Re: *†Exact Light Sniper†* ( No.324 )
日時: 2012/04/03 19:43
名前: 神羅 ◆w08v7t4OQ. (ID: zp3ANUt9)
参照: 獏良@PSP
第五十二話【激戦強敵ポケモンレンジャー ライトvsジーク】
「今日の朝飯、まずい」
今日の朝飯は卵ご飯、味噌汁、豆腐などなど・・・。
ポケモンセンターで用意してくれた割りと豪華なレシピだ。
「これのどこがまずいんだよ。残さず食いな」
せっかく用意してくれたんだから食わなきゃ申し訳ない。
しかし・・・
「さぁ、今日はバトルすんぞ」
「ヤダ」
と一足早く食い終えたライトが言うと、ものすごい形相で睨まれた。
こんな返信が来ることは予想していたが。
「なぁー、頼むよバトル! 俺明日でライモンシティ出る予定なんだ」
「僕も明日でブラックシティ行く予定」
「なら尚更!」
「良いかい? 朝飯は一日のエネルギーの源なんだ。
その朝飯で満足出来なかったのなら仕方ないだろう?」
朝飯は一日のエネルギーの源ではあるがテンションの源ではない。
「ワケ解らんこと言うな! いいからやろ?」
「・・・昼飯次第」
そう言うと、ジークは朝飯を残したまま、機嫌悪そうにその場を去ってしまった。
・・・そんなにまずかったか?
ここまで機嫌悪そうなジークは初めてだ。
今までで一番機嫌が悪いということは、今日はライトにとって一番運が悪い日なのだろうか。
ライトはジークの残した菠薐草を箸でつまんで口に運んでみた。
「・・・うまい」
Re: *†Exact Light Sniper†* ( No.325 )
日時: 2012/04/03 19:46
名前: 神羅 ◆w08v7t4OQ. (ID: zp3ANUt9)
参照: 獏良@PSP
第五十二話 2
「昼飯、麺類じゃないね」
今日の昼飯はカツ丼。
なんで今日に限ってこんなに豪華な昼飯なんだ!
嬉しくねぇぞ・・・この野郎・・・!
ライトは若干涙目になりながら、昼飯担当の職員を恨んだ。
昼食を終えた後、ライトは恐る恐るジークに聞いた。
「あのぉー、ジーク君? どうせ午後暇だろ? ちょっくらバトルしないかい?」
後ろから話しかけると、彼は赤い瞳を光らせてこちらを振り向いた。
「イグザクトの力が解放されたのか!?」と思って一瞬身震いしたが、そんなワケがない。
「・・・しつこいね、君は」
もしかして・・・とうとうキレたか?
「・・・そんなに僕とバトルしたいの?」
怒っているような口調に聞こえたそれは、ライトの思いこみだったようだ。
ただ呆れている口調だった。
「あぁ、頼むよ。明日で俺ら、もう会えなくなるかもしれないんだからさ、最後の記念にってことで! な?」
ライトが念を押し込むと、ジークはため息混じれに言った。
「しょうがないな。じゃあ2vs2なら良いよ」
2vs2・・・か。
これでは彼らの持ってる全てのポケモンを出すことは出来ないが・・・。
それでもバトルしてくれるだけありがたいと思うべきだ。
「よし! じゃあそれでいい」
「おk。それじゃあ早速、ポケセンのバトルルームに行こう」
Re: *†Exact Light Sniper†* ( No.330 )
日時: 2011/12/22 16:03
名前: 神羅 ◆w08v7t4OQ. (ID: pr9uh8nU)
参照: 獏良@PSP
326
おっと見逃してた
お久しぶりです!
ぜんぜん構いませんよ!
ガントルも頭いいので性格が夜○月に似てるんでしょうねw
血を流してまで戦い続けるジャノびーに拍手←
雄だったらとっくに戦闘不能になってたでしょうね
ライト君もずいぶんギリギリな旅をしていますよね
ジークの苛々の原因はもしかしたらその別れかもしれません
始めの方ニーアと二人で行動してたり、ダブルバトルしてたりなんだかんだで良いコンビだったのかもw
さすがにカルシウム不足とかいう単純なことではn(ry
Re: *†Exact Light Sniper†* ( No.331 )
日時: 2012/02/28 17:57
名前: 獏良 ◆DEATH5bqNs (ID: 3U5pLFcN)
参照: wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
第五十二話【激戦強敵ポケモンレンジャー ライトvsジーク】3
「出て来い、フカマル」
「行け、キバゴ!」
ライトはジークがフカマルを出すのを予想していた。
ライトが見てきた限りのバトルでは、彼はいつも一番目にフカマルを選んでいたのだ。
だからそいつの苦手なドラゴンタイプを持つキバゴを出した。
しかし、これはフカマルにとっても有利な状況にある。
どちらにとっても効果は抜群。
つまり、互角と言う事だ。
「キバゴ、とにかく相手の動きを読め。隙が出来たら一気に詰めろ。
あと、もしやられそうになったら・・・・相手も道ずれにしろ! とにかく相打ちを狙うんだ」
ライトがキバゴに言うと、キバゴは「キバッ!」と頷いた。
「さて、早速始めようか。キバゴ、逆鱗!」
「手短にね。フカマル、逆鱗!」
キバゴとフカマルは同じくらいの速さでスタートダッシュし、ぶつかり合った。
キバゴがフカマルの顔面に脚を喰らわすが、同時にフカマルの拳がキバゴの腹に当たる。
両者は格闘タイプではないのに格闘し、互いに強力な攻撃を受け合う。
「まさかあんなヒヨッコにフカマルがこうも足止めされるとは・・・」
「ヒヨッコ? お前のフカマルもヒヨッコだろ?」
「いや、違う」
ジークが言い終えた瞬間、何かが叩きつけられた様な、巨大な音が聞こえた。
その直後、フィールドから砂埃が巻き起こされる。
砂埃が晴れると、そこにはキバゴの上に乗っているフカマルの姿があった。
しかもその周りのフィールドはへこんでいて、クレーターの様な形になっていた。
「・・・嘘だろ? 何て力だ・・・」
「・・・ざっとこんなもんだよ。さぁ、速く次のポケモンを」
ライトは「ぐむぅ~」と呻きながらキバゴをMBに戻した。
「まずいな・・・。責めて相打ちにして終わりたかったんだが・・・・。もう俺にフカマルと相性がいいポケモンは・・・・いないからコイツだ! 行け、ジャノビー!」
次にライトが出したのはジャノビー。
もちろん相性が良い訳では無い。
ただ、ポケモンを信じる心にのみ頼ったまでの様だ。
「・・・速攻で片付ける。フカマル、逆鱗!」
早速フカマルの猛攻がジャノビーに襲い掛かる。
蹴り、殴り、頭突きが次々と飛んでくる。
が、ジャノビーはそれらを全てかわす。
「ジャノビー、リーフブレード!」
ジャノビーは隙を突いてその場で回転し、尻尾をフカマルにぶつけた。
フカマルは横に吹っ飛ばされ、壁にぶつかり止まる。
「・・・・中々遣る。フカマル、逆鱗」
壁にぶつかったフカマルが飛び出してくる―――!
