第4話
夜間学校1日目。
周りを見ると髪の金色の女子とか柄の悪そうな男子でいっぱいだった。
どうみても自分が場違いだ。恥ずかしい。こんなやつらと一緒に見られるなんて悔しい。
「こんばんは~♫」
ドアから明るい声がした。どうせこいつらの同類だろうと振り返りもしなかった。
すると周りの女子から
「お~八重じゃん!遅いっての」
と声が上がった
―八重・・・?
振り返るとそこには制服に身を包んだ三ノ宮さんが立っていた。
「あれ?鷲島君?」
「っ・・・・!」
気づかれた・・・
「どうしたのー?なんで夜間に来てるの?」
そりゃぁこっちの台詞だいっ!
「えーと・・・ですね。父親が昼間にいけないんならせめて夜はいけって・・・」
聞かなきゃ・・・ここで会話は終わらせられない。終わらしちゃ駄目だっ―――――
「さ・・・三ノ宮さんこそ何で・・・?」
聞けた―――
おそるおそる彼女を見ると少し眉をひそめてにこっと笑った。
「だは~っ・・・私バカだから。昼間の学校だけじゃついて行けないの。特別に昼も夜も行ってるんだよ。まぁ、おかげで毎日寝不足でございます・・・・・」
ふわぁ・・・
っ――――
か、かわいい・・・///
小さく欠伸を漏らす周りとは全く違う空気を漂わせるかわいらしい彼女に俺は惹かれて溺れそうになっていた・・・。
第3話
その日は始業式だけで終わる日程だったからほんの3時間ほどで家路についた。
帰ろうとした自分の背中に向かって手を振り「また明日っ、鷲島くん!」と彼女は言ってくれたのに彼女の顔を見るどころか返事もしなかった。いや、出来なかった。
だってそのとき自分は顔が真っ赤だったから。
「ただいま・・・」
蚊の鳴くような声で母に家に着いたことを知らせる。
靴を脱いでいるとパタパタとスリッパの音を響かせながら走ってくる
「あら、お帰り。どうだった?久しぶりの学校は」
「別に・・・変わったことはなかったよ・・・」
あっただろが!
「そう・・・ま、まぁ行けそうだったら明日からも・・・」
まだ続きがありそうだったけど今日あったことが頭のなかでごちゃ混ぜになって上手く返事が出来そうになかったから
「わかってる・・・」
と小走りに2階の自分の部屋に逃げ込んだ。
――――・・・いたい・・・
彼女に会いたい・・・
そうは思っていても会えば顔が真っ赤になる。恥ずかしいから会えないよな・・・
そんなことをベットに寝そべって考えていた。
学校に行けば会えるけれど運悪く席が微妙に近い。それに自分の席の隣の奴と仲が良いらしくよくしゃべりに来る。そのたびに真っ赤になっていては身が持たない。
この状態で学校に行って授業を受けても全部上の空で聞いたことにならないだろう。
どうすれば・・・いいのかな・・・・
夜、父さんが帰ってくると部屋に呼び出された
あぁ、学校の事だろうな、と思いながらそそくさと部屋へと向かった
案の定学校話だったが俺の想像は半分当たっていて半分違っていた
「学校に行け。まぁ、難しいなら夜間学校でもいい。とにかくあと2年はちゃんと学校に行きなさい」
夜間学校・・・
そんなの意味がない。彼女に会えないのだから・・・
彼女に会えないのに学校に行ってどうする・・・・?
頭の中で考えていても父さんは苦い顔で決めてしまった。
「では、明日の9時からだ。もう手続きはしてある」
はえぇよ!俺の気持ちはぁ!?
先ほどよりさらにどんよりしながら階段を上る・・・
もう・・・彼女とは会えないんだな・・・
虚しさと力のなさが急に笑えて小さくフッと声を漏らす。
窓をガラッと開けると夜の桜の匂いがした
帰ろうとした自分の背中に向かって手を振り「また明日っ、鷲島くん!」と彼女は言ってくれたのに彼女の顔を見るどころか返事もしなかった。いや、出来なかった。
だってそのとき自分は顔が真っ赤だったから。
「ただいま・・・」
蚊の鳴くような声で母に家に着いたことを知らせる。
靴を脱いでいるとパタパタとスリッパの音を響かせながら走ってくる
「あら、お帰り。どうだった?久しぶりの学校は」
「別に・・・変わったことはなかったよ・・・」
あっただろが!
