半世紀過ぎたら忘れてしまいがちですが、断片的に思い出すのは小学校1年頃の一こま。
私は体が弱く喘息発作が出るため入退院を繰り返してたようで、あんまり家庭というものを思い出せない。
思い出すのは病院内で毎朝コーヒー牛乳を買い飲むのが習慣だった。今考えたら普通よりは金持ちだったのかもしれない。小児病棟には、様々な子供が居た。顔中真っ赤に腫れた子。生死をさまよっているこ。そんな中でも私は発作が出ない限り健康だったのか。よく走り回って怒られていたぐらい元気だった。病院内を探索し下の階(ここには重病の子供たちが入院している病棟だった。)へ行くと子供なりの交友関係を広げていき、こそばいぐらいな気持ちで優しさを振りまいていたようで、わたしが行くと皆とても喜んでくれたのだ。
隣の病室で急に居なくなった友達もいた。今考えたら亡くなってしまったのだろう。
子供の私はそれを察知することもなく日々病院の中の小さな世界で喧嘩をしたり勉強したり、お見舞いにもらった本を読んだりして過ごしていた。