わざわざ書くこともないのですが、本格的に仕事が忙しくなったのでブログを休止することにしました。今まで絡んで下さった皆様、ありがとうございました!


明日も美味しい酒が飲めますように。


最後に僕の大好きな坂口安吾の文章を引用…しようと思ったのですが、いい感じのやつが浮かばなかったので、またの機会に。


ほいじゃったら、また。
「日本酒、焼酎、ビール、ウィスキー、コニャック、ぶどう酒、ウォッカ、ジン、シュナップス、エール、スタウト、何によらず、あらゆる酒は、もしそれぞれの熟成過程をせかさずにたっぷりおっとりと眠り、追及されたあとなら、製法が蒸溜だろうと醸造だろうと、飲んでピンとわかるのは、あらゆる飲料の父祖、あの水のようにさらさらスルスルとのどを通るものだということ。この一点ではあるまいか。のどにヤスリをかけずにツルツル落ちていく酒。いかに豊満華麗の香りと響きを負わされた、人と歳月の技の極致をいかにかさねた美酒であっても、その本質はあの水を理想としているらしいということ。これが近年、乱酔、めちゃ飲み、混沌、悪酔のあげく、ようやく察しがつくようになってきた。すべてを尽して水にいたる。すべてをきわめて水にもどる。」
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「白いページ 開口健エッセイ選集」開口健(光文社文庫)


こんな饒舌な文章が書いてみたいものです。理想は高く!…って高過ぎか!登山の初心者が冬の槍ヶ岳に登りたいと言っているようなものですね。…まずは大阪の天保山から登ることにします。


先程、ツレの結婚式の余興の打ち合わせを終えて帰って来たところです。今日のテーマは「酒は飲むもんや!呑まれたらアカン!」でした。無事帰って来ましたよ。

さて、明日も肝臓をだましだましお酒飲む気マンマンですか?そんな酒好きに捧げる料理本を紹介するこのシリーズ。需要のないところにブチ込みます!自己満ブログですから。

…決して書くネタに困った末の逃げの手ではありません。安牌切りではありませんよ。本当ですよ。

親がリーチしやがったよ。リーピンドラ無しのリャンシャンテンか。決まりだな、降りよう。とりあえず…この一冊。

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「きき酒師がつくるおつまみ一行レシピ」やまはたのりこ著(vela BOOKS)


情報過多の現代社会。効率的に情報を集めて外れクジを引かないことが勝ち組だとかぬかす輩もチラホラ。そんな奴は一生誰かの喜び組ですよ、ええ。

懇切丁寧に手取り足取り教えてもらうのではなく、最低限の情報と自分の経験、勘を最大限に働かせてぶつかっていく、そうやって情報は知識となり智恵となるもの、情報の取捨選択の上手さが頭の良さではないのだよ、というのが僕のおじいちゃんからの伝言です。遺言じゃありません、まだ元気に農業してます。

とはいえ知らず知らずの内に情報に操られている毎日です。

そんな時代を逆手にとった料理本。丁寧に解説はしないわ!それが私のスタイルよ!そんな本です。

題名通り利き酒師による簡単で美味しい一行レシピ。例えば「銀ダラの味噌漬け焼き」はこんな感じ。

「銀ダラを酒でのばした西京味噌に一晩漬け、軽く味噌をぬぐい、弱火で両面を焼きます」

間違いなく美味しい肴が想像できますね。この一行から何を読み取るか、どう実行するか。力量が問われます。

しかし、どれも簡単な料理ばかりなので、深く考えず酔った勢いでチャチャッと作ってしまいましょう。少々塩辛くても、だってーお酒がーススム君だもーん、とごまかしてしまいましょう。

金払っておいしくないものを食べさせられたら腹が立ちますが、自分で作った結果の失敗ならいい勉強です。出来の悪い子どもほど何とやらですよ。


B型でしょ?と言われてムッとしてしまうそこのあなたにオススメします。家で作る酒の肴こそB型の独壇場なり。

本文の英訳が載っているので、海外出身の友達へのプレゼントにもいいと思います。意外と英訳付きの日本料理の本って少ないらしいんですよね。学生時代の留学生の友達が言ってました。たぶん喜ばれますよ!