と思ったその時。
フカマルの軌道が反れた。
ジャノビーとは全く違う方向に進み、その場で暴れ回って自分に攻撃した。
「・・・チッ・・・混乱か」
「そうだ、逆鱗は使いすぎると混乱するんだ。キバゴと同じだな。
今がチャンスだ! ジャノビー、もう一度リーフブレード!」
ジャノビーはフカマルに走り寄り、尻尾を振るった。
キバゴ同様防御力のないフカマルは呆気なく吹き飛ばされ、壁にぶつかって止まり、今度こそもう立ち上がらなかった。
「よし!」
「・・・戻れ、キバゴ、頑張ったね」
意外と優しい言葉かけるんだなジーク・・・・。
とライトは思った。
「出て来い、ポッタイシ」
ジークが次に出したのはポッタイシとかいうポケモン―――。
だが、いつしかジークが見せてくれたポケモンの中にこんなポケモンはいなかった。
・・・ということは・・・?
「これはこの前見せたポッチャマの進化形態。解るね?」
「解るね?」と聞かれても解らない。
そんなのとっくに忘れている。
しかし・・・
「お前ポケモン進化させてる時なんかあったっけ?」
「あぁ・・・。僕は君が夜寝ている間、毎晩3時間くらい修行に出てたからね」
「えぇ!?」
思わぬ言葉に声が裏返る。
「あっ・・・これ内緒だった・・・。まぁいっか、どうせ明日で別れるし」
3時間くらい修行してたって・・・。
通りで彼のポケモンが鈍らない訳だ。
おまけに彼がいつも眠そうにしているのはこれのせいかと話がつく。
「・・・・け、けど、ポッチャマは確か水タイプって言ってたな! ならそれも水タイプなんだろう? こっちが有利である事に変わりはない」
「・・・・・」
ジークは何も言わない。
「ジャノビー! グラスミキサー!」
ジャノビーはいち早く動き、ポッタイシに向けて尻尾を振るう。
―――――が
「ポッタイシ、かわして冷凍ビーム」
ポッタイシは身を屈めるだけでそれをかわした。
そして、ジャノビーは間近で冷凍ビームを喰らった。
「ジャノビー!」
ジャノビーはその場で凍りついた。
体中が氷で覆われて動けない状態だ。
「・・・まさか氷状態になるとはね」
「おい! ジャノビー! 動け!」
偶に氷がピクピク動く。
しかし、中のモノは出てこない。
「これで終わりだ。ポッタイシ、冷凍ビーム!!」
ポッタイシは十分に冷気を溜めている。
このままでは・・・まずい。
「くっそー! ジャノビー!! 氷を割れ! リーフストーム!!」
―――その瞬間、ジャノビーの氷が激しく揺らいだ。
そして、氷が割れた。
「何・・・?」
「良いぞ! ジャノビー!」
続いてジャノビーは素早く大量の草を纏い、ポッタイシの眼前で発射した。
―――しかし、同時にポッタイシも溜めていた冷気を一気に放射した。
「さすがにジャノビーのリーフストームを止めるのは・・・―――――――!?」
無理だ、続けようとしたのだが、言葉が詰まった。
ポッタイシの口から放射された冷気がリーフストームの草を次から次へと凍らせていく。
「ジャノッ!」
おまけに、ジャノビーもその氷に弾かれ、奥に吹き飛ばされた。
「留めだ!」
ポッタイシの冷凍ビームはまだ終わらない。
水色の冷気がジャノビーに迫っていく。
「ジャノビー、避けろ!」
そう叫んだが、遅かった。
ポッタイシの冷凍ビームをまともに喰らって地面に倒れ―――。
動かなくなった。
「この勝負、僕の勝ちだ」
ジークはポッタイシをMBに戻しながら言った。
「・・・そんな・・・・・・」
ライトは目の前が真っ暗になった。
――――バトルに負ける。
これは俺の旅の終了を意味している――――
ライトは、このバトルは必ず自分が勝つとばかり、心の何処かで思い込んでいたらしい。
その為、負けたショックは尋常ではなかった様だ。
――――・・・・俺の旅は終わったんだ―――――
Re: *†Exact Light Sniper†* ( No.340 )
日時: 2012/04/03 19:57
名前: 神羅 ◆w08v7t4OQ. (ID: zp3ANUt9)
第五十二話 3
ライトはまだ自分が信じられなかった。
―――――ナムとの戦い以来、一度も敗北など無かった俺が負けるなんて・・・――――
「そこまで落ち込む?」
ポケセンを出た所で、ジークが俺に話しかけてきた。
ライトは黙って俯きながら、彼に背中を向けていた。
「部屋戻ろうよ。何処行くの?」
「・・・家」
「・・・やっぱりか」
ライトは、ジークには自分が旅の中でバトルに負けたら旅を止める事を打ち明けていた。
「ごめん」
ジークは相変わらずの無表情で謝った。
謝罪の気持ちなんてほんとにあるのか。
まぁ、ライト自身はそんなの一切求めてないが。
「別に謝らなくていい。俺が負けるのが悪いんだから」
ライトはぶっきらぼうに言い放った。
「そうじゃない。バトル引き受けちゃってごめん」
「・・・・?」
「僕、ポケレンの中でも上級レンジャーだから。
申し訳ないけど、バトルの勝敗は遣る前から解っていたんだ。だから、毎回バトルを拒んでたんだ」
「・・・そうか。お前、俺をその程度のトレーナーだと見られてたのか」
怒りなどなかった。
ただ、今のライトに感情などほとんどない。
ジークは顔色一つ変える続ける。
