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デビュー当時はマイナーなレーベルとの契約だったこともあって、イギリスでは全然売れませんでしたが、なぜか日本とドイツで人気が出て、1972年には早くも日本公演を行っています。レッド・ツェッペリンと日本で会ってサインをもらったそうですよ。
彼らがビッグになるのは、何と言ってもマイケル・シェンカーが加入してからです。そうです。後に神と呼ばれるあのマイケル・シェンカーです。ドイツで彼らの前座を務めたのがスコーピオンズで、そこの助っ人だったマイケルを口説き落としたのが功を奏しました。
そうして大きく羽ばたいたUFOは英米で確固たる地位を築き、順風満帆な活動を続けましたが、いろいろとトラブルがあったようで、マイケル・シェンカーが脱退してしまいます。1978年、このアルバムが発表される直前のことです。
その後のUFOは輝きを取り戻すには至っていません。マイケル・シェンカーの大活躍ぶりはご案内の通りですから、UFOはマイケルの踏み台的な形になってしまいました。大変、残念なことです。
それはともかく、この作品は、彼らの絶頂期の姿を記録したアナログ盤では二枚組のライブ・アルバムです。数あるロックのライブ盤の中でも、彼らの歴史だけではなく、70年代ロックの歴史に残る名ライブ盤だと言われています。
1978年、シカゴとルイスヴィルでのステージの模様を収めたアルバムで、マイケル・シェンカーがギターを弾きまくっています。とにかく弾きまくっています。一説には、マイケルが一切のオーヴァーダブを拒んだそうで、本当だとすると魅力が倍増です。
いや、とにかく弾きまくっています。そして、そのギターのカッコいいことカッコいいこと。もう一人のギタリスト、ポール・レイモンドは時にキーボードに持ち替えての演奏ですから、サウンドの広がりも大きく、マイケルのギターをいやがおうにも引き立てます。
ハード・ロックとしては王道のサウンドです。レッド・ツェッペリンやディープ・パープル、ブラック・サバスなど以上に王道路線です。楽曲もそれなりにいい曲が揃っており、どこからどう切ってもブリティッシュ・ハードロックが出てきます。
そんなサウンドをマイケルの縦横無尽ギターが駆け抜けるわけで、理屈抜きに気持ち良いです。バンドも絶頂を極めており、このまま全米制覇に向かうかという充実ぶりです。スピード感も満点で、これぞザ・ハード・ロックです。マイケルの名は世界に轟くことになりました。
彼らにとっては初来日公演で制作された日本でのライブ盤が納得いかない出来だったために、リベンジとしての意味合いもあったそうで、本作を引っ提げて日本に凱旋するつもりだったとか。二度目の来日は確かに果たされましたが、マイケル抜き。残念でした。
Strangers In The Night / UFO (1978 Chrysalis)