もう帰るわ〜と言いながら、
息子殿がまだおれよーという言葉に、母はずるずる。
息子殿が、帰る前の日に「明日お宮参り行こう」と言い出した。急遽決定。
こんなん急に決めて行けるもんちゃうやん…と思ったが、めでたい事やしな。
いったい何処へ??? 記念写真はどうする?と半日あたふたあたふた。
もう暑いからあのごつい着物みたいのは無しでいいかとなり、
そんなこと考えてなかったので、私の…その…らしい服が無かった。
浮かれたような黄色のワンピースと、Tシャツと敗れたジーンズしかない。
困った困った。困ったよー。
そしたら、嫁ちゃんが、私がマタニティ用に渡していたワンピースとボレロを出してきてくれた。
「お母さん、これはどうですか?」
確かに浮かれ気味の花模様のワンピースより色は落ち着いてていいかも。
それは、
はるかちゃんが鬱気味で荒れていて、めっちゃ落ち込んで泣いてる時に、少しでも喜ばせようと、おやこお揃いで色違いに買ったものだった。
はるかはからし色。
私のは淡い紫色だった。
お店の人に、はるかが、いつもよりもお気取り声で「私たちおやこ仲いいんですよ〜♡」なんて言ってるのを聞いて、何やらこっぱずかしい気持ちになったのを思い出した。
お嫁ちゃんにあげたつもりだったけど、少し小さかったそうだ。
はるかの服、結局、私のとこに戻るように出来てるんやな。
だから、
はるかちゃんの服を着て、お宮参りに出かけた。
はるかは私のとこに戻ってくるようにできてるんだ。
あの世なんか、なくても別にいい。
私のそばにいてくれたら、それでいい。
孫が産まれても、やっぱりはるかがいちばんこいしい。
行ったところは……たかはた不動尊だった。
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