「違う。自分に自信があったと言うのが正解だ」
ジークは続けて言う。
「僕はイッシュ地方に来る前に、四天王の一人を倒したことがある。もちろん、シンオウ地方にいる僕のポケモン達だけでね。此処にいるのは、僕が初めから育ててみたいと思ったポケモン達。四天王を破ったポケモンは一切ない。ただ、自分の才能と育て方だけが頼りの状態で、僕は彼らを育てるためにイッシュ地方へ来た」
四天王を破った少年と俺はバトルしていたのか・・・。
ライトは更に絶望的になった。
「前にも言ったかもしれないけど、僕の父はポケレン総司令官でさ。僕は幼い頃から訓練だのポケモンバトルだの遣らされてたんだ。つまり、君よりポケモンとの付き合いが長いってこと。申し訳ないけど、バトルなら君には負けないよ。
これはほんとに無謀な挑戦だったんだ。ジムバッチ4つのトレーナーがいきなり四天王に挑むような・・・いや、まさに言葉通りだよ。
・・・だから、さっきのバトルだけは例外で良いんじゃない? 君がジムバッチ4つでいきなり四天王に挑んで負けたとしても、同じことする?」
――――まぁ確かに、いきなり四天王にバトルを挑んで負けてしまうのは仕方ないかもしれないが・・・。
・・・ライトは悔しかった。同じ年代の子にこうもあっさり負けてしまうなんて。
例え相手が、ライトよりもバトル経験が多い少年だとしても認めたくない。
この様な劣感がライトの心を覆い尽くした。
「悪いけど・・・俺の誓いは固いんだ。挑んでしまった俺のミスが悪い。負けは負け。旅は終了だ」
正直、旅を辞めるのは嫌だ。
が、一度決めたことを曲げてしまうのはもっと嫌だ。
ライトはそう思った。
「君のポケモン達は旅が終わることを望んでいるの?」
「こいつらだってバトルに負けたら旅が終わることくらい解ってる。前に言ったんだ」
「それは君が勝手に決めた事じゃない? ポケモン達はその事についてどう思ってるかとか、考えた事ある? 君の考えを認めていたとしても、実際に旅が終わることを実感したら、どうなる? とにかく、一回ポケモンを出してみてよ」
彼の鋭い口調に促され、ライトは渋々と全てのポケモンを出した。
Re: *†Exact Light Sniper†* ( No.341 )
日時: 2012/04/03 20:28
名前: 神羅 ◆w08v7t4OQ. (ID: zp3ANUt9)
第五十二話 3
MBから出てきたポケモン達は、ライトの方をまっすぐに見つめた。
「ポケモン達の目を見なよ」
――――彼らの目・・・。
それはもう旅が終わるというのに、まだ闘志に満ちていた。
「なんで、お前ら・・・。旅はもう終わったんだぞ? 何と戦っているんだ・・・?」
ライトはポケモン達の目を見ながら、呟くように言った。
「このままで良いと思う? 負けっぱなしのままで一番しっくりこないのはポケモン達の方なんだ。それをトレーナーの君が放棄してどうする」
――――負けっぱなしのまま・・・か。
そうだよな、俺だって昔はそうだった。
喧嘩で負けたら、またやり返しに行ったっけ・・・――――
こんな状況で小学校にいた頃の記憶が蘇る。
――――――こいつらも同じ気持ちなのかな・・・?―――――
「ジャノ! ジャノ!」
ジャノビーがライトに追い打ちをかけるかの様に吠える。
「追い打ち」も「吠える」も覚えてないのにこいつ・・・。
それから、他のポケモン達も俺に向かって吠え始めた。
「みんなまだ戦いたいんだ。次に勝つ為にね」
勝つ為に戦いたい。
これがこいつらの気持ちか。
ならば、トレーナーである俺はその気持ちに答えて遣らなければならない・・・。
遠い地からここまで連れてきてしまった責任があるから。
・・・けど・・・・。
ライトは、ジークの方が自分より強いという事が認めたくなかった。
そして、このまま旅を続ける――――――と言う事は、それを認めてしまう、という意味になるのではないか、と考えていた。
負けたら旅を終わらせるというのは、バトルで負けた劣感を速く取り除きたいだけなのかもしれない。
「君はこのまま旅を続けたら、僕に一生勝てないのかと勘違いしてるんじゃないかと思う。
だけど・・・・逃げたって僕には一生勝てないよ」
ライトは歯を食い縛ってから答える。
「家に帰ったら俺はポケモントレーナーじゃなくなる。勝ったとか負けたとか関係ない・・・」
「・・・・・・・君はそんなに簡単に夢を捨てるのか?」
――――夢・・・。そうだ、夢・・・・・。
俺は子供の頃からポケモントレーナーに憧れてた。
そして、いつか宇宙一になるとか言ってた・・・。
そうだ・・・俺が目指しているのは「最高のポケモントレーナー」
「僕にも夢がある」
ジークは言葉を続ける。
「僕の夢は・・・最高のポケモンレンジャーになることだ。
僕はその夢の為なら、例え何が起きようと屈しない。つまり、命を懸ける。
だから君も・・・・もう一度チャンスを作れ。こんなくだらないことで諦めるな」
ジークの目は本気だった。
夢・・・。
それは人生の中で必ず掴まなければならないこと・・・。
「夢を叶えろ、ライトォォォオオォォォォォ!!」
よく父さんに、耳元で叫ばれた。
今のジークは・・・その父さんの様だった。
