今日、久しぶりにアメブロを覗いてみたら、お友達のMayさんのブログが消えていました。
もしこの記事を見ましたらご連絡ください。
かなり心配しています。

容疑者Xの献身


内容
天才数学者でありながら不遇な日日を送っていた高校教師の石神は、一人娘と暮らす隣人の靖子に秘かな想いを寄せていた。

彼女たちが前夫を殺害したことを知った彼は、二人を救うため完全犯罪を企てる。

だが皮肉にも、石神のかつての親友である物理学者の湯川学が、その謎に挑むことになる。

ガリレオシリーズ初の長篇、直木賞受賞作。

評価 7 ★★★★★★★

容疑者Xの献身/東野 圭吾

長いこと映画館に足を運んでいなかったのですが、10月中に原作を読み終え、11月の初めに映画を観に行ってきました。
テレビドラマが予想以上に面白かったので、映画化された時には観にいこうと決めていました。

Cinema Diary-x 福山主演というと、20代~30代の若い女性の支持が圧倒的だと思われがちですが、このシリーズに関しては、年代や男女といった枠にはとらわれない魅力があると思います。

とりわけ、今回映画化された作品は、東野圭吾の最高傑作として名高い「容疑者Xの献身」の映画化であり、同著は第134回直木賞を受賞した本格的なミステリーです。

原作が素晴らしかっただけに、わたしもかなり期待して観にいきました。


そこで実際に映画をみた感想ですが、原作に惚れこんだ人ほど、期待はずれの映画に終ったんじゃないかな? という感じです。


不満な点がいくつかあります。
まずキャスティングに明らかなミスキャストが存在します。

それは、原作では中小企業の社長で容姿も整っている工藤役にダンカンをあてたことです。
この工藤という人物は原作では靖子が恋をする相手として描かれ、石神の容姿コンプレックスを強める重要な役目を担い、さらに湯川が石神の心を読む大切な鍵になる人物なのですが、その工藤役にダンカンというのは、どう考えてもありえない設定だと思いました。
少なくともわたしは、ダンカンがスクリーンに出てくるたびにしらけました。

ミスキャストといえば、天才数学者の石神役になぜ堤真一が選ばたのか理解不能に陥った原作ファンも多かったはずです。
なにしろ石神という人物は、原作の中では実に冴えない無表情な中年男、およそ女性とは縁のない風貌の人物として描かれていたからです。
その石神役を、堤真一が演じるというものだから、どんな展開になるのか注目したのですが、こちらは何故か違和感がありませんでした。
工藤役のダンカン、石神役の堤、2人とも原作とは正反対の風貌なんですが、工藤=ダンカンはNGでも、石神=堤というのは妙にはまっていました。

続いてこれはまずいなと思った点は、事件の核心部分に触れるある描写を映画の中で流し、そこに変化を入れたこと。
この描写は必要ない、というか絶対にいれてはいけないでしょう。


原作にはなかった冬山の遭難シーンを入れたことも、その必要性をまったく感じません。
あのシーンを入れるなら、石神・靖子・工藤の関係を事細かに描いたほうがよかったはずです。
この3人の関係は大雑把に描かれすぎです。
たとえば、恩人である石神を靖子が徐々に畏怖していくシーンなどを、もっと効果的に取り入れたほうがよかった気がします。


印象に残ったシーンは、トリックもさることながら、ドストエフスキイの罪と罰を彷彿させるラストシーンに尽きます。

原作ファンとしては物足りないところがあったのも事実ですが、娯楽映画としては上出来だと思います。



2008年 128分 日本

監督:西谷弘   
製作:亀山千広
脚本:福田靖
撮影:山本英夫
原作:東野 圭吾

出演
湯川学:福山雅治
内海薫:柴咲コウ
草薙俊平:北村一輝
栗林宏美:渡辺いっけい
弓削志郎:品川祐
城ノ内桜子:真矢みき
工藤邦明:ダンカン
富樫慎二:長塚圭史
花岡美里:金澤美穂     
葛城修二郎:益岡徹
柿本純一:林泰文
花岡靖子:松雪泰子
石神哲哉:堤真一

ストレンジャー・コール

(WHEN A STRANGER CALLS)


