・・・・・・・かも」
エレナが前を向きながら言った。
今になって謝られても・・・もうどうでも良い事だし。
 「別に良いよ」
取り敢えず適当に答えておいた。


俺とライトは色々と心配だったので、エレナの家の前までついていく事にした。

エレナは結局、チラーミィを家の前まで持ち帰り、そこで別れた。
 「元気でねー!」
チラーミィの姿が見えなくなるまで手を振っていた。


 「・・・じゃあね、ライト、L」
そして今度は此方に向かって手を振ってきた。

 「あぁ、また明日」
 「じゃあな!」
2人も手を振り、今来たばかりの道を少し引き返した。


 「じゃあな、ライト。また明日」
 「おう、またな」
ライトと別れる道も来たので、俺は再び手を振った。



―――とまぁ、こんな感じの日々を送っていた。

しかし、あの夏休み、事は起きた―――。


Re: *†Exact Light Sniper†* ( No.233 )

日時: 2011/10/24 15:19
名前: 獏良@PSP ◆w08v7t4OQ. (ID: pr9uh8nU)

番外編1-4


今日は7月19日。
エレナは昨日のことなど忘れ、今日は一日笑顔でいた。
理由は二つある。

一つは、その事に関して俺と和解したこと。

もう一つは、明日から夏休みだからだ。

 「センセー、宿題多くないっすかー?」
担任の先生が夏休みの宿題を配り終えたとき、俺が言った。

 「いつも通りですが何か?」
先生は顔をニヤニヤさせながら言った。
絶対いつも通りじゃねぇ・・・。

 「良いから黙りなさい、変態L」
学級委員の女子に言われ、顔を赤らめた。

俺と先生を除くクラスの全員が一斉に笑った。


昨日の事件の事は、エレナとは話がついても、みんなの記憶から抹消された訳ではなかった・・・。
昨日から「変態L」などと呼ばれ続けていた。



 「あーもうお前のせいで変態呼ばわりされちまったじゃねーかー」
その日の帰り道はまだ明るかった。
3人でいつものように下校しているところだ。

 「おいおい、もうその事は忘れろよ・・・」
ライトはそう言うが、
 「忘れたくてもクラス全員のせいで忘れられない」

 「だってあれ・・・悪いのLだし・・・」
エレナが小さな声で言った。

まだ俺を悪役に仕立てる気か!

メンテ
Re: *†Exact Light Sniper†* ( No.234 )

日時: 2011/10/25 07:44
名前: 獏良@PSP ◆w08v7t4OQ. (ID: LcEarGOE)

番外編1-5


 「あーもうやめやめっ!! いつまでも過去の事でもめるな!
未来の話をしろ!」
俺が反論しようとしたところでライトが声を張り上げた。

 「せっかく明日から夏休みなんだしさ、何処か行こうぜ!」
 「良いねそれ! 賛成!」
おまけに話を変えられたが、まぁこれで良かったのかも。

 「夏と言えば海だな」
俺が言うと、
 「あたし海めっちゃ好き!」
と、エレナがはしゃいだ。


 「じゃ、2週間後行こうぜ。すぐにじゃまだ準備が間に合わない」
2人は同意してくれた。




その日が来るのは早かった。
朝早くカノコタウンを出発し、17番水道の浜辺に向かった。
バスで1時間くらいかかった。

彼らの親は心配していたが、みんな都合が悪い事のようなので、3人だけで行く事になった。
俺達は子供だけで行く事に不安だったが、「3人いれば何とかなる」と自分に言い聞かせ、不安を押し殺した。

俺にはケータイがあったので何か起きたとしても心配はない。


・・・筈だった。
まさか2人があんな事になるなんて想像もしてなかった。



・・・午前10時。
俺達は18番水道の浜辺についた。
そこにいる人は少なかった。

メンテ
Re: *†Exact Light Sniper†* ( No.235 )

日時: 2011/10/24 17:11
名前: 良@PSP ◆w08v7t4OQ. (ID: pr9uh8nU)

番外編1-6


カラクサタウンやサンヨウシティからも人々は来るので混んでいると思ったのだが、
朝早く出発して来たせいか数えきれる程しかいない。
こちらにとってはありがたい限りだ。

 「おーい速くぅー!」
朝から一番にはしゃいでいるエレナは俺達の先を行き、離れた所で振り返り手を降った。

 「あいつ何であんな張り切ってんだ・・・?」
 「よほど楽しみにしてたんだろ」
俺とライトは駆け足で彼女に寄る。


 「柔らかい砂だな」
浜辺の中心付近にまで来ると、ライトが地面に触れた。
その辺一帯が砂で覆い尽くされていた。
確かにそれは柔らかい。

 「2人とも遅いー!」
先ほどから浮かれすぎているエレナに、俺達は笑った。

 「じゃ、俺はホテル予約してくる。先泳いでて良いよ」
そう言って俺はその場を後にした。
一応荷物を置く場所と飯には、すぐ近くのホテルを選んだ。
てか、こんな事をしていると時々自分が本当に小学生なのか疑わしくなってくる。