暫くの沈黙が続いた後、ライトは心に決めた。
「解った。・・・これからも宜しくな、相棒達」
ポケモン達は大きく頷いた。
ジークは少し笑った。
Re: *†E・L・S†*受験オワタ\(^o^)/ 同時にリメイク ( No.357 )
日時: 2012/04/03 23:37
名前: 獏良 ◆DEATH5bqNs (ID: zp3ANUt9)
参照: wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
第五十三話【別れ】
次の日の朝――――。
2人はライモンシティの北側、3つあるスポーツセンターの内真ん中のセンター、そこの入り口付近に立っていた。
此処から東へ行けばブラックシティ、西へ行けばホドモエシティに行ける。
「お別れだな、ジーク」
「うん」
西の空から吹く風が、2人の髪を靡かせた。
今日の風はいつもより強かった。
「昨日はありがとう。おかげで、俺はもう一度夢を叶えるチャンスを手に入れることができた」
「別に良いよ。友達として当然のことをしたまでさ」
ジーク・・・。
いつの間にか彼は、ライトと親しい関係になっていた。
「お前・・・」
「ライト。バトルで負けたら旅を辞めるという条件はまだ続ける気?」
「いや・・・・もう辞めるよ。一度負けたぐらいで夢を諦めるなんて、悲しすぎる」
「・・・なら良かった」
ジークはホッとした様に胸を撫で下ろした。
「けど・・・」
ライトは言葉を続けた。
「お前と再び戦う日まで、二度と負けない」
ジークは驚いた様に目を丸くした。
「だから、ジークも俺と戦うまでは負けないでくれよ」
「・・・ライト。解った約束する」
2人は小指を絡め、約束を交わした。
「じゃ・・・また会う日まで」
「あぁ。必ず会おう!」
2人はそれぞれの道を歩きながら、後ろを向いて手を振った。
お互いに姿が見えなくなるまで。
「・・・・行っちゃったか」
ライトは一息ついたかのようにため息をついた。
「なんだか寂しいな。短い期間だったけど、ずっと一緒にいた奴が急に消えるって・・・」
俯きながら歩いていると、足が何かに躓いた。
「おっと!」
転びそうになるのをどうにか堪えて顔を上げると、そこはもう既に滑走路だった。
「5番道路へ続く滑走路だ。此処を抜ければ、ライモンシティともお別れだ」
ライトは助走をつけて、滑走路を走り抜けようと思った。
――――その瞬間、突然中からカミツレが現れた。
「うわっ! 吃驚した!」
「あら、貴方は・・・。今からホドモエシティに行くの?」
「う、うん。まぁ」
「なら、丁度良かった。ホドモエの跳ね橋がついさっきまで降ろされててね。今上がったらしいの。
おかげで橋のところまで行く手間が省けたわ」
「行こうとしてたの?」
「えぇ。わざわざ橋を上げる為に、この売れっ子モデルが足を働かせ様としたのよ。すごいと思わない?」
(自分で言うな)
口に出したら闇人格が現れそうな気がしたので、心の中で呟くだけにしておいた。
「此処からホドモエシティまでは3日くらいかかるわ。でも、今5番道路は深い霧が掛かってるから気を付けてね」
「3日か・・・。霧が掛かってる? だからあんた突然現れたのか」
「そういうこと。ま、とにかくジム戦頑張ってね!」
「あ、はい。ありがとうございます!」
ライトはカミツレに頭を下げた。
この前も含めて、これで二度目だ。
「敬語使ったりため口使ったり、面白い子♪ また会えると良いわね、じゃ♪」
売れっ子モデルは後ろ姿のままライトに手を振り、姿を眩ました。
「霧が掛かってるって言ってたな。気を付けないと」
ライトは自分に言い聞かせる様に呟き、再び助走を付けた。
「行くぞおおお!!!」
一気に地面を蹴って走り出し、滑走路の中を突き進んで行った。
「うおっ!? ほんとに霧が濃いな! こりゃー走って大丈夫か? ま、4番道路じゃあんなに人がいなかったんだから、このくらい大丈夫だろ」
ライトは全速力で、5番道路を突き進んで行った。
日時: 2012/04/03 19:43
名前: 神羅 ◆w08v7t4OQ. (ID: zp3ANUt9)
参照: 獏良@PSP
第五十二話【激戦強敵ポケモンレンジャー ライトvsジーク】
「今日の朝飯、まずい」
今日の朝飯は卵ご飯、味噌汁、豆腐などなど・・・。
ポケモンセンターで用意してくれた割りと豪華なレシピだ。
「これのどこがまずいんだよ。残さず食いな」
せっかく用意してくれたんだから食わなきゃ申し訳ない。
しかし・・・
「さぁ、今日はバトルすんぞ」
「ヤダ」
と一足早く食い終えたライトが言うと、ものすごい形相で睨まれた。
こんな返信が来ることは予想していたが。
「なぁー、頼むよバトル! 俺明日でライモンシティ出る予定なんだ」
「僕も明日でブラックシティ行く予定」
「なら尚更!」
「良いかい? 朝飯は一日のエネルギーの源なんだ。
その朝飯で満足出来なかったのなら仕方ないだろう?」
朝飯は一日のエネルギーの源ではあるがテンションの源ではない。
「ワケ解らんこと言うな! いいからやろ?」
「・・・昼飯次第」
そう言うと、ジークは朝飯を残したまま、機嫌悪そうにその場を去ってしまった。
・・・そんなにまずかったか?
