どうもこんばんは。







超絶寒がりなので、そろそろ冬眠したくなっている私です。








ウィンタースポーツは寒いのでできない人間です←




新しいマフラーと手袋が欲しいなぁ。











…………はい。










今回は、『この生命誰のもの』を観て参りましたよ。



{ED6F0998-A325-4F87-BE97-9D3C7E54C238}







キャスボ〜。

{E070186B-F2C0-4C74-965B-0CFAB2FA99C1}




自由劇場のキャスボって撮りづらいのよね。









ソンダンで2回ほど行った自由劇場。


早めに着いたので、少し遠回りして 四季劇場春・秋を眺めながら行きました。



{E7C3E2AE-6E22-433B-9642-D7BBE8FA5872}




解体されティル〜〜(´・ω・`)








自由劇場は安定の美しさでした。


こじんまりしてて、上品な劇場ですよね。好き。








ストレートプレイは初めてなので、ドキドキです。




とりあえず、あらすじ書いてみます(笑)


コピペですけど。





『とある総合病院の一室。
 
彫刻家の早田健は、半年前の交通事故で脊髄を損傷し、全身麻痺で寝たきりの状態。彼にとって、彫刻家としての創作活動を奪われた今後の人生は耐えがたいものだった。話すことしかできない余生を送るよりは、自ら死を選ぶ方が正しいと考えるようになる。
 
早田は「人間には自分の意志で行動を決定する権利がある。人間の尊厳は当人の選択から生じるものである。」と、退院を希望。病院を出れば残りわずかの生命と覚悟の上で、「死ぬ権利」を主張するのだった。
 
一方主治医の江間は「生命を維持するのが医師の義務」と、早田の希望を退ける。自らの意志が主治医に受け入れられないと分かった早田は、弁護士を雇い病院との交渉を試みる。しかし精神衛生法を根拠に、早田を強制的に留め置き延命治療を継続しようとする病院側。それに対して、早田は人身保護法に訴え出る。
 
ついに、早田の「死ぬ権利」を巡って病室を舞台に異例の裁判が幕を開ける。』






悩んだんですけど、1人の医療従事者として 観劇してみようとチケポチした次第です。







いつもの観劇上の注意アナウンスからしばらくして、




突如始まる物語。





いや〜〜〜〜…









素晴らしかった!!!!





いやほんと、引き込まれる引き込まれる。






キャストレポしてみよう。

いや、キャストさん初めてだから、キャラレポになっちゃうかな(笑)


ちなみに、全員 初見の俳優さんです。








早田健(患者):近藤真行

第一印象・声、めっちゃ好き。声優みたいに綺麗な声。穏やかで、優しくて、どこかいたずらっ子みたいな。ついでにどことなくセクシー(笑)
そして何より その演技力。首から下が麻痺し絶望感に苛まれる青年を、首の動きと表情と声色だけで、見事に演じきりました。
ほぼ出ずっぱりで、指一本動かせない。ライトが当たっていない、他のシーンの時も表情が変わったり、水を飲ませてもらったり、汗を拭いてもらったりと演技は続く。
そんな状況で、苦悩の中 気丈に振る舞う知的な早田が、まるで本当にそこにいるようでした。
演じているのではなく、早田そのもののような。
俳優さんって凄いなあ、と改めて感じました。
怒りに震える声、絶望で掠れる声、バカにしたような皮肉る声、どれもとても自然でした。
思わず感情移入してしまった…。

教育者でありながら、芸術家でもある早田。もはや創作活動は不可能な肉体となってしまい、深い苦悩と絶望に浸る日々を過ごしています。
そんな中「死にたい」と決心する。作中でもあった通り、一時の気の迷いで死にたいという患者はいます。
けれど、彼は本気。その想いが気の迷いではなく、明晰な頭脳を持って、余りある時間をかけて、考えに考え抜いた末の結論であろうことは、彼の持論を聞けばすぐに分かります。
彼の意見には、整合性があるのです。論理的に筋が通っている。そしてそれだけではなく、言葉遣い、声色、声のトーン、話すタイミング。全てが彼の話を魅力的に聞かせています。観客はいつのまにか彼の話にのめり込み、彼の想いに引っ張られていきます。
それら全てを見事に表現した近藤さんには脱帽です。






朝田婦長(病棟婦長):坂本里咲

患者と一定の距離感を保ちながらも、哲学と信念を持って看護に当たる婦長さん。キビキビした雰囲気とか、あー、こういう看護師いるなって(笑)
ステンレススチールのハートは数少ない笑いポイントですね。
毅然としていて、いかにもな婦長さん。鉄仮面とか恐ろしいとか、散々な言われようだけど。

看護師としての立場からすると、距離を取ってしまうのは、意識しているのではなく 割と自然なことです。何故か?
患者に深入りしすぎると、自分が辛くなるからです。
病院では別れは日常です。退院、転院、転棟。
そして退院の中にはもちろん、『死亡退院』が含まれます。
病棟にもよりますが、特に今回の早田がいる集中治療部では、死亡退院こそ最も多いのではないかと思われます。
しかし、そこで悲しんでいるわけにはいきません。手が必要な患者はまだまだいるのです。
そんな中で婦長も、自己防衛の手段として、患者と適度な距離を保つことを学んでいったのではないでしょうかね。






里村恵子(看護学生):吉田藍

なんか、『ユタと不思議な仲間たち』の小夜子に似た雰囲気を感じる(笑)
看護学生って、何であんなにドジっ子なんだろうね〜。ホント要領悪くて、自分の学生時代は暗黒期ですよ。
どんくさい感じがミョーにリアル。実際の看護学生を取材でもしたのかな。
四季っぽい喋り方だなぁと思いました。皆さん四季のご出身??浅利先生の方針??
わからないですけど、母音法の喋り方。嫌いじゃないよ(笑)

