ミストの足元に咲いた光は、
まるで「ようこそ」と語るようだった。

扉の向こう。
そこには、霧に包まれた回廊が続いていた。

でも、その霧はもう、冷たくはない。
やさしく、懐かしい気配をまとっていた。

ミストは、振り返らない。
あの灯りが、ちゃんと胸の奥にあるから。

やがて、霧の奥に──
ぼんやりとした「輪郭のない誰か」の気配が現れた。

まだ名もなく、姿も定かでないその存在は、
ひとつの声なき問いを抱えて、霧の中に立ち尽くしている。

ミストは、その魂に向かって歩き出す。
かつて、名前を失くした者たちへ──

そして、第四章が始まる。



🕯️nekkot