代代代は「だいだいだい」と読むそうです。私は「よよよ」と読むのかと思っていました。一応アイドルに分類される若い女性5人組ですから、よよよの方が可愛らしいですし、仲間内の隠語っぽくて楽しいです。と思ったら、ファンの総称が「よよよ」なんですね。

 代代代は映画にもなったディープ大阪スポットである味園ユニバースで華々しくデビューを飾りました。2016年のことです。公式サイトによれば彼女たちは「ニュースタンダードを掲げる5人組の少女隊。ジャンルはSOLID CHAOS POP」です。

 モーニング娘。につんく♂、パフュームに中田ヤスタカ、BiSHに松隈ケンタがいるように、代代代には小倉ヲージがいます。小倉は彼女たち以前にも細胞少女などのアイドルを手掛けており、その集大成的なグループがこの代代代のようです。

 この作品は公式サイトのディスコグラフィーでは14番目の作品となります。もはやシングル、アルバム、ミニアルバムの区別もつきません。会場限定の配布品があったり、映像作品が混じっていたりと縦横無尽の活躍ぶりです。

 タイトルは「アブサード・イズ・ジ・エッセンシャル・コンセプト・アンド・ザ・ファースト・トゥルース」ととにかく長いです。しかも英語で日本語訳はありません。不条理は必要不可欠な概念であり最初の真実であるとでも訳しておきましょう。

 全7曲のタイトルが奮っています。「不安」、「不明」、「EHM」、「ピラニア」、「死神」、「融解」、「清潔」です。このアルバム・タイトル、それぞれの曲名、これはまるで関西系ハードコア・バンドののりです。今やどんなコンセプトもアイドルと結びつくもんですね。

 ジャケットやブックレットのどこにも彼女たちの写真は掲載されていません。名前が記載されているのみです。それによれば、このアルバムでの代代代は梨央、宮衣紗羽、丹南偲穂、出雲なる、ヒメカノンの5人組であることがかろうじて分かります。

 ヒメカノンは病気のためにしばらく休んでいましたが、この作品制作時には戻ってきました。ツアーにも参加していますが、残念ながら予後が思わしくないようで、このツアーをもって脱退することが決まっています。大変な時期に制作されたミニアルバムです。

 代代代のサウンドはブレイクコアやハードコアテクノなどに分類されることが多いようです。エレクトロニクスが多用されて現代仕様になっていますけれども、テイストはハードコア・パンクのそれに近いものを感じます。これが小倉の持ち味です。音楽音楽していない。

 そんな混乱と混沌をもたらそうとするサウンドに対して、代代代の5人は頑張って対峙しています。アイドルらしい可愛いボーカルもあれば、絶叫型あり、トリートメント型ありとそのメニューも多彩です。ステージが見てみたいと思いました。

 特典ディスクとしてボーカル抜きのインストゥルメンタルがついてきました。それはそれでかっこいいのですが、やはりボーカルが入るとアンバランスの魅力が倍増していることが分かります。こうしたサウンドをアイドルでやる必然性のようなものを感じました。

The Absurd Is The Essential Concept And the First Truth / DaiDaiDai (2021 Demontapes)