ご相談を受けていてたびたび出会うケースがあります。
母親に、あなた(子ども)のために離婚しなかった。
と言われてきたお子さんが、大人になって苦しんでいるケースです。
「本当は、お母さん離婚したかったんだけど、あなたのことを考えてできなかったの」
決して言ってはいけない言葉です。
こんなことを言われると、子どもは、こう思います。
「自分さえいなければ、お母さんは苦しまずにすんだ。
自分は悪い子だ。自分なんて生まれてこなければよかったんだ」
その思いは、自分の存在そのものの否定となり、その人の人生を苦しめます。
それと、次のようなケースも上記と同じように、子どもに強い自己否定感を与えます。
それは、親が離婚の理由を説明しないということです。
意外ですよね。
親としては、子どもに余計な心配をかけたくないから、離婚の理由に触れないのかもしれません。
けれど、離婚の理由を説明されないと、子どもは、こう思います。
「わたしが悪い子だから、お父さんとお母さんは別れたんだ。
だって、わたしのせいじゃないんなら、きちんと説明してくれるはずでしょ?
説明してくれないのは、わたしが離婚の原因だからよ」
どんなことであれ、離婚は、夫婦の間の問題であって、
子どもに責任はありません。
離婚したのを子どものせいにしないのはもちろんのこと、
離婚しないのを子どものせいにしない。
離婚したのなら、その理由をお子さんにきちんと説明してあげて、
自分のせいで別れたわけでないんだと、お子さんを安心させてあげる。
忘れないであげてくださいね。
夫婦の問題で傷ついているのは、当事者の二人より、むしろお子さんのほうなんです。