矢 10~ビーシュマが、ユディシュティラに説く(逆位置)
ーKeywordー
【終結】
恐れるもの、失うものが、何かありますか?
上に行く道しか残っていないのではありませんか?
-恋愛-
裏切りがあれば、終わりにするタイミングです。
-仕事-
漠然とした恐れにつかまってしまわないで。
-対人-
同情を得る為に嘆く。その中毒性に気をつけて。
カードの意味
クルクシェートラの戦いは、終結を迎えます。この戦いは、インドの貴族主義とその生活様式を一掃しました。
ユディシュティラ(最年長のパンダバ族)は、この荒れ果てた地を支配するために生き残りました。彼の心は、悲しみにより、ほとんど壊れてしまっていました。このような消滅を、彼は、今までにみたことがありませんでした。 それは、文化(ユガ)の崩壊です。絶望の中で、彼は、この世界に残っている一つの倫理的かつ道徳的な確信であるビーシュマに頼ります。
矢のベッドに横たわりながら、ビーシュマは、ユディシュティラに王としての義務を説きました。 戦争から献身的な人たちを逃がす必要があること、生存者にできることは、過去の残骸を救済し、より清らかで、今よりは野蛮でない未来を創るために働くことだけであることなどを伝えます。彼は、数日間続けて話し、倫理的な国政上の論文を作成します。それは、Shanti Parva(平和憲章)として知られています。
この慈悲の最終行為によって、ビーシュマの魂は、体を離れました。
*『マハーバーラタ』は、世界3大叙事詩の1つとされています。(他の2つは、イーリアス、オデュッセイア)。『ラーマーヤナ』と並び、インド2大叙事詩の1つです。サンスクリットで書かれており、全18巻あります。
マハー=偉大な、バーラタ=バラタ族、偉大なバラタ族の物語です。バラタ族のなかのカウラヴァ家(クル家)とパンダヴァ家(パーンドゥ家)の争いを軸に物語は進められます。
物語の登場人物が誰かに教訓を施したり、諭したりするときに、神との対話や賢者の助言として、たくさんの教訓が入っています。それらが、インドの哲学、宗教の原点となっており、特に有名なのが神の歌を意味する「バガバッド・ギーター」です。
「バガバッド・ギーター」は、パンダヴァ家の5王子の一人、アルジュナが戦いを前に、親族でありながら敵対し戦うことの虚しさを嘆くのを聴いた賢者クリシュナが語りかける巻を指します。神へ通じる道として、執着を捨て、もろもろの行為をせよとクリシュナは説きます。アルジュナはすべてを神クリシュナに委ねます。
【Mercury Hiromi 書籍のご案内】