郵便配達事情
日本から郵便で小包が届いた。
というより、「小包が来ましたよ。郵便局まで取りに来てくださいね」というお知らせがポストに入っていた。
不在宅の通知ですらない。
家まで持ってきてくれないのだ。
どうやら家まで普通郵便の小包を持ってきてほしい場合は、お金を払って契約する必要があるらしい。
知らなかった…。
というのも、今までは、DHLや国際小包便でない一般(国際)郵便のこづづみといえば、封筒に入った本や、ポストにも入りそうな小さな箱しかなくて、これらは普通にうちまで持ってきてくれていたのだ。多分小さかったからだろう。
というのも、うちに配達に来る郵便屋さんは、日本のようにバイクではなく、徒歩である。
どこか近くに車を停めているのかもしれないが、マンションを一軒ずつ、買い物カートのようなものをひきながらまわっている。
ざっとこんなかんじかな。→
絵がおおざっぱすぎる?
とにかく、夕食の買い物に行くおばさんみたいな姿なのだ。配達員は大体おじさんなんだけど。
ちなみにカートの黄色は、スペインの郵便局correosの色。
まあ、こんな配達員だから、たくさんの小包をもって歩きたくないのね、という気持ちは分かる気がするのだ。
さて、こちらがうちに届いた、例のaviso(通知)の紙きれだ。
あて先の住所はこの写真では消してしまったが、結構キレイな飾り文字風の筆記だった。
これは、不在通知だったら配達員が書くのだが、この場合は地域の郵便局員が書いているはずだ。
丁寧な字を書く人だなぁ、と思って眺めていると・・・
ん?
日本語が書いてある!
なぜ?
あまりにも上手く書いて(描いて?)あるので、一瞬本当に戸惑った。
多分、小包に書いてあった日本語を一生懸命写したのだろう。
なんてヒマな… なんておちゃめな!
しかもremitido por...ってところには本来、発送人の名前を書くべきだから、日本語が読めないこの人は、どれが名前なのか分からず、とりあえず一番上にあった単語っぽいものを写したのだと思われる。
発送人:日立市? でも、誰からの荷物かは分かったから助かった。
で、郵便局に取りに行ったら、ふたつの小包受取窓口にはたくさん人が並んでいたのだが、ちょうど次が私の番、という時に、裏から3人目の郵便局員がフラリと現れ、「小包取りに来たの?」と声をかけてくれた。
例の紙切れを渡すと、彼は裏から小包を取ってきて、他の局員に、とても嬉しそうに、「見てこれ、僕が日本語を書いたんだよ」と紙切れを見せている。
犯人はあなたか!
「ちゃんと書けている?」と聞くので、あなたが書いたのは都市名だったけど、でもものすごく上手くてびっくりしたよ、と言ったら、本当に嬉しそうだった。
やっぱりおちゃめな郵便局員だった。