新年あけましておめでとうございます。2019年の初投稿で通常記事ではありませんので後日削除します。
このブログを書き始めて2回目の新年を迎えましたが、もう一度経済ブログを開設したときの原点についてお話します。
 
このブログのタイトルは「暮らしの経済手帖」です。ブログ開設当時に述べたように花森安治氏が編集を務められていた「暮らしの手帖」をもじってつけさせていただきました。
ここでもう一度花森氏が「暮らしの手帖」を創刊した当時に話したことを紹介しておきましょう。
 
 
「こんどの戦争に、だれもかもが、なだれをうって突っ込んでしまったのは、ひとりひとりが、自分の暮らしを大切にしていなかったからだと思う。人は暮らしの中身がまずしいと、投げやりになり、いっちょやれ!と、おおきいことをやりたくなる。そうやって、戦争になだれ込んでしまった。もしみんなに、あったかい家庭があれば、戦争にならなかったと思う」
 
「自分の暮らしを大切にする」
 
一見当たり前のようなことですが、わたしたちはそれができているのでしょうか。
 
残念ながらわたしはそう思えないのです。
経済の議論をしているときにいつも感じることは人々の「暮らし」が知らず知らずのうちに抜け落ちているのです。わたしはいつも「いったい誰のために、何のために経済を学び、議論しているのだ」と言いたくなります。
 
わたしは正直政治の話は好きでありません。しかしながら経済政策の実現は政治家に委ねるしかなく、やむを得ず政治の世界の話をこちらもせざる得ないのです。もともとわたしは人間関係の話とか人の好き嫌いの話なんか興味がありませんし、経済学に政治思想(イデオロギー)を持ち込むようなことをすべきではないでしょう。
 
残念ながら経済の議論も、人々の暮らしに役立つかどうかなどということを忘れ、縄張り争いが目的化しやすい傾向にあります。わたしはリフレーション政策の方法論について「アベノミクスとリフレ政策 」で説明してきましたが、これは意見ではありません。料理のつくり方などと同じでひどい不況になったときに、そうやって苦境から脱出するのかというやり方を書いただけです。俗に「リフレ派」という言葉が使われていますが、本来リフレーション政策は党派・宗派といった人間関係の派閥ではないのです。数学の等式や物理の法則に「~派」だとかつけることはありません。わたしは「緊縮財政派」だとか「財政出動派」「構造改革派」とかいう言葉に違和感を感ずることが多いです。
 
こうなってしまうのは日本人がいまだに理論や論理よりも、人治主義や恣意主義といったものに囚われすぎているからではないでしょうか。非常に残念なことです。
 
ここで再びわたしたちの暮らしと経済に話を戻しますが、もうひとつ注意しないといけないのは「国益」です。あるいは「日本の(国の)」経済」やら「日本の国家財政」といった言葉をつかったときに、知らず知らずのうちに国民ひとりひとりではなく、国家や政府の都合にあわせてものごとを考えてしまう恐れがあるのです。
 
国家財政問題社会保障問題の話なんかがとくにそうです。
国家財政問題はもともと政府の財布の事情という、マクロ経済・国民経済全体の視点から見たら、実は局所的な問題です。国家財政が破綻するほど悪化させることは当然あってならないのですが、かと言って国家財政が堅調であれば他の経済部門である個人の家計や民間企業が裕福であるとは言い切れません。「国栄えて民滅ぶ」といったこともあります。
 
国の財政健全化は非常に重要なことですが、重税やひどい歳出削減で国防や行政サービスの質を大きく低下させてしまっては、国家の存在理由は無きに等しいものになるでしょう。「緊縮財政はゆるやかな国家機能の縮小や破綻」だと思っておいてください。実は緊縮財政と国家財政破綻は最終的に同じ状態に行きつきます。ちょっと極端な言い方ですが緊縮財政をどんどん推し進めていくと無政府状態に近づいていくことになります。
 
さていつもわたしが読ませていただいている元参議院議員の金子洋一さんがツイートされた2019年の年始の挨拶でも、高らかに「今年もどうすればわれわれが豊かになれるのか、まともな暮らしができるようになるのか一緒に考えていきましょう!」と仰っていました。(金子さんのツイート
 
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まさにそうでしょう。
 
わたしたちが自分たちの暮らしをもっとよくしたいという目標に向かって、ひとつにならなければ、わたしたちの暮らしはどんどん貧しく暗いものになっていくばかりです。
 
ここ数年間安倍政権がすすめてきた金融財政政策によって、投資や雇用が快調でしたが、今後はその果実をより広く、多くの人たちに分配されていくようにしていかねばならないでしょう。そういう意味でアベノミクス最後の仕上げの年となる一年ではないでしょうか。
 

 

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