7月下旬から8月上旬にかけての株価下落の大波に乗って株の買い増しをしようと思ったのだが、いかんせん手持ちの資金に余裕がなかった。基本的に株は売らずに配当金がメインなので、株価が暴落してもあまり気にしない&安く買えるようになるのでラッキーくらいに思っているのだが、毎月ギリギリの投資をしていたので本当に余力がなかった(ちょっとだけ無理して買った)。なんとか少しでも資金を調達できないかと悩んでいたところ、ある手法を思いついた。

年末に節税目的で行われることが多い「損出し」である。「損出し」とは、含み損の株を売却して損失を確定させて、株式で源泉徴収されていた税金の還付を狙う手法のこと。「損切り」と違うのは売却と同時に同数の購入も行うので、手元には株式が元のまま残り損失だけが確定される。損出しをした分購入単価が下がるため、未来にかかるだろう税金は増加する。信用取引ができる場合は、購入を信用で行えば、手元にまとまった購入資金がなくても損出しができるので重宝する(後で売却資金での品受けを忘れずに)。

確か株の譲渡益だけでなく配当金についても損益通算の対象になっているので、株の売却益がない私でも税金の還付が受けられるはず。ちょうど株価暴落でいい感じに評価損が増えていた銘柄(株価下落に関係なく、もともと評価損だったけど)がいくつかあり、世間も損出しを後押ししている。100万損を確定させれば20万戻ってくる。これで、株の買い増し資金が調達できる。錬金術サイコー。ビバ損出し。

が、いつまで待っても税金は還付されなかった。

なんでなの。と思って調べてみたら、配当金との損益通算は随時行われるわけではなく、年末にまとめて行われてそのあとに還付されるらしい。ということは、今回資金調達をするために頑張って損失を確定していったわけだが、その資金が手に入るのは来年ということになる。いや、5か月後にそれがきても遅いのですが。

こうして錬金術は失敗に終わった。