ここまで機嫌悪そうなジークは初めてだ。
今までで一番機嫌が悪いということは、今日はライトにとって一番運が悪い日なのだろうか。
ライトはジークの残した菠薐草を箸でつまんで口に運んでみた。
「・・・うまい」
Re: *†Exact Light Sniper†* ( No.325 )
日時: 2012/04/03 19:46
名前: 神羅 ◆w08v7t4OQ. (ID: zp3ANUt9)
参照: 獏良@PSP
第五十二話 2
「昼飯、麺類じゃないね」
今日の昼飯はカツ丼。
なんで今日に限ってこんなに豪華な昼飯なんだ!
嬉しくねぇぞ・・・この野郎・・・!
ライトは若干涙目になりながら、昼飯担当の職員を恨んだ。
昼食を終えた後、ライトは恐る恐るジークに聞いた。
「あのぉー、ジーク君? どうせ午後暇だろ? ちょっくらバトルしないかい?」
後ろから話しかけると、彼は赤い瞳を光らせてこちらを振り向いた。
「イグザクトの力が解放されたのか!?」と思って一瞬身震いしたが、そんなワケがない。
「・・・しつこいね、君は」
もしかして・・・とうとうキレたか?
「・・・そんなに僕とバトルしたいの?」
怒っているような口調に聞こえたそれは、ライトの思いこみだったようだ。
ただ呆れている口調だった。
「あぁ、頼むよ。明日で俺ら、もう会えなくなるかもしれないんだからさ、最後の記念にってことで! な?」
ライトが念を押し込むと、ジークはため息混じれに言った。
「しょうがないな。じゃあ2vs2なら良いよ」
2vs2・・・か。
これでは彼らの持ってる全てのポケモンを出すことは出来ないが・・・。
それでもバトルしてくれるだけありがたいと思うべきだ。
「よし! じゃあそれでいい」
「おk。それじゃあ早速、ポケセンのバトルルームに行こう」
Re: *†Exact Light Sniper†* ( No.330 )
日時: 2011/12/22 16:03
名前: 神羅 ◆w08v7t4OQ. (ID: pr9uh8nU)
参照: 獏良@PSP
326
おっと見逃してた
お久しぶりです!
ぜんぜん構いませんよ!
ガントルも頭いいので性格が夜○月に似てるんでしょうねw
血を流してまで戦い続けるジャノびーに拍手←
雄だったらとっくに戦闘不能になってたでしょうね
ライト君もずいぶんギリギリな旅をしていますよね
ジークの苛々の原因はもしかしたらその別れかもしれません
始めの方ニーアと二人で行動してたり、ダブルバトルしてたりなんだかんだで良いコンビだったのかもw
さすがにカルシウム不足とかいう単純なことではn(ry
Re: *†Exact Light Sniper†* ( No.331 )
日時: 2012/02/28 17:57
名前: 獏良 ◆DEATH5bqNs (ID: 3U5pLFcN)
参照: wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
第五十二話【激戦強敵ポケモンレンジャー ライトvsジーク】3
「出て来い、フカマル」
「行け、キバゴ!」
ライトはジークがフカマルを出すのを予想していた。
ライトが見てきた限りのバトルでは、彼はいつも一番目にフカマルを選んでいたのだ。
だからそいつの苦手なドラゴンタイプを持つキバゴを出した。
しかし、これはフカマルにとっても有利な状況にある。
どちらにとっても効果は抜群。
つまり、互角と言う事だ。
「キバゴ、とにかく相手の動きを読め。隙が出来たら一気に詰めろ。
あと、もしやられそうになったら・・・・相手も道ずれにしろ! とにかく相打ちを狙うんだ」
ライトがキバゴに言うと、キバゴは「キバッ!」と頷いた。
「さて、早速始めようか。キバゴ、逆鱗!」
「手短にね。フカマル、逆鱗!」
キバゴとフカマルは同じくらいの速さでスタートダッシュし、ぶつかり合った。
キバゴがフカマルの顔面に脚を喰らわすが、同時にフカマルの拳がキバゴの腹に当たる。
両者は格闘タイプではないのに格闘し、互いに強力な攻撃を受け合う。
「まさかあんなヒヨッコにフカマルがこうも足止めされるとは・・・」
「ヒヨッコ? お前のフカマルもヒヨッコだろ?」
「いや、違う」
ジークが言い終えた瞬間、何かが叩きつけられた様な、巨大な音が聞こえた。
その直後、フィールドから砂埃が巻き起こされる。
砂埃が晴れると、そこにはキバゴの上に乗っているフカマルの姿があった。
しかもその周りのフィールドはへこんでいて、クレーターの様な形になっていた。
「・・・嘘だろ? 何て力だ・・・」
「・・・ざっとこんなもんだよ。さぁ、速く次のポケモンを」
ライトは「ぐむぅ~」と呻きながらキバゴをMBに戻した。
「まずいな・・・。責めて相打ちにして終わりたかったんだが・・・・。もう俺にフカマルと相性がいいポケモンは・・・・いないからコイツだ! 行け、ジャノビー!」
次にライトが出したのはジャノビー。
もちろん相性が良い訳では無い。
ただ、ポケモンを信じる心にのみ頼ったまでの様だ。
「・・・速攻で片付ける。フカマル、逆鱗!」
早速フカマルの猛攻がジャノビーに襲い掛かる。
蹴り、殴り、頭突きが次々と飛んでくる。
が、ジャノビーはそれらを全てかわす。
「ジャノビー、リーフブレード!」
ジャノビーは隙を突いてその場で回転し、尻尾をフカマルにぶつけた。
フカマルは横に吹っ飛ばされ、壁にぶつかり止まる。
「・・・・中々遣る。フカマル、逆鱗」
壁にぶつかったフカマルが飛び出してくる―――!
