40代女性の投稿です
あれはもう20年も昔の話です。
私がまだ学生だった頃、母が手術を受けることになりました。
母は昔から心臓が弱く、発作などは起こしたことは無かったのですが、
体力が衰える前に一度手術を受けたほうが良いと医者に言われたのです。
小心者の母は、ずっと手術を嫌がっていたのに、私より数歳上のいとこの結婚式に
出席した後に手術を決意しました。
「あなたの結婚式には元気な身体で出席したいから、今のうちに手術してしまうことに
決めたわ」と言っていました。
その手術は簡単な手術だから、全身麻酔ではあるけれども
まだ若いから大丈夫、何事においても100%ということはないけれどほぼ99.9%安全です、
と主治医の説明があり、私も父もすっかり安心して手術の日の前日を迎えました。
お見舞いに行った私に、母は「やっぱり手術は怖い。今から逃げたらダメかな?」と
不安そうな顔で言ってきました。
私は勇気づけようと思い、「ここまで来て何言ってるの。ここで逃げちゃったら、
もう二度とこの病院では見てもらえないよ。大丈夫だから!」と励ましました。
その直後、主治医よりも若いぶっきらぼうな医者がやって来て、
診察をするから病室を出ていくように言われました。
その後アルバイトがあった私は、「じゃあ明日ね。」と明るく声をかけました。
病室を出るときに振り返って見た母の姿はとても小さく、不安そうに見えました。
まさかそれが生前最後に見た母の姿になるとは思いませんでした・・・
「お母さんが危篤です」と病院から電話がかかってきて駆けつけたときには
母はもう息を引き取っていました。
手術中に出来た血栓が脳に飛び、脳梗塞を発症したとのこと。
私も父も茫然と立ち尽くすより他ありませんでした。
今思えば、心臓の手術で簡単なものなんてないだろうと分かるのですが、
病院側の手術前の説明があまりにも軽いものだったことで
私も父も何か現実から目を背けていたのだと思います。
母に手術を決意させたいとこの結婚でしたが、いとこはその後すぐに離婚。
今でももやもやした気持ちが、病院だけでなくいとこに対しても残っています。