「たのしいふゆごもり 」 第6話
片山令子 作
片山 健 絵
ごはんが すむと、おかあさんは まくらを つくりました。そしてー
「こんどは、ふゆごもりの よういの いちばーんさいごよ」
おかあさんは、ちいさくなってしまったこぐまのオーバーを こわし、いろいろなかたちにきりました。
「まわりをぬって……わたを …いれていくの」
「それ、あたしが とった わた?」
「そうよ。どろを おとしたら、ほら、ちゃんとつかえる」
「やまねちゃんと いっしょに とったんだ。 ねえ、それ、まくら?」
「はずれ」
「わたをいれたら……こうやって とじて……ここに きのみをつけるの」
「それ、あたしが とった きのみ?」
「そう。 きれいだねえ」
「りすちゃんと いっしょに とったのよ。それ、あのこの めのいろだね」
「そうよ。これは りすちゃんなんだもの」
「あっ、そうか。ぬいぐるみね!」
くちと はなと ひげを、いとで ししゅうすると、りすのぬいぐるみは できあがりました。
「うわー、そっくり そっくり」
おかあさんは、それから おじいちゃんと、かえるのこと、やまねのこの ぬいぐるみを つくっていきました。
ぬいぐるみが できあがると、みんなで いっしょに はちみついりの おちゃを のみました。
「これ、あたしが とってきた はちみつ?」
「あたり! おいしいね」
「あたり! おいしいね」
「あたし、はな、さされちゃったの。あーあ、まだ はれてるよ。おじいちゃん、いま なにしてるかな」
「きっと、あなたのこと おもいだして、おちゃ のんでるよ」
ゆきが ふってきました。
「あっ、ゆき。でも だいじょうぶ。ふゆごもりのよういは、すっかり できているものね。おかあさん」
「ええ、もう だいじょうぶ。こんやは、ずーっと おきてても いいよ」