クラウド・ファンディングはとりあえず成功、した。達成率は150%を超え、無事に2枚目のオリジナル・シングルが、届いた。気づけば歌の波も、一定の水位を保ったまま、平穏に浜辺に打ち付けている。うるわしき、娘たち。

 乙女フラペチーノは大人の事情でおとといフライデーに改名しました。フラペチーノはフラッペとカプチーノから作った造語で、スタバの登録商標なんだそうです。そんなん知らんがなと思うほどに一般名詞っぽい。どこに落とし穴があるか分かりません。

 クラウド・ファンディングは成功したと書きましたが、少なくとも私は見逃していました。貢献する気満々だったのに、すっかり出遅れてしまいました。やっぱり積極的に情報を取りに行かないと難しい。SNSでフォローしないといけません。名前載せて欲しかった。

 今回のおとフラのシングル1曲目は、「もしやこいつはロマンチックのしっぽ」です。1986年札幌生まれの詩人にしてミュージシャン、柴田聡子による楽曲です。柴田は「文學界」や「すばる」などの本格雑誌にも寄稿するなど、「詩人としても注目を集めている」人です。

 この曲、イントロのリフを思いついた時点で仕事は終わったと思ったのではないでしょうか。それほどにキャッチーでかっこいいリフです。サウンドは「グランジ界のナイアガラ」と呼ばれるシンガーソングライターでサウンドプロデューサーの石田ショーキチです。

 2曲目はハードコア・フリージャズ・バンドとされるNATSUMENのアインによる「いいビーサン」で、編曲は「緋と陽」なる「ドラマチック過剰とまで評されるほどの独特な世界観を創りあげている」バンドのhig。両バンドを掛け持ちしている山本昌史がベースで参加しています。

 いろいろ書いていますが、この人たちと出会ったのはこれが初めてです。かなり興味深いサウンドなので、聴いてみたいと思いました。さすがにいい仕事をしています。前作とは全く違ったチームを持ってきたところにおとフラの本気を見ました。

 肝心のおとフラ、二人の勢いは止まりません。紗倉まなてぃーは、処女作「最低。」が映画化もされましたし、アベマTVでも大活躍中です。もちろん本業の方も。小島みなみもテレビやネットやYouTubeで活躍しているようで大変喜ばしいことです。

 高い声のコジと低い声のまなてぃーがハモる場面もあって、二人のボーカルが新鮮です。アニメではないのに2次元的な可愛らしさが醸し出されてくるのが素敵です。声優さんたちの玄人芸ではない歌がとてもいい。

 3曲目にはおとフラの出世作トリプルファイヤー作の「私ほとんどスカイフィッシュ」のリミックス・バージョンが収録されています。多摩美大の同級生で結成されたヒップ・ホップ・グループのトーキョー・ヘルス・クラブのツバメがリミックス担当です。

 やはり、この曲の世界観がおとフラにぴったりです。彼女たちはほぼスカイフィッシュですし、マヤ文明、ケセラン・パサラン、ラスプーチンです。これを敷衍したのが今回の作品。アルバムが待ち遠しいです。クラウド・ファンディング、するなら教えてください。

Moshiya Koitsuha Romantic No Shippo / Ototoy Friday (2017 Trash-Up)