ギターに挫折する人の圧倒的多数が、コードチェンジの壁にはばまれたためと思われます。
スケールや簡単なメロディー演奏、そしてただ単にコードをおさえて弾くというだけなら誰にでもできます。しかし、コードチェンジになった途端、いきなり難易度の桁がバーンと上がって当惑に襲われてしまうのです。
私はギターをはじめる前にピアノを1年間やっていたので、左手の5指を自在にコントロールする技術にはそこそこ自信があったのです。その私でもGのコードにははじめのうちはお手上げでした。
しかし、何度もやっているうちに、コツといえるものが見えてくるものなのです。【ハッピー・バースデイ・トゥ・ユー】を練習曲にして説明していきます。
ちなみに歌詞の上のアルファベットがコードのことで、下の【ダ】の字はダウンストロークのことです。
G D
ハッピーバースデイトゥーユー
ダ ダ ダ ダ
D G
ハッピーバースデイトゥーユー
ダ ダ ダ ダ
G C
ハッピーバースデイディア●●
ダ ダ ダ ダダ
G D G
ハッピーバースデイトゥーユー
ダ ダ ダ ダ
まずはGのコードから。G【2 5(2) 3 6(3) 3 1(4)】
指を1本ずつ置いてできるようになったら、次は3本同時に置けるように練習しましょう。
教本ではいきなりコードチェンジの練習に移りますが、そんなものできるわきゃないです(苦笑)
1本1本動かしておさえられるようになったら、次はすべての指でいっぺんにおさえる練習です。
しかし、はじめから3本同時はきついので、まずは3 6(3)と3 1(4)の2本からはじめましょう。
2本でもかなり難しいと思います。普段の生活でほとんど使わない薬指と小指を、これまた普段の生活ではありえない形に持っていくのですから……。
練習はビデオのスローモーションのように超ゆっくりおこないます。2本の指を置いたら、ゆっくり離してやや下のフレットを触り、再び2本の指をGにゆっくり移動させる。それを疲れるまでくり返しましょう。
コツとしては、3 6(3)を思いきりヘッドよりに置くこと。ヘッドよりに指を置くのはよくないことですが、そうすることによって3 1(4)が置きやすくなるのです。慣れてきたら3 6(3)をボディより置くようにしましょう。
はじめは手こずると思いますが、しだいに2本同時に着地できるようになる瞬間がやってくると思います。それから残りの2 5(2)をくわえていきましょう。
次にDのコード。D【2 3(1) 2 1(2) 3 2(3)】
これもGと同じように、最初は2 3(1)と3 2(3)の2本からはじめましょう。それができるようになったら2 1(2)をくわえます。
Dのコードは、Gと比べればたいへん簡単に感じると思います。
さて、いよいよGからDへのコードチェンジの練習です。
Dへチェンジする際、Dの2 3(1)を意識すると、あとの2本の指もすっと揃えやすくなります。DからGへの場合は3 6(3)を意識するといいです。
残りのコードであるCのコード。C【1 2(1) 2 4(2) 3 5(3)】
1 2(1)はフレットの棒の上に寝かせます。残りの2本の指もヘッドよりに寝かせると起きやすくなります。また、1 2(1)は1弦に触れやすいので注意してください。
このCからG、GからCというコードチェンジもあるのですが、GからDへのコードチェンジができるようになれば楽勝なはずです。
以上で終わりです。
①ひとつのコードをとりあえずおさえられるようになる
②ひとつのコードをパッとおさえられるようになる
③チェンジするコードでもできるようになる
コードチェンジの練習にとりかかるのはこのあとであり、これらの段階を踏まずにただ闇雲に練習し続けても前進しません。