スターダスト☆レビュー、通称スタレビは1981年にメジャー・デビューしており、もうじきデビュー40周年を迎える息の長いバンドです。しかも、多少の出入りはあるものの、当初のメンバー4人はずっと変わりません。大したバンドです。

 私の日本のメジャーな音楽シーンの情報源は主にテレビです。今となってはネットが主流でしょうが、スタレビがデビューした1980年代初めから1990年代にかけてはテレビで必要十分だと思ってました。歌番組と情報番組だけで事足りたんです。

 テレビにしばしば出演するアーティストか、もしくはテレビには出ないと宣言するアーティストか、大たいどちらかに分類されました。どちらもテレビにとっては大好物ですね。いずれにしてもテレビから離れられない。テレビだけでシーンを知ることができた所以です。

 しかし、スタレビはどちらでもありませんでした。本当の意味でテレビを気にしない。オファーがあれば出るので忌避するわけでもない。かといってマイナーなわけではなくて、彼らのライブは大いに人気を博しています。これはテレビだけ見ている私には捉えがたいはずです。

 そんなわけで、私は彼らの名前を聞いたことはありましたが、サウンドに接したことはほとんどありません。スタレビの根本要が出演していたテレビ番組「ロックの要」で初めて根本の人となりに接して、彼らの立ち位置が私の常識を修正にかかったんです。

 前置きが長くなり過ぎましたが、この作品は2009年に発表されたスタレビのベスト・アルバムの一つです。ほぼ同時に「ブルー・スターダスト」なる別のベスト盤が出ていますが、この「レッド・スターダスト」通称赤盤は「踊れる、スタレビ」を軸にした選曲です。

 「ハッピーになるポップナンバーだけを収録」しており、バラード中心の青盤とは一線を画しています。こちらには1981年のデビュー・シングル「シュガーはお年頃」から4枚目のシングルまでが網羅されており、よりメジャー向けの選曲だと思います。

 最新の曲は大泉洋との共演となる大ヒット曲にして42番目のシングルとなった2004年の「本日のスープ」です。ということはほぼ四半世紀にわたる活動の記録を1枚に収めたことになります。これだけの長いスパンなのに一枚に収録して違和感がないのが凄いです。

 変化していないわけではありません。「マンハッタン・トランスファーとポインター・シスターズが服部良一のメロディを歌ったら?」というコンセプトのデビュー曲からしばらくはブギウギ調ですが、その後はGS調あり、ロックあり、ソウルあり、R&Bありと引き出しが豊富です。

 彼らは音楽が大好きなんでしょ う。その豊富な音楽体験が血となり肉となって、オリジナル楽曲を生み出しています。決して模倣しているわけではなく、自然に染み出だしてきているのでしょう。アイデア満載のサウンドがとても楽しいです。

 ほぼ同世代だけに根っことなった音楽体験も共通している部分が大きく、にやにやしながら楽しむことができます。こんなバンドのことを長らく知らなかったのは大変な失策でした。こういう時こそ口コミが重要なのに、勧めてくれる友達に恵まれなかったとは残念至極。

Red Stardust / Stardust Revue (2009 ワーナー)