長嶋 有 さんが書いた、
というホンを読んでました。
“フラココ屋”の二階に居候する“僕”が主人公。
でも、ホントは“フラココ屋”が主人公なんだよなぁ。
“フラココ屋”というのは、
西洋アンティーク専門店で、
“僕”は居候だから、タダで住んでいるわけで、
店番をしている。
(でも、バイト代をいただいている)
店の二階というのが、倉庫も兼ねているので
モノがどんどん増えていき、
“僕”の住居スペースは、どんどん狭くなっていく・・・
これだけでも、とっても面白い、と思う。
“フラココ屋”に集うヒトたち・・・
店長、
店の大家さんの孫の朝子さんと夕子ちゃん、
向かいに住む、何も買わない常連客・瑞枝さん、
“僕”の日常は、これくらいしか
ヒトとの関わりは無いのだけども、
ナンだか、とっても豊かな毎日が過ぎていくのです。
『君はつくづく、背景みたいに透明な人だね』
なんて、瑞枝さんに云われたりするのですが、
褒めコトバにも聞こえてくるのです。
(やっぱり、決してホメていないのだろうけど)
“フラココ屋”という名前って、
(見た目)
カワイイ、ハイカラな、懐かしい・・・
でも、
(書いてみて)
中途半端な、納まりの悪い・・・
そんな“フラココ屋”に流れる、豊かな時間。
それは、
このホンを読んでいる時間でもあるのでしょう。