「そう・・・ま、まぁ行けそうだったら明日からも・・・」
まだ続きがありそうだったけど今日あったことが頭のなかでごちゃ混ぜになって上手く返事が出来そうになかったから
「わかってる・・・」
と小走りに2階の自分の部屋に逃げ込んだ。
――――・・・いたい・・・
彼女に会いたい・・・
そうは思っていても会えば顔が真っ赤になる。恥ずかしいから会えないよな・・・
そんなことをベットに寝そべって考えていた。
学校に行けば会えるけれど運悪く席が微妙に近い。それに自分の席の隣の奴と仲が良いらしくよくしゃべりに来る。そのたびに真っ赤になっていては身が持たない。
この状態で学校に行って授業を受けても全部上の空で聞いたことにならないだろう。
どうすれば・・・いいのかな・・・・
夜、父さんが帰ってくると部屋に呼び出された
あぁ、学校の事だろうな、と思いながらそそくさと部屋へと向かった
案の定学校話だったが俺の想像は半分当たっていて半分違っていた
「学校に行け。まぁ、難しいなら夜間学校でもいい。とにかくあと2年はちゃんと学校に行きなさい」
夜間学校・・・
そんなの意味がない。彼女に会えないのだから・・・
彼女に会えないのに学校に行ってどうする・・・・?
頭の中で考えていても父さんは苦い顔で決めてしまった。
「では、明日の9時からだ。もう手続きはしてある」
はえぇよ!俺の気持ちはぁ!?
先ほどよりさらにどんよりしながら階段を上る・・・
もう・・・彼女とは会えないんだな・・・
虚しさと力のなさが急に笑えて小さくフッと声を漏らす。
窓をガラッと開けると夜の桜の匂いがした
第2話
校門前で立ちつくす・・・
今の女の子は何だったんだろう・・・。
キーンコーンカーンコーン
校内に入らなくてはならないチャイムが響いた。我に返ると周りには生徒が誰1人として居なかった。
こうなるとさすがに慌ててしまう。急いでクラス発表を見て何組かを確認し、急いで教室に上がった。
ガラッと扉を開けるとチャイムが鳴ったにもかかわらず教室は騒がしかった。ドアの音に気づいたのも数名でほっとした。すると一瞬時がスロー再生されたようにゆっくり流れ、窓の方から彼女が駆けてくる
「鷲島くんっ!遅いよ~待ちくたびれちゃったっ!また同じクラスだねぇ~やった!仲良くしてね!」
「あ・・・うん」
――――聞かなければ・・・!
彼女の名前を。今、聞かなければ・・・
「あ・・・」
声にならない声が口から零れ落ちた。そうしたら急に間抜けた声を発した自分が恥ずかしくなった。
「ん?なに??」
―――――っ・・・!
顔が・・・っ近い・・・///
1年間自分の母親しか女性を見ていないからかとても緊張して、ドキドキして、目線を逸らす
「あの・・・おれ・・・僕は・・・君の名前を知らないんだけど・・・」
言えたっ・・・!・・・?なんで喜んでるんだろう・・・自分で自分の発した言葉を喜んで、その後その喜びにツッコんでしまった自分を馬鹿らしく思う。
「あっ・・・ゴメンねぇ・・・八重ってば、自分のことしか考えて無くてぇ・・・」
「え・・・?いや・・・僕が君を知らなくて・・・ゴメン・・・」
「なんで鷲島くんが謝るの?面白いねっ鷲島くんっ」
いや、君の方が100万倍面白い性格だと思うよ!!?
「えと・・・名前ねっ、私は三ノ宮 八重(さんのみや やえ)って言いますっ!みんなには『やー』とヵ『八重』って呼ばれてるよ!鷲島くんも、八重って呼んでいいよ~」
呼べるかーっ!
「じゃ、、、じゃぁ三ノ宮さんで・・・」
「えーつまんないな~まぁ、男の子だもんね~しょうがないっ、今回は八重さんが許してあげましょう」
ありがたき幸せっ!
