スキーの思い出

随分むかしのことだけど、
スキーにちょこちょこ行っていたことがあった。

私はそんなにうまくなく、本当はボーゲンレベルなんだけど、もっともっとと欲張ってその日は中級者コースの方に行きたくなった。

登りは簡単なんだよ。リフトだから。座ってるだけで着く。

ハの字でゆっくり降りれば、急斜面でもきっと大丈夫(^^)

向こう見ずなとこは今も昔も変わらない……

おぼろげな記憶ではその日はたまたますごい雪だったように思う。

その中級コースは、私の想像をはるかに超えた急斜面だった。

だいじょぶ、だいじょぶ、、
落ち着いて滑れば
だいじょーーぶだって!!!

滑走路?何て呼ぶの?呼び方さえ忘れたが、滑るとこは割と狭く、しかも、曲がってたりした。

曲がるたびにこけそうになった。

一回こけたら、転がり落ちて、泣いてしまいそう。

だって、あんまり人がおれへん。
おれへんのじゃなくて、みんな上手い人しかおらず、ひゅーひゅー滑り降りるから、あたりに止まってる人がいなかっただけなのか。

ゆっくりゆっくり滑っていたけど、馴染みの下界にはまだまだ遠くて、正直、後悔した。

広いとこまで頑張って行ったら、どーんと視界が広がった。

がんばれ、わたし。

がんばってゆっくり滑りおりたけど、、、途中で転けてしまい、
斜面が急だから、転がり転んで、雪まみれになった。

半泣きになりながら、ようやく起きあがったら、ストックはすんご~い下に落ちていた。

皆さん、スキーの装備はご存知ですよね。
私はまあまあそこそこ流行のウエアを着ていた。身体は細いほうだった。可愛い帽子もかぶり、もちろんゴーグルもしていた。

そんなスキーの格好をしていたら、正直、どれぐらいの年齢の人なのか、まったくわからない。。。

白い雪の舞うゲレンデはとてもロマンチック。

遠くに転がっているストックのそばに、お若いお兄さんがおられて、私のほうを見上げ、ストックを振って合図して、えっさほっさ、ガッガッガッガッと、上がってくるではないか!!!~_~;

あ~あ~、やめてくれ~!

頼むから、来ないでいい!

来ないで~!

そんなしんどい思いをして上がってくるな~!!!

みなさん、急斜面を、スキーをはいたまま、登るってどんなしんどいことか、ご存知でしょう?

何のために上がってくるのや!!

来ないでくれ~!

吹雪いていた。~_~;

声など出せなかったし、届くわけもなかった。。。

雪まみれで無惨な私は、ストックが届くのを黙って待つだけだった。

来ないでいいって、心の中で、叫んだのに、、、
勝手に来たのは貴方です。
私のせいやない、と小さくつぶやいた。

お兄さん、あの時は、本当にどうもありがとう(^O^)