手術の痕跡 | ~海を愛し海に守られた乳がん日記~

今日、乳癌手術後8日目にして、

やっと車を運転して

大好きな場所をプチドライブできました。

 

本当は手術後の先週末、

車の運転をしてみようと思ったのですが

自宅で外出する準備をしている時、急に心配になり、

運転中に何かあったら・・と、どんどん不安になってしまい

”自分が不安になることはやめよう”とやめました。

 

ゆっくりですが、少しづつ以前の私にもどりつつもあるので、

「明日は抜糸で病院行くから、もし今日手術部分に何かあっても

明日みてもらえるから大丈夫」なんて、自分に言ってみたりしました。

 

私が右胸の乳房温存手術と右脇のリンパ切除を

3月4日の月曜日にして、翌日、退院する前の昼過ぎに、

手術前からずっと着用ていた病院の手術着から、

はじめて自分の洋服に自分で着替えました。

 

手術後から胸に巻かれていたベルトをはずすと、

自然とベルトで固定されていたタオルもとれて、

手術後から初めて、私の胸は丸出しになりました。

 

けど私は怖くて見ることはできませんでした。

退院準備を一緒にしていてくれた主人に、

私の代わりに見てほしいとお願いし見てもらいました。

 

「うん、全然大丈夫、何も心配することないよ」と

主人は優しい顔で言ってくれました。

でもその時、私はやっぱり見ることはできませんでした。

 

退院して自宅に帰り、夕食を食べてから、

病院からの退院だし、昨日は手術で入浴してないし

寝る前にシャワーは浴びたいと思いました。

 

けどシャワーを浴びるためには裸になるし、

脱衣所にもお風呂場にも鏡があるし、

自宅なのに自宅のシャワーを浴びにお風呂場に行くことを

とても躊躇して、どうしようと動きが止まってしまいいました。

 

それに気付いた主人が私に声をかけてくれて、

気遣ってくれて、ゆっくり私の気持ちが落ちつくまで

隣で何も言わず寄り添ってくれました。

 

そして私はシャワーを浴びに行く決心をして

お風呂場に行きました。

 

乳癌になってからは、当たり前だった日常が

今までとは違う初めての毎日で

初めての自分の感情と向き合うばかりです。

 

先ず脱衣場で服を脱ぎましたが

もう脱衣場の鏡に私の裸はうつっているはずですが

目の前の鏡を私はまだ見る勇気が出ず

私は鏡を見ないでお風呂場に入りました。

 

そして、いよいよシャワーを浴びるので

もう見ないわけにはいかないと

自分で決心をつけました。

 

お風呂場の鏡にうつった自分の

右胸と右脇の手術痕跡を見ました。

なんか一瞬息が止まった感じでした。

 

それから、深呼吸をしてしっかり見ました。

鏡に近づいて、しっかり右胸と右脇の手術痕跡を

しっかり見ました。

 

しっかり手術の痕跡がありました。

ただ、私はその手術の痕跡を見れば見るほど

先生がとても一生懸命きれいに縫ってくださったことが

不思議な感覚で心に伝わり、ありがたく感謝が溢れました。

 

なんともいえない気持ちですが

乳癌手術後の自分の右胸をみて

私は本当に感謝が溢れました。

 

その後シャワーを浴び、

退院後の説明書に半身浴は大丈夫とありましたが

私は退院したその日はシャワーだけにしました。

 

その翌日からは今日に至るまでは

軽く半身浴もしています。

右胸の手術部分がお湯につからないように

気を付けて半身浴をしています。

 

手術から今日で8日目で、明日は抜糸ですが、

手術後に手術部分を保護してくれている透明のテープは

まだしっかり肌にくっついていて取れていないです。

 

その後、毎日シャワーと半身浴をするたび

自分で手術部分を確認しています。

素人目ながら少しづつ落ち着いてきた感じがします。

ただまだ痛みはあります。

(痛止薬もあるし、ガマンできない痛みではありません)

 

右胸にあった癌をとってくださって

右脇のリンパも切除しているんだから

多少痛みが続いて当然と自分で思っています。

 

もどかしい自分にあせって、慌てて、

近道なのか、遠回りなのかの冒険をするより、

 

そんな自分をなだめながら、

ゆっくりひとつづつ大切に

前に進んでいきたいと思います。

 

 

 

感謝をこめて

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