と思ったその時。
フカマルの軌道が反れた。
ジャノビーとは全く違う方向に進み、その場で暴れ回って自分に攻撃した。
「・・・チッ・・・混乱か」
「そうだ、逆鱗は使いすぎると混乱するんだ。キバゴと同じだな。
今がチャンスだ! ジャノビー、もう一度リーフブレード!」
ジャノビーはフカマルに走り寄り、尻尾を振るった。
キバゴ同様防御力のないフカマルは呆気なく吹き飛ばされ、壁にぶつかって止まり、今度こそもう立ち上がらなかった。
「よし!」
「・・・戻れ、キバゴ、頑張ったね」
意外と優しい言葉かけるんだなジーク・・・・。
とライトは思った。
「出て来い、ポッタイシ」
ジークが次に出したのはポッタイシとかいうポケモン―――。
だが、いつしかジークが見せてくれたポケモンの中にこんなポケモンはいなかった。
・・・ということは・・・?
「これはこの前見せたポッチャマの進化形態。解るね?」
「解るね?」と聞かれても解らない。
そんなのとっくに忘れている。
しかし・・・
「お前ポケモン進化させてる時なんかあったっけ?」
「あぁ・・・。僕は君が夜寝ている間、毎晩3時間くらい修行に出てたからね」
「えぇ!?」
思わぬ言葉に声が裏返る。
「あっ・・・これ内緒だった・・・。まぁいっか、どうせ明日で別れるし」
3時間くらい修行してたって・・・。
通りで彼のポケモンが鈍らない訳だ。
おまけに彼がいつも眠そうにしているのはこれのせいかと話がつく。
「・・・・け、けど、ポッチャマは確か水タイプって言ってたな! ならそれも水タイプなんだろう? こっちが有利である事に変わりはない」
「・・・・・」
ジークは何も言わない。
「ジャノビー! グラスミキサー!」
ジャノビーはいち早く動き、ポッタイシに向けて尻尾を振るう。
―――――が
「ポッタイシ、かわして冷凍ビーム」
ポッタイシは身を屈めるだけでそれをかわした。
そして、ジャノビーは間近で冷凍ビームを喰らった。
「ジャノビー!」
ジャノビーはその場で凍りついた。
体中が氷で覆われて動けない状態だ。
「・・・まさか氷状態になるとはね」
「おい! ジャノビー! 動け!」
偶に氷がピクピク動く。
しかし、中のモノは出てこない。
「これで終わりだ。ポッタイシ、冷凍ビーム!!」
ポッタイシは十分に冷気を溜めている。
このままでは・・・まずい。
「くっそー! ジャノビー!! 氷を割れ! リーフストーム!!」
―――その瞬間、ジャノビーの氷が激しく揺らいだ。
そして、氷が割れた。
「何・・・?」
「良いぞ! ジャノビー!」
続いてジャノビーは素早く大量の草を纏い、ポッタイシの眼前で発射した。
―――しかし、同時にポッタイシも溜めていた冷気を一気に放射した。
「さすがにジャノビーのリーフストームを止めるのは・・・―――――――!?」
無理だ、続けようとしたのだが、言葉が詰まった。
ポッタイシの口から放射された冷気がリーフストームの草を次から次へと凍らせていく。
「ジャノッ!」
おまけに、ジャノビーもその氷に弾かれ、奥に吹き飛ばされた。
「留めだ!」
ポッタイシの冷凍ビームはまだ終わらない。
水色の冷気がジャノビーに迫っていく。
「ジャノビー、避けろ!」
そう叫んだが、遅かった。
ポッタイシの冷凍ビームをまともに喰らって地面に倒れ―――。
動かなくなった。
「この勝負、僕の勝ちだ」
ジークはポッタイシをMBに戻しながら言った。
「・・・そんな・・・・・・」
ライトは目の前が真っ暗になった。
――――バトルに負ける。
これは俺の旅の終了を意味している――――
ライトは、このバトルは必ず自分が勝つとばかり、心の何処かで思い込んでいたらしい。
その為、負けたショックは尋常ではなかった様だ。
――――・・・・俺の旅は終わったんだ―――――
Re: *†Exact Light Sniper†* ( No.340 )
日時: 2012/04/03 19:57
名前: 神羅 ◆w08v7t4OQ. (ID: zp3ANUt9)
第五十二話 3
ライトはまだ自分が信じられなかった。
―――――ナムとの戦い以来、一度も敗北など無かった俺が負けるなんて・・・――――
「そこまで落ち込む?」
ポケセンを出た所で、ジークが俺に話しかけてきた。
ライトは黙って俯きながら、彼に背中を向けていた。
「部屋戻ろうよ。何処行くの?」
「・・・家」
「・・・やっぱりか」
ライトは、ジークには自分が旅の中でバトルに負けたら旅を止める事を打ち明けていた。
「ごめん」
ジークは相変わらずの無表情で謝った。
謝罪の気持ちなんてほんとにあるのか。
まぁ、ライト自身はそんなの一切求めてないが。
「別に謝らなくていい。俺が負けるのが悪いんだから」
ライトはぶっきらぼうに言い放った。
「そうじゃない。バトル引き受けちゃってごめん」
