退院前から妻と相談して眼科に行って診てもらいたいと話していた。
目の病気ではない事は理解している。
理解はしているが、視野について眼科を検索していると、視野欠損の患者の眼鏡の情報があり希望を抱いていた。
妻は行ってみようと言ってくれ、脳神経内科外科の主治医に紹介状を書いてもらっていた。
入院中、視野検査をしてもらったが、同病院に眼科があるわけではなかった。
あくまで脳卒中患者に対する障害や後遺症の有無、程度を検査するだけだ。
治療はできない。
主治医は眼科に行くことについては、行ってみるといいですよ、と言ってくれ、紹介状を書く事も快諾してくれた。
市内の眼科に良さそうな眼科がある。
ネットで予約を入れ、症状により希望の先生を選択した。
後日、眼科に行く日、妻と一緒に出かけた。
建屋はこの辺りの病院に比べ、超リッチで病院ぽくない感じだ。
以前からよく通ってきた道だが、ここがその病院とは思わなかった。
ガラス張りの外観に待合は反射率の高い内装で、シャンデリアのキラキラがより一層派手さを増している。
ソファもゆったりと一人掛けがズラリと並んでいる。
受付の方も普通の病院とは違い、まるでホテルのようだ。
あらゆるものが煌びやかで、場違いなところに来たと思えるような眼科医だ。
受付を済ませ、ゆったりしたソファで静かで優雅な待合を満喫した。
名前を呼ばれ2階の検査室へ。
ここでは通常の視力検査と眼圧検査を受けた。
次だ。
次は視野検査だ。
別室に通され、とても静かな検査室に案内された。
あの視野検査だ。
脳神経内科外科で受けた視野検査と同じような検査機だ。
BSアンテナのようなあれだ。
指示に従い片目ずつ検査していく。
光が見えたらボタンを押し消えたらボタンを離すと説明された。
始めてみると、脳神経内科外科での検査機との違いは点灯する光が移動する事だ。
しかも直線的ではなく、クネクネと移動する。
この移動する光に対して視点を動かさず、光を追わないようにして、どの範囲が見えて、どの範囲が見えないかを可視化するものだ。
この検査も20分以上はかかり、途中、集中力が切れそうになった。
また、中盤以降は光が見えているのか見えていないのか判らなくなり、なんとなく光っているものが見えている気がするという、前回同様の現象が起きた。
自分はかなり多くの時間、ボタンを押し続けてしまっていた。
つまり見えていると。
おかしいなと思い、とっさに眼科のスタッフさんに検査中聞いてみた。
今って光ってますか。
いいえ、光ってないです。
やっぱりだ。
光っているように見えるだけで、実際は光ってない時があったのだ。
自分でも判らない。
なぜ光っているように見えたのか。
光ってない時にボタンを押しているのはスタッフさんは分かっているのだろうか。
もしわかっているのなら、教えてくれないのか。
そんなこんなで、検査になったのか、なっていないような検査を終えた。
疲れた。
結構疲れた。
見えていないはずの光を見えたとボタンを押した事で、しばらく落ち込んだ。
これで検査は終わり、診察を待った。
自分が予約を入れた外来は、回復が見込めない視野狭窄や、残った視野で器具を使った文字を読む等の訓練や支援、障害者手帳の取得等を対象とした外来だ。
どんな診察になるのか。