日本の領土についての認識
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アメリカは広島、長崎に爆弾を落とした翌年に実験を行っています。三発目と四発目の原爆は小倉に落とすとか新潟に落とすとかいわれていたそうですが、それをやめた代わりに南太平洋に落とした。そもそも、ミクロネシアのマリアナ諸島、カロリン諸島、マーシャル諸島あたりは日本の委任統治領でした。アメリカは日本からそれを奪ったのです。そして自分がミクロネシアの島々を取った代わりに、ソ連には千島列島をくれてやった。そして日本は本当に丸裸にされてしまいます。
今の日本人は、日本が北海道や本州、四国、九州の島々に限られたのは仕方がないと思っているかもしれませんが、これは考えてみるとヘンな話なのです。なぜヘンかといいますと、奪われた領土が今度の戦争によって拡大した領土ならわかります。しかしわが国は、明治以降正統的に獲得した領土まで取り上げられてしまったのです。単に論理的にだけいえば朝鮮半島がそうですし、台湾もそうです。千島列島はもちろん、南樺太も同様です。こうした領土は大東亜戦争によって獲得したものではなくて、日本の近代化百年のなかで得たものなのです。千島列島など、ソ連領だったことは一度もありませんよ。台湾が中国領だったこともない。それを戦争の結果、あっさり奪われてしまった。疑問の声をあげる者もいない。そんな例は世界中で一例もありません。アメリカが敗北してハワイだけでなくカリフォルニアを奪われるような話ですからね。
だからわれわれは、戦争によって領土をものすごい規模で奪取されたということを忘れてはならないのです。
そのことをひと言指摘したうえでいいますが、アメリカはこの南太平洋で核実験を行い、大問題になります。日本の第五福竜丸が死の灰を浴びる事件も起きて、たいへんな被害も出る。人体被害、環境破壊が起こる。これに対してアメリカは、事実を公開し、島民たちに迷惑をかけ、被爆までさせてしまったことに関してはともかく曲がりなりにも謝罪し、保障はギリギリ最低ではありますが、その後も続けています。
ところが今話題にしているヨーロッパの国々はどうかというと、イギリスもフランスも南太平洋で核実験を行ったわけですが、被害をひた隠しにしている。
フランスは長期間太平洋で実験を行ってきました。「ムルロア環礁」とか「ファンガタウファ環礁」という名前を覚えていると思いますが、地図を見てください。フランスはそういうところで、十九六六年から九六年までの三十年間にじつに約二百回もの核実験を行っているのです。そして驚くべきことが記録として残っています。
住民は強制的に定期的な検査を受けていますけれども、目に見えてわかる皮膚病とか流産、奇形児とか魚の毒など訴えがきわめて多いといいます。中でも気になるのは、重傷の人々がタヒチの病院やフランス本土の病院に連れて行かれて帰ってこないことです。「遺体も返してもらえない」という証言まであるそうです。
フランス政府は、証拠を残さないために徹底した防衛体制を取っています。実験について文句を言ったり口外したことがバレると、職場を追われてしまう。だから何も言えないんだそうです。そういう強硬な手段をとっている。これがフランス領ポリネシアの実態です。
「GHQ焚書図書開封2」西尾幹二
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東京裁判では、満州事変あたりから敗戦までの範囲を裁くことになっているのに(この範囲もおかしいと思うけど)、それ以前に合法的に獲得した領土まで奪われた。台湾・朝鮮半島(朝鮮は正直縁が切れて良かったと思う)や第一次大戦で獲得した南の島など。たしかにこのことについて書いている本がすくない。
欧米は口がうまいから。大東亜戦は「文明への挑戦」ですもん。すげーよほんと。日本が欧米の狩り場を荒らしたからって正直に言えよ(笑