「・・・・?」
「僕、ポケレンの中でも上級レンジャーだから。
申し訳ないけど、バトルの勝敗は遣る前から解っていたんだ。だから、毎回バトルを拒んでたんだ」
「・・・そうか。お前、俺をその程度のトレーナーだと見られてたのか」
怒りなどなかった。
ただ、今のライトに感情などほとんどない。
ジークは顔色一つ変える続ける。
「違う。自分に自信があったと言うのが正解だ」
ジークは続けて言う。
「僕はイッシュ地方に来る前に、四天王の一人を倒したことがある。もちろん、シンオウ地方にいる僕のポケモン達だけでね。此処にいるのは、僕が初めから育ててみたいと思ったポケモン達。四天王を破ったポケモンは一切ない。ただ、自分の才能と育て方だけが頼りの状態で、僕は彼らを育てるためにイッシュ地方へ来た」
四天王を破った少年と俺はバトルしていたのか・・・。
ライトは更に絶望的になった。
「前にも言ったかもしれないけど、僕の父はポケレン総司令官でさ。僕は幼い頃から訓練だのポケモンバトルだの遣らされてたんだ。つまり、君よりポケモンとの付き合いが長いってこと。申し訳ないけど、バトルなら君には負けないよ。
これはほんとに無謀な挑戦だったんだ。ジムバッチ4つのトレーナーがいきなり四天王に挑むような・・・いや、まさに言葉通りだよ。
・・・だから、さっきのバトルだけは例外で良いんじゃない? 君がジムバッチ4つでいきなり四天王に挑んで負けたとしても、同じことする?」
――――まぁ確かに、いきなり四天王にバトルを挑んで負けてしまうのは仕方ないかもしれないが・・・。
・・・ライトは悔しかった。同じ年代の子にこうもあっさり負けてしまうなんて。
例え相手が、ライトよりもバトル経験が多い少年だとしても認めたくない。
この様な劣感がライトの心を覆い尽くした。
「悪いけど・・・俺の誓いは固いんだ。挑んでしまった俺のミスが悪い。負けは負け。旅は終了だ」
正直、旅を辞めるのは嫌だ。
が、一度決めたことを曲げてしまうのはもっと嫌だ。
ライトはそう思った。
「君のポケモン達は旅が終わることを望んでいるの?」
「こいつらだってバトルに負けたら旅が終わることくらい解ってる。前に言ったんだ」
「それは君が勝手に決めた事じゃない? ポケモン達はその事についてどう思ってるかとか、考えた事ある? 君の考えを認めていたとしても、実際に旅が終わることを実感したら、どうなる? とにかく、一回ポケモンを出してみてよ」
彼の鋭い口調に促され、ライトは渋々と全てのポケモンを出した。
Re: *†Exact Light Sniper†* ( No.341 )
日時: 2012/04/03 20:28
名前: 神羅 ◆w08v7t4OQ. (ID: zp3ANUt9)
第五十二話 3
MBから出てきたポケモン達は、ライトの方をまっすぐに見つめた。
「ポケモン達の目を見なよ」
――――彼らの目・・・。
それはもう旅が終わるというのに、まだ闘志に満ちていた。
「なんで、お前ら・・・。旅はもう終わったんだぞ? 何と戦っているんだ・・・?」
ライトはポケモン達の目を見ながら、呟くように言った。
「このままで良いと思う? 負けっぱなしのままで一番しっくりこないのはポケモン達の方なんだ。それをトレーナーの君が放棄してどうする」
――――負けっぱなしのまま・・・か。
そうだよな、俺だって昔はそうだった。
喧嘩で負けたら、またやり返しに行ったっけ・・・――――
こんな状況で小学校にいた頃の記憶が蘇る。
――――――こいつらも同じ気持ちなのかな・・・?―――――
「ジャノ! ジャノ!」
ジャノビーがライトに追い打ちをかけるかの様に吠える。
「追い打ち」も「吠える」も覚えてないのにこいつ・・・。
それから、他のポケモン達も俺に向かって吠え始めた。
「みんなまだ戦いたいんだ。次に勝つ為にね」
勝つ為に戦いたい。
これがこいつらの気持ちか。
ならば、トレーナーである俺はその気持ちに答えて遣らなければならない・・・。
遠い地からここまで連れてきてしまった責任があるから。
・・・けど・・・・。
ライトは、ジークの方が自分より強いという事が認めたくなかった。
そして、このまま旅を続ける――――――と言う事は、それを認めてしまう、という意味になるのではないか、と考えていた。
負けたら旅を終わらせるというのは、バトルで負けた劣感を速く取り除きたいだけなのかもしれない。
「君はこのまま旅を続けたら、僕に一生勝てないのかと勘違いしてるんじゃないかと思う。
だけど・・・・逃げたって僕には一生勝てないよ」
ライトは歯を食い縛ってから答える。
「家に帰ったら俺はポケモントレーナーじゃなくなる。勝ったとか負けたとか関係ない・・・」
「・・・・・・・君はそんなに簡単に夢を捨てるのか?」