また、少しですが、利き酒師ならではの日本各地のおすすめの日本酒も載っています。


酒処をを巡って旅したいなー、BS-TBSで放送してる「吉田類の酒場放浪記」が羨ましいなー、そんな時間も金もないし今日も家で晩酌だー。…そんな時に活躍します。


チープでいいのだ。それが俺が選んだものならば。


写真も綺麗で食欲をそそりますよ。1200円と少し割高感はありますが、装丁も上品で素敵です。
「健全な精神と、健全な肉体は別なものだ。そして、酒は肉体的には不健康であるけれども、精神にとって不健康だとはいえない。すくなくとも、私にとっては、そうだ。私に酒がたのしく、うまく飲めれば、私はこの上もなく健康に仕事ができるのである。」(「人生三つの愉しみ」坂口安吾)



どんな酒でも飲んだら酔えますが、できれば美味しい酒で酔いたいものです。

そして美味しい酒には美味しい料理。この二つは足し算ではなく掛け算であります。故に美味しさが何倍にもなる次第。

お店に行き料理のプロフェッショナルに作ってもらうのもいいですが、自宅のキッチンでだらだらと肴を作りながら酒を飲むのもオツなものです。


うち、美味しいお酒だけやったら物足りひん。美味しい料理もないと生きていかれへん!


そんな欲張りでやらしい体の酒飲みにぴったりな料理の本を紹介していこうと思います。

…決して書くネタに困った末の逃げではありません。ストレートを置きにいった訳ではありませんよ。違いますよ。


そんなカウントノースリーからの第一冊目はこの本です。

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豚料理 和・洋・中・韓の基本料理とアイデア料理182(柴田書店)

好きの反対は嫌いではなく無関心だなんてよく聞きます。好きと嫌いは紙一重。好きすぎて嫌いになったり、大嫌いだったのにいつの間にか大好きになったり。人間の心はめんどくさいものです。


何ね!綺麗な女の人見て鼻の下伸ばしてから。このスケベ!…うちアンタなんか好かん!もうデートなんかしてやらんと!


さて、豚です。

醜いだ汚いだ何だのと言われますが、あの愛嬌のあるフェイスとボディー、鳴き声はブヒブヒー。目の前にいたら、色んな意味でみんな無関心ではいられないはず。

そう、豚ほど人間に愛され嫌われている動物はいないでしょう。

宗教上食べない国も多いですが、僕の勝手な推測では、好きの裏返しなのではないか、と。わざわざ禁止するってことは、それだけ美味しくてみんなが好きってことでしょう。それだけ人の暮らしと密接な関係にある証拠。

でも近ければそれだけ嫌われる可能性も高くなるわけで、


おいブタ


なんて言われて喜ぶ人も中にはいるでしょうが、たいていどこの国でもブタは蔑称だと思います。

でも反対に、

僕のかわいいコブタちゃん、なんていう愛の表現をする国があっても全然おかしくない。ちょっと主旨は異なりますが、

ブヒブヒ言ってんじゃないよこの薄汚い豚野郎!…でもお前のこと…大好きだよ!ありがたく思いな!

そんなツンデレ女王様もいるはずです。…何が言いたいのか自分でわからなくなってきました。


さて、噂の気になるアイツはもちろん酒のお供にぴったり。上記の本は、和・洋・中・韓の定番の豚料理を、それぞれの一流料理人が解説したものです。

中にはブランド豚等、手に入りにくい食材もありますが、信頼できるお肉屋さんの常連になれば手に入るかもしれませんし、無理だったら適当に自分なりにアレンジすれば問題ありません。

装丁、写真も大変綺麗です。読むだけでも幸せな気分になれるはず。少し値段は高めですが、その価値はあります。

また、巻末に日本全国の豚の銘柄が載っています。僕の故郷広島だと「幻霜ポーク」が有名です。各地に旅行に行った際に探して食べてみるのもまた一興。

僕は一生することはないでしょうが、子豚の解体方法も載っていますよ。


豚料理の歴史は、人と豚の愛憎の歴史でもあります。その結晶がここに。