そして、また窓の方から三ノ宮さんを呼ぶ声がして彼女はタタッと戻って行った
そのとき、彼女の制服から1枚の桜の花びらが舞って床に落ちた。
その何でもない桜の花びらを拾ってまだ新品同様の詰め襟のポケットに大事にしまった・・・。
第1話
俺が君と出会ったのは桜の舞う春の暖かな陽気の中たっだった
俺はずっと登校拒否だった。いじめなんかじゃない。ただ、人間と触れ合うのが嫌いだった。
人間なんて大嫌いだ―――
こんな事を言っているのを聞いた人は全員「お前も人間だろう」と言うだろう。
そうだ、それが気にくわない。自分が人間なのが気にくわない。
自分一人じゃ生きられない。他人(ひと)を傷つけて楽しんでいる人間が大嫌いだった。
中学3年の冬。もう高校を受験し、合格通知を貰っていた。だからあとは卒業を待つだけ。
そのときはちゃんと友達もいて卒業までの学校生活を楽しんでいた。
事件はそこで起きた
みんなが慕っていたある生徒が死んだ。その生徒は俺の一番の友達。親友だった。
死因はテロ。それは政府に反発している軍団なんかのテロじゃなく、巷で有名になっていた軍団を真似たそこら辺の破落戸(ごろつき)がおもしろ半分で起こした爆発でだった。
それからだ。俺が人間が嫌いになったのは。その犯人はすぐに捕まったが、警察に連行されるときに彼らは笑って、「まさか、マジで巻き込まれる人が居るなんてな。鈍っ」などと言っていた。俺は確かに聞いた。この耳でしっかりと・・・。
彼が死んでから1週間後、計画通り卒業式が行われた。当たり前のことだ。
俺は彼と同じ高校に行く予定だった。高校の入学式には出た。俺は自分のクラスを見ようとクラス分け発表会場に行くと俺の出席番号の前の名前が白い紙で隠されていた。そう、そこは彼の名前だった。
何もかもが嫌になった。学校に行きたくない。本当に・・・
それから俺は登校拒否になった。
学校に行かずずっと部屋に閉じこもった。出るときはゲームやマンガを買うときだけ。
そのせいでいつもゲームではMAXのレベルまで上がり、マンガは印刷が薄れるほど読み返した。
それでも親友を失った悲しみと虚しさは消えない。よりいっそう強くなって涙となって零れた。そんな日が1年も続いた。
2年生になる新学期。学年の区切りだけは行けという父の説得により今日だけは学校に行くことになった。
「おはよー」
そんな声とともに「彼奴誰?もしかして転入生?」なんてデリカシーの欠片もない言葉が聞こえてくる。
あぁ、嫌だ。汚濁にまみれたこの世界に生きる人間なんて嫌いだ。
ずっとそんな事を考えて学校の校門へとたどり着く。
「おはよう。君ってさ、私と同じクラスだった・・・えと・・・」
驚いた。見たこともない女子に話しかけられれば誰でも驚くだろう。
驚いた拍子にキッと目を鋭くさせ睨んでしまった。人間が嫌いな俺なのに何故か後悔してしまった。
なぜなら彼女がとても煌めいていて、とても可愛いと感じたから・・・
それでも彼女はなにも気にせず
「あっ、思い出したよ!ごめんね忘れてて~君は出席番号23番、鷲島 穐信(わしじま あきのぶ)君でしょ?」
「・・・」
返す言葉もない・・・。入学式にしか行っていない俺のことをなんで知って居るんだろう。集合写真だって撮ってない。俺は彼女の事を知らない。見たこともない。悪いけど・・・・
「あれぇ・・・?違った・・・?」
「あっ・・・いや・・・なんで、君は僕の事を知って居るんですか?」
久しぶりに家族以外の人に声を発した。自分の声が少しうわずっていたのを感じた。
そして少し首を捻った彼女はニコッと微笑んで
「だって、おんなじクラスだったからっ!今年も同じクラスだといいね~っ」
そう言うと彼女を呼ぶ声がして彼女は少し手を振ると走って行ってしまった。
俺は彼女の名前を聞かなかった。いや、聞けなかった。
あまりにも彼女が煌めいていて、彼女があまりにも。可愛かったから・・・。