実習中の看護学生って、実は現場の看護師よりも担当の患者と接する機会が多いんですね。看護師が複数人の患者を1人で担当するのに対し、看護学生は基本的に1対1ですから。実習時間の全てを
1人の患者との関わりに使うことができるのです。
この病院がとういう実習システムなのかは不明だけど、恵子ちゃんももしかしたら、早田と関わる時間は婦長より長かったのかな。





田原洋介(看護助手):桑島ダンテ

チャラ〜い看護助手。おバカに見せかけて、結構頭が切れるんだろうね。桑島さんのプライベートがどんなか分からないけど、あまりにもハマり役過ぎる気が(笑)
愛らしいコミカルキャラ。早田みたいな患者にとっては、こういう人 確かに癒されるだろうなぁ…って思いながら観てました。
良い声です。皆さん良い声。歌声が聞きたいよ〜(´・ω・`)

第1幕ラストで「かわいそうなおっさん」と呟く洋介。あまりに残酷な言葉だと思いましたが、このセリフこそ 早田が言うように、彼が自由である証拠なのでしょう。
我々は弱い者を助けるよう、刷り込まれるように教育されて育ちます。電車でお年寄りに席を譲るように教えられます。
そしてそう教えられた大抵の人間は、早田を見たとき 憐れみとともに大きな罪悪感を抱くと思います。早田自身も言っていたように、早田に何もできない自分の無力さと、自分が健康な肉体を持つ罪悪感に。
優しさを持っているからこそ、早田に引け目を感じてしまうのです。早田の苦しみの元凶に、自分たちは全く関わっていないのに。
早田はそれも息苦しく感じていたはずです。罪悪感を隠しながら、最大限に気を使って接してくる医療者は、彼の目には偽善者に写っていたことでしょう。その怒りは権堂との会話で顕著に表出されますね。
洋介が優しくないわけではないと思いますが、彼は賢く物事を切り離して考えることができる人間なのだと思います。それが早田の言う、自由 ということです。だからこそ、早田本人を目の前にして あの台詞を言い放つことができたのではないでしょうか。全身不随の早田を前に、自分の夢を何の遠慮もなく語ることができたのではないでしょうか。
賢いか、あるいはデリカシーがないのか(笑)。
そのどちらかだと思います。私は前者だと思うし、思いたいですね。





北原まゆ(担当医):野村玲子

早田と江間に板挟みにされ、苦悩する担当医。医の倫理を信じつつも 江間のように徹することはできず、かといって早田の尊厳死の主張を簡単に認めるわけにもいかない。複雑な立場ですね。

早田には担当医・主治医という、2人の医者が主に関わっています。江間は主治医ではありますが、集中治療部の責任者という立場上、患者本人と接する機会はそう多くないはずです。
逆に言えば、北原は江間よりも早田と実際に接する機会が多いのですね。
その中で早田の苦しみを、間近で見続けてきたのでしょう。だからこそ、医者の立場でありながら、早田の主張をきっぱり退けることができないのかと。






江間隆(主治医):下村青

この方は唯一知ってました(笑)
元四季でスカーやってた人!くらいの認識ですけど…。
こういう声質なんだな〜って。テノール歌手みたいな…フロローっぽい喋り方で、も少し声を高くした感じ(分かりにくい)。
四季の喋り方なのに、どうも調子が悪いのか、滑舌がちこっと悪かったかも。
私事だけどね、下村さん、なんか私の叔母さんの旦那さんに似てて(叔父さんになるのか?)。
どうもその人連想しちゃって…真面目に見れないw

私が早田に感情移入しちゃうせいで 江間先生は悪役的な立ち位置になっちゃうけど、対立こそすれ、彼は決して悪人ではないんですよね。己の信念に従っているだけで。
判決の後も、彼はあくまで自分の信念を捨てずに早田と向き合う。立派な姿勢だなと思いました。
普通の患者さんからしたら、熱心な良い先生なのかな。
でも医者特有の独善的な部分はあるかも。自分が正しいと自信を持ってる。でもその自信は、彼の経験と知識に帰来するとは思うけれど。
私の経験上、医者ってたいてい、思春期とか人格形成期みたいな時に勉強ばっかりしてるせいか、コミュニケーション能力に欠ける人が多いんですよね。共感能力に乏しい。私の関わってきた医者はね(笑)
江間先生もそんな感じ。早田に独善的な判断で薬を打ち、彼の追及から逃げるように、「人をよこすから」と病室を去る。「君の気持ちもわかる」って言いながら、たぶん早田の気持ちを考えたこともないんだろうなって思う。批判してるわけではないですよ!!
なんか、医者らしい医者だなって思いました。
医療従事者ならわかるかな(笑)
あー、こういう医者いるいる、ってね。





権堂令子(医療ケースワーカー):高城信江

上手いなぁ〜、って思いました(笑)
あまりにも偽善的な演技がね。早田が一度そう言うと、もうそうしか見えなくなっちゃう。
早田を元気付けるためか、必要以上にオーバーリアクションな彼女に、負の感情を抱いた観客は少なくないはず(笑)
早田と考え方が水と油と言うか…様々な論理を展開して 死を結論づけた早田に対して、彼女は自らの経験と価値観から、信念を持って早田を立ち直らせようとします。終わらせようとする早田と、これからを見据える権堂。早田と江間の対立が決定的過ぎて見逃しがちですが、彼女の信念もまた、早田の理屈とは真っ向から対立しています。劇中ではあまり描かれませんでしたけど。
けれども、彼女も決して悪役ではありません。ただ、彼女の価値観は早田の選択を受け入れることは不可能なのかもしれません。












ちょっと…長すぎたので……









切ります……