先日、主治医との面談の際言われた、入院は来月いっぱいを目処に、と。
当時はぼんやりした感じで聴き、長いなぁ、と思いながら流していた。
最近になって、やはり長いな、と思うようになり妻に気持ちを電話で伝えた。
今思えば、入院生活に慣れ、快適にも思えるようになったはずなのに、何がそう思わせたのか。
良好なスタッフとの関係も構築できていたと自認していたのに。
家に帰りたい。
妻にそう訴えていた。
月末前に退院したい。
具体的な日は患者の自分からは言えないが、とにかく早く帰りたかったのだ。
誰もが生活の軸となるのは家庭だろう。
そこに身を置きたい。
その具体的な理由は自分でも分からなかった。
妻は、じゃまず担当の看護士さんに伝えてみたら、とアドバイスをくれた。
スタッフの方は患者から見たら休みの日は分からない。
日勤、夜勤も不明だ。
明日は会えるか、会って話ができるか。

翌日、担当の看護士さんがいた。
あのぅちょっとお話したいんですが、都合のつく時でいいのでお時間ありますか、と声を掛けた。
看護士さんは手元の予定が分かるものを見て応えてくれた。
それでは30分後くらいに病室にいきます、と。
自分は病室に戻り、おかしな事をい言わないよう、頭の中で内容を整理した。
特に病院に不満がある訳でもなければ、帰らなければならない特段の理由がある訳でもない。
スタッフの方達も優しく居心地の良いようにしてもらっている。
これらを踏まえて、もし病院から見て自分の状態が大丈夫なら言われた予定より早く退院させてほしい。
整理は出来た。
あとは看護士さんを待つだけだ。

予定の時間近くで看護士さんは病室に来てくれた。
どうされましたか、と問われ、自分の整理した気持ちを伝えた。
5分ほど話し、看護士さんは分かりました、先生に伝えてみます、と返してくれた。
あまり表情を出さない方なので、どう思われたか全く分からない。
とにかく自分は、ここに不満があるのではないと伝えたかった。
すぐには回答できない、リハビリとの進行具合や状態も見ないとけないので。
それはそうだ。
これは勝手に自分が言っているのだから。
納得していますよ、それは、と理解しながら看護士さんとの話を終えた。

リハビリの状況は順調のように感じていた。
主に左手は。
当初の事を思えば本当に改善が見られる。
問題は視野とめまいだ。
しかし視野のリハビリ手段は無いという。
時が経ってみてどうか、というところ。
知能はどうか。
アナログ時計は最近見てない。
見て時間が解らない事を受け止められないから見れないのだ。

あと思う事は、今はすっかり入院生活に慣れきってしまっていると感じていた。
それは自分にしか分からない慣れと安住という感覚だ。
要するに気持ちにも危機感が無く少しだらけてしまうと想像出来るようになっていた。
ダラダラといくよりは早く切り上げたい気持ちもあった。

後日、担当の作業療法士さんとのリハビリで、自分の意向を聞いたとの会話があった。
早く退院したいんですか、そうですかぁ、と。
少しだけ、ほんの少しだけ残念そうな表情をされた、ようにみえた。
こちらが勝手にそう見えただけだ。