俺が浜辺に戻ると、2人は既に水着姿で海を泳いでいた。
 「水着は既に着てるから、上を脱げば良いだけだ」
などと独り言のように呟くと、上着を脱いでから彼らの方に走っていった。

メンテ
Re: *†Exact Light Sniper†* ( No.236 )

日時: 2011/10/24 18:11
名前: 獏良@PSP ◆w08v7t4OQ. (ID: pr9uh8nU)

番外編1-7


その瞬間は今までで一番に楽しかったかもしれない。

 「エレナの奴、運動神経だけは良いな」
 「ほんと泳ぐの速いな」
俺とライトは感心してそんな事を呟いた。
確かに彼女を泳ぎで追い越すのはなかなか難しかった。


そしていつの間にか昼。
人の数も今朝より増えていた。
 「そろそろ飯にしないか?」
俺の提案に2人は賛成した。

ホテルで飯を食った後も、俺達は遊びまくり、たまには浜辺で雑談したりした。



 「ちょっとトイレ行ってくる」
雑談の途中、エレナが席を外した。

 「なぁ、エレナって彼氏いるらしいぞ」
ライトが突然言った。
 「あくまで噂なんだけどさ。誰だろ」
 「・・・俺は知ってるぞ。知りたい?」
 「うん」
 「お前だよライト! あくまで噂だけどな」




あんな事やそんな事をしている内に、もう午後4時になった。
辺りは赤く染まっていて、人の数は今朝と同じくらいになった。

そろそろ帰ろうという話になり、みんな私服に着替えた。

いやー楽しかったなー。
などと思いながらホテルで帰る準備をしていると、既に準備を終えたライトとエレナが「下で待ってるね」と言い、部屋を出てしまった。

メンテ
Re: *†Exact Light Sniper†* ( No.237 )

日時: 2011/10/24 20:24
名前: 獏良@PSP ◆w08v7t4OQ. (ID: pr9uh8nU)

番外編1-8


ライト達が外に出ると、そこはもう既に暗くなっていた。
さっきまではあんなに明るかったのに。

2人はLが来るまで、コンクリートのある段差に座って待つ事にした。


今なら聞ける・・・あの事。
ライトは何かを決心した。




数時間前・・・。
 「・・・お前だよライト! あくまで噂だけどな」
 「な、何で俺なんだよ! って、冷静に考えてみりゃ、あいつが俺ら以外の男子と話してるところなんて見た事ないな」
 「・・・もうお前告っちまえよ」
 「はぁ!? 何で俺が!」
 「だってお前、絶対あいつの事好きだろ? ほら、今も顔赤い」
 「お前人をからかうのもいい加減にしろ!!」

間もなくして、エレナが戻ってきた・・・。




そして現在。
 「なぁ、エレナ」
 「ん?」
ライトは一瞬迷ってから聞いた。
 「好きな人いる?」
 「・・・ふぇ?」
唐突な質問に、彼女も一瞬迷う。

 「・・・あぁ、好きな人? そんな事言われたって、あたしライトとL以外に話せる男子いないし・・・」
エレナの顔は少し赤かった。

「好きな人いる?」って聞いたのに答え方が違う。
焦ってる証拠だ。
どうやらいるらしい。

メンテ
Re: *†Exact Light Sniper†* ( No.238 )

日時: 2011/10/25 20:50
名前: 獏良@PSP ◆w08v7t4OQ. (ID: LcEarGOE)

番外編1-9


 「お前ら俺がいない間、何ラブラブになってんだよ」
2人の顔が赤くなっているのを見て言った。

 「「うわっ!」」
2人は俺の存在に気付いていなかったらしく、かなり驚いた。

 「そ、そんなんじゃねーよ!」
2人は必死で否定した。
 「ほんとかよー。案外2人が付き合ってるって噂は本当なのかもな」
 「「違ーう!」」
彼らは声を揃えて言った。

もっとからかおうと思ったが、疲れのせいか面倒だったので辞めた。
 「ま、そんなことよりさ、もう少し此処にいようぜ」
 「まだいるの? もう泳がないよあたしは」
おまけに辺りは暗い。
しかし、だからこそ残りたいのだ。