内容
人里離れた丘の上に建つ一軒の豪邸。
ベビーシッターとしてやって来た美しい女子高生ジル。
夜、静寂に包まれた屋敷で一人留守を請け負った彼女のもとに不審な男からの電話が…。
「子供の様子を見てみろ。」何度も繰り返される着信音。
増幅していく緊張感。
発信元を調べるため逆探知を頼んだ彼女が知った絶望的現実。

評価 6 ★★★★★★

ストレンジャー・コール

人里離れた豪邸に、ベビーシッターとしてやって来た女性が、謎の殺人鬼に襲われるというよくある話です。
ショッキング・ホラー、サスペンス・スリラーという位置付けですが、全編を通じて凄惨な場面はほとんどありません。

この映画の特徴的なのは凄惨な映像やスプラッター的表現で怖がらせるのではなく、シチュエーション的な恐怖感で怖がらせるところにあるかと思います。
血はほとんど一滴も流れず、純粋にストーリー展開のみでホラーサスペンスを盛り上げる点が、他のサスペンス・スリラーと異なっています。

ベビーシッター先で、主人公の女性は謎の男からのいたずら電話に悩まされることになりますが、電話を怖れる主人公の精神的葛藤がかなり長時間に渡って描かれています。

その間、登場人物もほとんど主人公の女性ただ一人の状態で展開していき、犯人は確かにいるんですが姿をあらわすことはなく、人も殺されているような感じなのですが死体はどこにもない・・・
精神的なプレッシャーをひたすらかけ続け、ひょっとして、このまま犯人も死体も出てこないまま映画が終わってしまうのはないかと思えるほどのひっぱり方でした。


z1 ここまで思わせぶりな演出でひっぱるのであれば、最後の最後まで犯人も死体も出てこない映画に仕上げたほうが面白かったかも知れませんね。

主人公のジル役のカミーラ・ベルはかなり可愛いので、それでもいいような気がします。

しかし、警察からの電話をきっかけに状況が一変し、豪邸の中を犯人が主人公を追い掛け回す展開になります。

ただ、このクライマックスはあまり怖くありません。
ここで初めて死体が登場するのですが、死体も眠っているような感じですし、犯人が怖い攻撃を仕掛けてくるわけでもない。

そして、唐突に終わるラスト・・・
全体的に、上品なサスペンス・スリラーといった感じでまとまっています。

ちなみにこの映画は、1979年製作のサスペンス・スリラー「夕暮れにベルが鳴る」のリメイクです。

2007年 アメリカ 87分

監督:サイモン・ウェスト
製作:ジョン・デイヴィス他
脚本:ジェイク・ウェイド・ウォール
原作:『夕暮れにベルが鳴る』

出演
カミーラ・ベル
ケイティ・キャシディ
ブライアン・ジェラティ

ザ・サイン(After Image)


内容
連続猟奇殺人を予知してしまう女性に襲いかかる恐怖を描いた戦慄のサイコスリラー
故郷へ帰った殺人現場カメラマンのジョーは、叔母の家で耳が聞こえない女性ローラと出会い、やがて互いに惹かれていく。
しかし、彼女には殺人現場が鮮明に見えるという予知能力を持っていた。
ジョーの周囲には殺人犯の影が見え隠れしはじめ…。

評価 2 ★★

ザ・サイン [DVD]

最近見ましたが、途中で見るのをやめたくらいキレの悪い映画でした。
DVDのジャケットと宣伝に騙されたような気がします。

はっきり言って1時間見ているのが限度で、最後まで見れませんでした。
抽象的に描きすぎていて、何が言いたいのかよくわかりません。

なにより話のテンポが遅いので見ていて飽きるのです。
特に最初の30分は苦痛以外の何物でもありませんでした。

薄気味の悪い死体写真を見せられただけのような気がします。
主演はアメリカの伝説的ロックスター、ジョン・メレンキャンプだそうですが、そんなこと知ったことかと思うくらい、凶悪な駄作です。
出演者の演技はまずまずだったので星2つ


2001年 イギリス・アメリカ 92分

監督・脚本:ロバート・マンガネッリ
脚本:トニー・スキラッチ
撮影:カート・ブラッビー

出演
ジョン・メレンキャンプ
ルイーズ・フレッチャー
ビリー・バーク
マイケル・ゼルニカー
テリレーヌ