――――夢・・・。そうだ、夢・・・・・。
俺は子供の頃からポケモントレーナーに憧れてた。
そして、いつか宇宙一になるとか言ってた・・・。
そうだ・・・俺が目指しているのは「最高のポケモントレーナー」
「僕にも夢がある」
ジークは言葉を続ける。
「僕の夢は・・・最高のポケモンレンジャーになることだ。
僕はその夢の為なら、例え何が起きようと屈しない。つまり、命を懸ける。
だから君も・・・・もう一度チャンスを作れ。こんなくだらないことで諦めるな」
ジークの目は本気だった。
夢・・・。
それは人生の中で必ず掴まなければならないこと・・・。
「夢を叶えろ、ライトォォォオオォォォォォ!!」
よく父さんに、耳元で叫ばれた。
今のジークは・・・その父さんの様だった。
暫くの沈黙が続いた後、ライトは心に決めた。
「解った。・・・これからも宜しくな、相棒達」
ポケモン達は大きく頷いた。
ジークは少し笑った。
Re: *†E・L・S†*受験オワタ\(^o^)/ 同時にリメイク ( No.357 )
日時: 2012/04/03 23:37
名前: 獏良 ◆DEATH5bqNs (ID: zp3ANUt9)
参照: wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
第五十三話【別れ】
次の日の朝――――。
2人はライモンシティの北側、3つあるスポーツセンターの内真ん中のセンター、そこの入り口付近に立っていた。
此処から東へ行けばブラックシティ、西へ行けばホドモエシティに行ける。
「お別れだな、ジーク」
「うん」
西の空から吹く風が、2人の髪を靡かせた。
今日の風はいつもより強かった。
「昨日はありがとう。おかげで、俺はもう一度夢を叶えるチャンスを手に入れることができた」
「別に良いよ。友達として当然のことをしたまでさ」
ジーク・・・。
いつの間にか彼は、ライトと親しい関係になっていた。
「お前・・・」
「ライト。バトルで負けたら旅を辞めるという条件はまだ続ける気?」
「いや・・・・もう辞めるよ。一度負けたぐらいで夢を諦めるなんて、悲しすぎる」
「・・・なら良かった」
ジークはホッとした様に胸を撫で下ろした。
「けど・・・」
ライトは言葉を続けた。
「お前と再び戦う日まで、二度と負けない」
ジークは驚いた様に目を丸くした。
「だから、ジークも俺と戦うまでは負けないでくれよ」
「・・・ライト。解った約束する」
2人は小指を絡め、約束を交わした。
「じゃ・・・また会う日まで」
「あぁ。必ず会おう!」
2人はそれぞれの道を歩きながら、後ろを向いて手を振った。
お互いに姿が見えなくなるまで。
「・・・・行っちゃったか」
ライトは一息ついたかのようにため息をついた。
「なんだか寂しいな。短い期間だったけど、ずっと一緒にいた奴が急に消えるって・・・」
俯きながら歩いていると、足が何かに躓いた。
「おっと!」
転びそうになるのをどうにか堪えて顔を上げると、そこはもう既に滑走路だった。
「5番道路へ続く滑走路だ。此処を抜ければ、ライモンシティともお別れだ」
ライトは助走をつけて、滑走路を走り抜けようと思った。
――――その瞬間、突然中からカミツレが現れた。
「うわっ! 吃驚した!」
「あら、貴方は・・・。今からホドモエシティに行くの?」
「う、うん。まぁ」
「なら、丁度良かった。ホドモエの跳ね橋がついさっきまで降ろされててね。今上がったらしいの。
おかげで橋のところまで行く手間が省けたわ」
「行こうとしてたの?」
「えぇ。わざわざ橋を上げる為に、この売れっ子モデルが足を働かせ様としたのよ。すごいと思わない?」
(自分で言うな)
口に出したら闇人格が現れそうな気がしたので、心の中で呟くだけにしておいた。
「此処からホドモエシティまでは3日くらいかかるわ。でも、今5番道路は深い霧が掛かってるから気を付けてね」
「3日か・・・。霧が掛かってる? だからあんた突然現れたのか」
「そういうこと。ま、とにかくジム戦頑張ってね!」
「あ、はい。ありがとうございます!」
ライトはカミツレに頭を下げた。
この前も含めて、これで二度目だ。
「敬語使ったりため口使ったり、面白い子♪ また会えると良いわね、じゃ♪」
売れっ子モデルは後ろ姿のままライトに手を振り、姿を眩ました。
「霧が掛かってるって言ってたな。気を付けないと」
ライトは自分に言い聞かせる様に呟き、再び助走を付けた。
「行くぞおおお!!!」
一気に地面を蹴って走り出し、滑走路の中を突き進んで行った。
「うおっ!? ほんとに霧が濃いな! こりゃー走って大丈夫か? ま、4番道路じゃあんなに人がいなかったんだから、このくらい大丈夫だろ」
ライトは全速力で、5番道路を突き進んで行った。