 「浜辺に用はない。此処で星を見よう」
2人は空を見上げると、驚いた表情をした。

真っ暗な夜空で輝く星の一つ一つが、くっきりと見える。
こんな光景は見た事なかった。
2人は同意してくれた。


 「あれってアルタイルだよな?」
 「んじゃ、近くにベガもあるはず」
 「見て! 夏の大三角! オリヒメ様もいるよ!」
 「あれ、ヒトボシ様は?」
 「これじゃ独りぼっちだな」
3人の笑い声が夜の静寂を突き破るように響いた。

メンテ
Re: *†Exact Light Sniper†* ( No.239 )

日時: 2011/10/25 16:29
名前: 獏良@PSP ◆w08v7t4OQ. (ID: LcEarGOE)

番外編1-10


俺達が帰ろうとしたのは7時だった。
が・・・
 「やべ! サイフ忘れた!」
 「マジかよ。速く取ってこい」
ライトに言われ、俺はホテルへ向かった。
またライトとエレナを二人きりにしてしまった。

しかし、これが悲劇の始まりだったと気付くのはもう少し先の話だ。


 「おーい! ライトー? エレナー?」
俺が5分くらい後に戻ってくると、二人はいなかった。
しかし、荷物は置いたままだ。
なので、最初は驚かそうとでもしているのかと思った。

しかし、さすがに15分以上彼らの名を呼び続けても出てこないのは、何かあったに違いないと思った。
そう思って警察に連絡をしようと携帯に手を伸ばした時・・・。

ピカッ!!

海の向こうで何かが青く光った。
 「まさか・・・!」
とは思ったが、俺はあそこに二人はいると直感した。
持ち前の懐かれ能力で海に浮かんでいたママンボウと仲良くなり、何とか彼女にその島まで連れていってもらった。

その島は遠くからだと暗くてよく見えなかったが、岩で囲まれていた。
しかし、その辺の海を知り尽くしていたママンボウは数々の海流に乗ったり降りたりし、俺をその島まで連れていってくれた

メンテ
Re: *†Exact Light Sniper†* ( No.240 )

日時: 2011/10/25 16:56
名前: 獏良@PSP ◆w08v7t4OQ. (ID: LcEarGOE)

番外編1-11


此処に来るまでに15分はかかった。
その島は丘陵地帯だった。
無人島っぽいが家が一軒だけ立っているのが見えた。
そして2つの人影も・・・。

浜辺に出ると、俺はすぐに目の前にあった階段上がった。


そこで見た光景は今でも思い出したくなかった。

 「Lー!!」
まず、近くにいたエレナが俺に気付き、抱きついてきた。
俺も何とか両手で彼女を支えた。
やはり彼らはこの島にいた。

エレナの体は震え、右頬には殴られた様な跡があり、目は泣いていた。
口の中を切ったのか、そこから血が出ていた。


しかし、こんなのまだ序の口だった。
 「ライトが・・・!」
エレナの泣き声を聞き、丘陵地帯を見すと・・・。


全身血塗れで、倒れ込んでいる小6くらいの男達が10人くらい倒れていて・・・


この時点でライト達は誘拐されたのかと思った。
しかし、そうじゃなさそうだった。
そうなのかもしれないけど・・・。


彼らの中心には、同じく血塗れのライトが立っていた。
彼は指についた血をなめていた。

そして更に、その彼の瞳は金色に輝いていた。
まるで、野獣の様な目つきだった・・・。

メンテ
Re: *†Exact Light Sniper†* ( No.241 )

日時: 2012/04/02 11:34
名前: 獏良@PSP ◆w08v7t4OQ. (ID: tgCgkFth)

番外編1-12


ポン!

突然、奥の家の方から電子音が響いた。
これはモンスターボールからポケモンが出てくる音だ。

そして、赤い閃光と共に出てきたのは、浜辺で見た青い光の正体だった。

その輝きに、ライトは目を向けた。
そして、それに吸い込まれる様に近付いていった。

しかし、数秒後、青い光は赤い閃光と化し、消滅した。
それが消えると同時に、ライトはバタリと倒れた。

俺が彼を救出しに行こうとすると、エレナは俺を止めた。
 「駄目! 行かないで!」
 「何でだよ! 友達を見捨てる気か!?」
 「あんなの友達じゃない!!」

・・・え?

エレナの目は本気だった。
 「お願い・・・・行かないで・・・・!」
エレナは俺の腕を力強く抱きしめた。

ふと暗闇の中、家の方で緑色の何かが揺らめいた様な気がした。
気にも止めなかったが。


それから先の事はあまりよく覚えてない。
親が警察に怒られてた事、大勢の島にいた人達が救急車に運ばれたこと。
その日を最後に二人が二度と口を利かなくなった事ぐらいしか記憶にない。

二人の間に何が起きたのかは、彼ら自信喋ろうとしなかった。
彼らの中間にいる俺としては唐突すぎてついていけない状況だったが、すぐ慣れた。

しかし、偶に悲しくて泣きそうになった。