基本的にはキッシュ・ロレーヌですが、ほうれん草とマッシュルームを加えたものです。キッシュを生まれて初めて食べたのは18歳くらいの頃で、チーズやクリームが好きなぼくとしてはこの時、「これほど美味しいものが世の中に存在していたとは!」と驚愕したのをいまだに忘れられません! カルボナーラを発見した時に匹敵する衝撃でした。もうほんとにわくわくしたなあ~あの時。さて、その時のキッシュがベーコンとほうれん草のものだったので、このふたつはやはり外せないですし、個人的にマッシュルームも大好きなのでいつも加えています。最近ではベーコンよりもパンチェッタを使うことがほとんどなので、ちょっとイタリア風味になっているといってもいいのかもしれません。

材料はパイ・シート(冷凍)、パンチェッタ(200グラムほど)、ほうれん草(1束)、マッシュルーム(1パック)、チーズ(グリュイエール、エメンタールなど計350-400グラム)、生クリーム(純乳脂のもの1パック)、卵4個、バター(適量)、胡椒(適量)になります。

①まずは具を用意します。マッシュルームをスライスします。根本についているちっちゃいキノコも使いましょう(笑)。

キッシュ1

キッシュ2

ほうれん草は鍋に湯を沸かしてそこに投入し、アクが出始めたら鍋ごとおろして水にさらし、水がきれいになって冷たくなったらほうれん草だけ取り上げ、水をよく絞って食べやすい大きさに切り分けます。切り分けたら、すべてひとつにまとめてもう一度ぎゅっと絞ります。ほうれん草はシュウ酸を多く含んでいて腎臓や尿道の結石の原因ともなりますので、シュウ酸を溶け出させるためにもゆでたり湯がくことがお勧めです。

キッシュ3

パンチェッタは固まりから切る場合には薄切りにしてから、細い拍子切りにしていきます。すでに拍子切りにしてある市販のパックのものを使う場合には、さらに細く切っておきます。
下ごしらえが済んだら、フライパンに油を引かないで、パンチェッタを並べてごく弱火にかけます。パンチェッタの脂が出ますので、それだけを利用します。火を強くするとパンチェッタが焦げたり、フライパンにくっついたりするので気長に弱火で調理します。

キッシュ4

脂がだいぶ出て来て火が通ってきたら、スライスしたマッシュルームをフライパンに投じます。少しずつマッシュルーム煮えてくるので、これも時々かき混ぜながら気長に調理します。

キッシュ5

マッシュルームからたくさん水分が出るので水分をいったんほぼ飛ばしたらゆがいたほうれん草を加えます。

キッシュ6

ほうれん草の水分を飛ばしながら混ぜていき、最後に黒胡椒を強目に降ります。

キッシュ7

これで具は完成です。

②次に台を作って盛って行きます。まずは22センチのパイ皿にバターを塗って、パイ・シートを敷きます。標準的な冷凍パイ・シートだと、ひとつがパイ皿の半分くらいなので、これを麺棒などで伸ばしてパイ皿の半分以上の大きさにしてそれを皿の片側に敷き詰め、もうひとつを同じように伸ばして残り半分に敷き詰めていきます。パイ皮は特に季節が温かくなってくると麺棒などにくっついて扱いづらくなりますので、そういう時はサランラップで挟んで棒でのしていきます。ただ、そのままだと今度はサランラップが剥がしにくいので、いったん冷凍庫に戻して固めてからサランラップを破れないように気をつけながら剥がして、室温に戻ってやわらかくなったらパイ皿に成形していきます。端などは包丁で切り捨てていきますが、もしもったいなかったら細く切り分けて中に入れてしまってもOKです。

キッシュ8

ここに①の具を並べます。コツは最初にバランスよく底に具の1/3程度を敷いてから、チーズを盛り付け、残りの2/3の具をチーズの上に敷き、最後にチーズをかぶせることです。

キッシュ9

これが具の2/3を敷き詰めたところ。この具を敷く前におろしたパルミジャーノも大匙2くらいまぶしておくととても香りがよくなります。

キッシュ10

最後にチーズをかぶせたところ。チーズはエメンタールとグリュイエールとで3対1くらいにするとちょうどいい感じです。濃い~いのが好きな場合にはグリュイエールを強くしていきましょう。次に卵クリーム液を作ります。まずはボウルに卵を4つ割りほぐします。

キッシュ11

そこに生クリーム(純乳脂のもの)を1パックすべて加えて混ぜ合わせます。混ぜ合わせる時には泡立たないようにします。

キッシュ12

当然ですが、乳脂某率が高ければ高いほどこってりします(笑)。逆にクリームを使わないキッシュもよくありますが、個人的にこれはとてもがっかりします。さて、最後にこの卵クリーム液を台のチーズや具の間の隙間に流し込んでいくようなイメージで注いでいきます。ゆっくり時間をかけながら均等に流しいれましょう。

キッシュ13

③さて、いよいよ焼きます。オーブンを180度で上下熱ありで温め、台を入れて40分焼きます。
表面はよく焦がして中は膨らませた方が美味しくできますので、40分くらいがちょうどいい感じですが、茶色くなりすぎた場合には早目にオーブンから出しましょう。

キッシュ14

このくらい焼けるととても美味しくなります。ちょっと「焼き過ぎかも?」と思えてくるくらいがちょうどいい頃合いです。

キッシュ15

ちょうど焼き上がったところがこれ。

キッシュ16

ぺしゃんこになったくらいが食べ時です。すぐに食べないのだったらしっかり冷めてからラップをかけて冷蔵します。冷えると切りやすくなるので、冷蔵庫でよく冷やしてからお好みに合わせて切り分けます。

いただく時は冷たいままでも充分美味しいですが、オーブントースターで3分ほど温めて、1、2分そのまま置いてからいただくとやっぱりよりいっそう美味しいですね。
冷えたままだとどっしりした塊っていう感じだけど…

キッシュ17

温めるとやっぱりとろ~んとしてきますね(笑)。

キッシュ18